第5回上映 古賀奏一郎監督作品『神隠し』


 1回お休みをいただきましたが、「藤沢シネマ」再開です! 今回の作品は7月の夏休み公開第一弾ということで、子供達が主役のファンタジックホラーをご用意しました。脚本・監督は劇場公開作品やVシネマ系で活躍し、ホラー作品を得意とする古賀奏一郎監督。
 藤沢シネマとしては、今回初めて監督と撮影が別の二人体制。ショートムービーでは監督自身で撮影を担当したほうが効率的とも思えたが、古賀監督の現場を見た限りでは、どちらもあり。それぞれに良さがあることを実感できた。
 特に印象的だったのが、しっかり演技をつけてから撮影に入る古賀スタイル。演技指導中は撮影の吉川さんはカメラ位置を決めたり、演技を客観的に観察し、撮影プランを立てる。実に無駄がない。
 主演の藤沢さんは三兄弟の長女役。しっかり者の妹と、少し臆病な弟との関係も見モノ。さて、上映時間になりました!


『神隠し』



あらすじ
臆病な弟・順平(川合)をからかう亜子(藤沢)
は古き神社に伝わる迷信「神隠し」を試そうと提案。それは本堂を3周すると神隠しに遭うというもの。亜子、妹・なつみ(岡山)、そして順平の順番になるのだが…。●カメラ:キヤノンEOS 7D / ●編集:Final Cut Pro 7 / ●上映時間:11分32秒
脚本・監督●古賀奏一郎
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▲フリーランスで映画やオリジナルビデオ、企業VPの脚本、監督、制作を手掛ける。本年8月公開作品『霊界の扉 ストリートビュー』の監督を務める。1976年生まれ。福岡出身。福岡外語専門学校英語科卒。
【主な作品】
2008年 劇場公開映画『クレーマー』脚本
2009年~ OV『渋谷の女子高生たちが語った 呪いのリスト』シリーズ/脚本・演出
2011年 OV『Not Found 削除された禁断動画』シリーズ/構成・演出
2011年 劇場公開映画『霊界の扉 ストリートビュー』監督
2011年 劇場公開映画『明日泣く』プロデューサー
主演/勅使河原 亜子(16)役
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▲私生活でもお姉さんである藤沢さんは見事に長女役を好演。しっかり者の妹・なつみとの掛け合いでは、これまでにない味わいを発揮。
藤沢玲花さんの公式HP(ジェイライブ)●http://jlive.tv/reika.html
勅使河原 なつみ(12)役●岡山優花
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▲たくさんのドラマや映画の出演歴を持つ笑顔の可愛らしい中学生。とにかく頑張り屋さんで現場では一度も脚本を見ずに演じきった。
岡山優花さんの公式HP●http://waterblue0420.info/g-okayama.html
勅使河原 順平(10)役●川合桃太郎
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▲背が伸びて次女役の優花ちゃんよりも高くなってしまったが、その表情はまさに末っ子。最後の見所では体を張って頑張ってくれた。
川合桃太郎さんの公式HP●http://waterblue0420.info/b-kawai.html
神主さん役●中野 剛
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▲大ベテランの俳優・中野さんにはワンポイントで出演を依頼。物語の中盤でしっかり締めていただいた。思いつきで演じない姿に感動。
中野 剛さんの公式HP●http://www.nakano-showten.com/nakanoprof.html
制作スタッフ
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今回はスタッフ・キャスト合わせて7名体制でのロケとなった。後列右が撮影の吉川久岳さん。古賀監督と組んで撮影することも多いが、自身でも映像作品の監督や脚本を務める。寡黙に撮影を進めるその姿はどことなく職人肌。中野さんを挟んでその左は制作部として移動や食事の手配、レフ持ちと下支えしてくれた山中 同さん。藤沢さんと子役の2人は、本当の兄弟のように見えたのが不思議だった。
[音楽]秋山裕和
[題字]山口美加

制作後記 / 古賀奏一郎


 『ねえねえ、聞いてよ、この間さー』仲のいい友だちをつかまえてちょっとした立ち話…。『へぇー』とか『面白いねー!』そんな声が聞きたくて、自分が見聞きしたことを面白おかしくしゃべる。それは相手を楽しませてやろうという企みに満ちた瞬間。
 10分程度の短編映画で語ることができるテーマやストーリーは、この立ち話と同じくらいがいいような気がする。『神隠し』はある夏の昼下がりに起こった、ウソのようなホントのような!?…そんな小話です。
 撮影はとってもスムーズにできました。理由はいくつかありますが、やはり、主演の藤沢さんがしっかりと準備していたことが大きい。脇役の岡山さんも川合くんも役柄のイメージそのまま。後はこちらがどう撮るかだけでした。朝9時集合、昼休憩を1時間弱取って17時過ぎには終了。スタッフ、キャスト費、ロケーション費…しめて49,000円也。どうだ!
 いくら機材が安くなったとはいえ、映画制作には時間とお金がかかります。予算と時間を抑える秘訣は、ずばり脚本と撮影体制です。ストーリーはあくまでもシンプルに。なるべく撮影にはカメラマンに参加してもらう。カメラを自分でまわすと客観性が麻痺しがちで、いつまでも撮影してしまう。あらかじめカメラマンにはカット割りに目を通してもらっておく。常に現場では客観的に見てもらい、気になった所はドンドン指摘してもらう。このほうが速いし、いいものができる。
 これを読んでいる方の多くは、おそらく制作費もスタッフの数も限られていると思います。皆さんが過去に観た大好きな映画と同じクオリティで作るのは難しい。しかし、〈限られた予算と時間〉というカセが、きっと、大規模映画、一般の商業映画にない素朴さ、純粋さ、新しい発想となって、観る人たちをきっと感動させるのだろうと思います。
 『藤沢シネマ』とても楽しかったですよー。さあ、次はどんな映画を撮ろうかな……。