連載【旅の鉄道ムービー】第6回 パンニング


前回は「鉄道ムービー入門」ムックの制作が佳境だったために一回お休みしましたが、今号は復活です!
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今回のテーマは「列車の迫力を感じさせるパンニングのテクニック」です。ではどうぞ。


◆パンニングは必然性があるときに!
 きれいな風景の中を駆け抜ける列車、画面を固定していても美しく見せることができます。パンなどのフォローはむやみやたらに振り回すのではなく、必然性がある時に行うのと、作品の中の良いアクセントになります。
・興味ある列車を一定サイズで見せ続けたい
・近づいてきて、駆け抜けていくスピード感を見せたい
・パノラマ的に広さを見せたい
・「桜並木を抜けて駅に入ってゆく」など動きの中にストーリーを作りたい
 など、テーマを見つけたときにパンなどのフォローをするのが良いでしょう。
カメラの設定上の注意点は、ブレ防止を必ず切っておくこと。入ったままだとカクカクと不自然な動きになることがあります。
パンを始める時にはスローアップ、スローダウンが重要です。動き出しや止まった瞬間が見ていて気がつかないような動きが理想的です。これには練習が必要なので、慣れるまで繰り返し撮影をしてみましょう。
主にパンの動きは2種類です。
列車の速度に合わせた動き(フォロー)と、
列車のスピードとシンクロせずに(列車のほうが早い)、列車が駆け抜けていくような動きです。
どちらも撮影前に、スタート時のアングルと、ストップ時のアングルをしっかり決めてから撮影するのが良い映像を撮影する第一歩です。
【作例1】列車の速度とパンする速度を合わせるフォロー
列車をじっくり見せたいときに使う。比較的線路から離れて撮るときに有効な撮影方法です。

【作例2】列車速度にシンクロさせないフォロー
スピード感を表現するときに使います。比較的線路に近いところから広角系で撮影するときに有効。

【今月のお奨め路線】山陰本線

山陰本線は主に日本海に沿って走っています。その中でも出雲市よりも西側の海岸は白い砂とエメラルドグリーンの海の見える美しい場所が多くあります。特に海の色や空と雲のコントラストを出すために、偏光フィルターを用意したい路線です。
このシーンは折居-三保三隅間で、奥には岩場が見え、線路の後ろはきれいに海が入る美しい場所です。撮影ポイントは道の駅の「ゆうひパーク三隅」の裏手からで、手軽に撮影できる場所です。午前中が順光ですが、夏の夕暮れにも印象的な様子を見せてくれます。
【筆者プロフィール】佐々倉 実
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鉄道映像作家。小学生の頃から鉄道写真を始め、大学生の頃、当時鉄道員をしていた今井洋氏と出会って以来、製作活動をともにする。現在は、佐々倉氏が撮影、今井氏が編集を担当し、雑誌やDVDパッケージを中心に鉄道ビデオを製作している。DVDに『魅惑の蒸気機関車 四季SL紀行』、『日本の鉄道 新幹線・特急編/蒸気機関車ローカル線編』などがある。2010年7月に『感動の美景鉄道』(MAXAM)が発売予定。
鉄道写真どっとネット(http://www.tetudousyasin.net)を運営。
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