第4回上映 小澤雅人監督作品 『ワタシのすみか』


 第4回は「初めて」づくし。監督の小澤さんは「藤沢シネマ」の企画を聞きつけて監督に立候補、公開に至った。そしてこれまで5D Mark IIばかりだった撮影カメラがGH1に。さらに、出演者もエキストラを含めると総勢6人に。実に賑やかな現場となった。
 作品の舞台は学習塾に街中、そして川べりと3カ所に分かれたため、今回のロケは2日にわたった。思いのほか低い気温の日が続いたため、期待していた桜は満開とはいかなかったが、それでもこの企画を応援してくれるように、春を充分に感じさせる景色がロケ隊を迎え入れてくれた。
 ロケの前の週に行なった打ち合わせで、監督が藤沢さんに伝えたのが『アメリ』のような映画であること。変顔オンパレードで「不思議ちゃん」を演じてほしいということだった。果たしてどんな藤沢玲花が観られるのか? 上映時間になりました!


『ワタシのすみか』



あらすじ
舞台は学習塾。台詞に頼らず、映像とイメージで語る、好奇心旺盛でちょっと変わった高校三年生、玲花の物語。全世界の人に観てもらうために、わずかなセリフには英語字幕をつけた。●カメラ:パナソニックDMC-GH1 / ●編集:Final Cut Pro 6 / ●上映時間:13分37秒
監督/脚本/撮影/編集●小澤雅人
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▲映画監督/映像クリエイター。短編映画『hard cold greenhouse』がドイツのドレスデン国際短編映画際に招待される。2010年に飯田譲治監修、加藤和樹主演の短編オムニバス映画『最高でダメな男・築地編~Tsukiji流~』で商業映画監督デビューを果たす。
小澤雅人監督の公式HP●http://www.geocities.jp/mastersfilm
主演/玲花(17)役●藤沢玲花
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▲好奇心旺盛な高校生。妄想大好き…という設定。塾の教室や街で見かけるあれこれに妄想を膨らませるちょっと不思議な女の子に挑戦。
藤沢玲花さんの公式HP(ジェイライブ)●http://jlive.tv/reika.html
川北先生(45)役●川北冬樹
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▲テレビや舞台等で活躍中。塾の講師だが、髪の毛の様子が変…。この役は川北さんをイメージして当て書き。台詞や表情はさすが。
川北冬樹さんの公式HP●http://talent.yahoo.co.jp/pf/profile/pp11518
キムさん(30)役●谷中啓太
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▲映画、舞台と活躍中。今回は、入ったばかりの塾の講師役に加え、制作も担当。現場で起こった様々なトラブルも次々解消する凄腕。
谷中啓太さんの公式HP●http://apres.jp/talents/quada/keitataninaka.html
釣り人(60)役●山下ケイジ
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▲50歳にして役者の道を志す。退職後は釣り三昧という釣り好きなおじさんを好演。チャームポイントの笑顔がこの役どころにピッタリ。
山下ケイジさんの公式HP●http://profile.ameba.jp/keiji-b/
チエミ(18)役●池川千絵美
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▲愛媛出身、東京で女優を目指す女子大生。舞台等で活躍中。玲花と同じクラスを受講するが、玲花に見つめられたその先には…。
制作スタッフ
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[音楽]天沼孝行:公式HP●http://natural-wings.net/
[アニメーション・タイトル]千海博美:公式HP●http://sleepyhead-ch.com/index.html
[制作]谷中啓太
[録音・効果音]佐々木孝憲(後列中央)
[ヘアメイク]升水彩香(後列左):office●http://www.buronica.com/
[合成]相澤治彦:相澤工房●http://aizawa-factory.com/index.html
[Special Thanks]
ロケ場所協力:早稲田育英ゼミナール本八幡教室/メディアスタッフビジョン、
グリーンバック貸与:カツヲ

制作後記 / 小澤雅人


 人の脳が日常的にインプットしている情報量の割合は、視覚が8割、聴覚は1割にも満たないという。せっかく映像で表現できるのだから台詞に頼らない、映像だけで語る作品を作りたい…そんなコンセプトを基に構想を練った。初心に返って自分の脳味噌をひっくり返したような物語を考えたら、奇想天外な女の子がそこにいた。
 脚本を書く上で、さすがにこの状況で何も話さないのはおかしいだろうという箇所があり、ひとつだけ短い台詞を入れた。だがそれも同じ文言の繰り返しで、台詞自体に意味はない。自然に耳に入ってくる環境音のつもりだ。それと撮影終了後に遊びで録音した素材も心の声として採用した。これも同様に意味はなく、音響効果の一種にあたる。
 自分が作品撮りする際、大事にしているのがロケハンだ。今回もロケ地周辺をじっくり歩き回り、そこで見つけた面白いものやインスピレーションを脚本に反映させた。撮影はGH1。柔らかい映像にするため、モードは「ノスタルジック」を基本に、2本のレンズで設定を使い分けた。
 急げば1日で撮り終えられる内容だったが、カット割りにこだわりたかったので2日間に設定。短編の場合は特に、カット割りに緻密な計算が必要になる。自分の場合は長いカットと短いカット、引きと寄りでメリハリをつけた構成が好きだ。結果、主演の藤沢玲花がこちらのリクエストする表情にすんなり応えてくれたこともあり、彼女が持っている透明感と、作品のキャラクターが持つ毒々しさのアンバランスが心地良く、狙った雰囲気が出せたと思う。
 今回の使用機材は、すべて廉価で手に入るもの。マイクロフォーサーズのひとつの利点でもある。逆に言うと、ただ綺麗な映像は誰でも撮れる時代になった。「何を、いかに」撮るかがますます重要になってくる。最後に、過酷な条件にも関わらず協力していただいたスタッフ、キャストの皆さんにお礼を言いたい。改めて映画が総合芸術だということを実感した。