【Special Report】Premiere Pro CS5&CS5.5+ISP 3D Title/字幕の3D化は既に実用レベル


Adobe Premiere Pro CS5/CS5.5用に作られたISPの立体視字幕作成プラグイン「ISP 3D Title」。無償ソフトでありながら主流のサイドバイサイド形式に対応し、話題だ。FOXインターナショナル・チャンネルズでは3D放送化を目指した実地シミュレーションで使用検証。その運用性の高さに太鼓判を押した。
取材協力●
FOXインターナショナル・チャンネルズ㈱
放送制作技術部、IT&放送技術
曽根正輝 氏


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 FOXインターナショナル・チャンネルズといえば、「24」、「Glee」、「アメリカン・アイドル」など、海外で人気のドラマやリアリティー番組を多数放送している「FOX」をはじめ、ドキュメンタリー専門チャンネル「ナショナル ジオグラフィック チャンネル」を運用しているエンタメ企業だ。現在スカパー!やCATV局などを通じて7つのチャンネルを運用しているが、今年の10月からはBS放送にも進出。大きな転機を迎えるという。
 そんな中、3D放送にも対応したJ:COMをはじめ、3Dコンテンツの要望も日に日に強まり、この1月から「3Dワーキンググループ」を社内に発足。社内教育からシステム検証まで、独自に取り組んできた。その中心になったのがシステム導入を担当する曽根正輝さんだ。
 米国には既に、サイドバイサイド形式に変換された3D番組も用意されているため、後は字幕などの日本語テキストデータを3D化できれば環境は整うことから、様々な3D対応ソフトやプラグインを検証。しかし、どうもしっくり来ない。ソフトメーカーにも相談し、当然、アドビ システムズにも問い合わせた。
 そこで知ったのがシステム計画研究所/ISPの「ISPステレオスコピック3D」。既にAfter Effects用のプラグインとして発売し、タイトルの3D化も可能と機能的には望むものに近いものの、実際の運用となるとAfter Effectsでは向いていない。
 それを聞きつけたのがシステム計画研究所の井上由香さん。同社では「Happy Plugin」を合言葉に、望まれる機能があるなら、それを実現するためのプラグインを開発する! を目標に商品企画を行なってきた。時間軸の編集ソフトでも要望があるなら、Premiere用も作りましょうと早速対応。
 それが4月19日に無償配布を開始した「ISP 3D Title」になる。有償版はCS5.5の発売に合わせての市場導入となるが、主流のサイドバイサイド形式に対応するソフトを無償で提供するとは恐れ入る。
 早速、Premiere Pro CS5にISP 3D Titleをインストールして検証に入った曽根さんだが、その結果にはひじょうに満足したという。品質や処理速度といった面だけでなく、運用経費も含めた実用性の高さに、これで充分と太鼓判を押した。Premiereでは、字幕用のTIFFデータに字幕の貼り込み位置情報も付けたAAFファイルをそのまま読み込める点もポイントが高いそうだ。
 それだけではない。このプラグインを使うと、2D番組でもサイドバイサイド形式の3D番組に変換できる。試しに番組宣伝用の映像を3D化したところ、社内でも大反響。ビデオ映像を奥行き方向に、テロップを少し手前に出すだけで、見違えるように3D化した。
 今後は3Dに最適な字幕のフォントや文字間隔、色を究明したいという曽根さん。既にその先の課題に取り組もうとしている。
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検証中の編集画面
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▲Adobe Premiere Pro CS5にISP 3D Titleを設定した編集画面。TIFFの字幕データにISPのプラグインを適用すると、プログラムモニターパネルにはサイドバイサイド形式で表示される。
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▲一枚の字幕TIFFデータに「ISP 3D Title」を設定すると、左右に分割された映像にサイドバイサイド形式で挿入される。
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▲「ISP 3D Title」はビデオエフェクトとして用意され、コントロールパネルで飛び出し感を調整する。+方向で手前に出る。「3.000」は曽根さんのおすすめ設定値。
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▲曽根さんは数値を変えた設定をプリセットとして保存し、様々なパターンで検証を繰り返したという。
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▲「字幕作成プラグイン」という名称から字幕専用と思われがちだが、そうではない。写真のような2Dのグラフィックやビデオにも適用可能。つまり、このプラグインを活用すると、2D/3D変換も可能になる。
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Creative Suite 5.5製品版 5月20日より店頭発売開始
After EffectsでのStereoscopic 3D対応およびPremiere ProでのMercury Playback Engine対応強化など、さらにパワーアップしたCreative Suite 5.5が、5月20日金曜日より店頭販売開始となった。また今回の体験版からは、Premiere Proで利用できるコーデックの制限がなくなった。デジタル一眼やP2、XDCAMそしてAVCHDといったファイル形式へのネイティブ対応によるメリットを試してみてほしい。
体験版のダウンロード案内●http://adobe.ly/try-ppro-jp
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ISP 3D Title●http://www.isp.co.jp/products/tools/3dtitle/
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