アップルは6月21日、プロフェッショナル向けのビデオ編集ソフトである「Final Cut Pro」をアップグレード、「Final Cut Pro X(テン)」として発売を開始した。販売はMac App Storeからのダウンロード方式で、日本での販売価格は税込35,000円。従来バージョン(FCP 7)のスイート版であるFinal Cut Studio(2009)の10万8千円と比べると大幅な値下げとなる。FCSに含まれていたアプリの多くはFCP Xに統合された形になるが、エンコーディングソフトである「Compressor 4」(App Store価格税込5,800円)とモーショングラフィック作成ソフト「Motion 5」(同5,800円)は別売となる。なお、現時点でパッケージ版の発売のアナウンスはない。


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バージョン名は「7」から「X(テン)」へ飛んだが、これはFCPが登場して10年ということだけでなく、Mac OSもバージョンX(こちらは9が存在したが)で革命的な変化をもたらしたのと同じくらいの大変革であるというメッセージとも言われている。64ビットネイティブ対応をはじめ、インターフェイスや操作性にも大きな変化があるようだ。
一見して大きく変わったインターフェイス。10年間守り続けてきたビューアー(モニター)とキャンバス(レコーダー/プレビュー)の2ウィンドウスタイルをやめ、iMovieのテイストに近いものになった。その中心をなすのが、トラックレスのキャンバスで柔軟な編集ができる「マグネティックタイムライン」だ。
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マグネティックタイムラインを使った編集作業において、重要な要素になるのがBロール、サウンドエフェクト、音楽などのクリップをひとまとめにしてタイムラインに配置する「クリップ接続」機能だ。これにより、複雑なプロジェクトでもすばやいストーリー構築や、クリップの入れ替え等の作業を可能にする。その際に、関連づけられたストーリー要素を「複合クリップ」に統合して、一つのクリップとして編集することもできる。
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複合クリップを展開した状態(上)と閉じた状態。かなり見た目がすっきりするのがわかる。
このほかにも、細かいコントロールをしたいポイントをダブルクリックして、拡大表示を見ながらタイムライン上でトリミング作業ができる「インライン詳細編集」、タイムラインの1箇所に候補となる複数のカットを集めてすばやく比較できる「オーディション」機能などの新機能がある。さらに「コンテンツの自動解析」は、読み込みの際にメディアのタイプやショットのアングル、映っている人数等、有用な情報をタグ付けしてクリップを自動的に整理し、スマートコレクションを作成する。
もちろん、64ビットネイティブ対応化による処理速度の向上は見逃せない。マルチスレッドプロセッシングとグラフィクスカード上のGPUを利用して、超高速バックグラウンドレンダリングと極めて優れたリアルタイム再生性能を実現した。
ビデオサロンでは、7月20日発売の8月号にて、Final Cut Pro Xの新機能や、従来バージョンからの変化について、詳しく紹介する予定だ。
アップル Final Cut Pro Xサイト http://www.apple.com/jp/finalcutpro/