ニコニコ超会議はブラックマジックデザインの
DeckLinkキャプチャー・再生カードを使って実現した


2012年4月、92,000人を超えるニコニコ動画ユーザーたちが千葉幕張メッセに集結し、ニコニコ超会議が開催された。ニコニコ超会議は、株式会社ドワンゴの子会社である株式会社ニワンゴが提供している、日本独自の動画共有/配信サイトであるニコニコ動画のほとんどを地上に再現する、というコンセプトで企画された超巨大公式イベントだ。
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ニコニコ動画の特徴は、配信された動画の再生時間上にユーザーがコメントを投稿し、それが動画上に表示できるコメント機能。自分のコメントしたタイミングで画面上にコメントが表示され、誰かが同じ動画を観ると、同じ動画の同じ再生時間上でコメントが表示されるため、あたかも、同じ時間に誰かと一緒に動画を観ているような、擬似的な時間の共有が可能になる。
そのためユーザー同士で交流しやすく、人気の出る動画になるとコメント数も膨大なものとなる。日本独自のユニークな進化をとげたニコニコ動画では、様々な人気動画が生まれ、その動画のジャンルも多岐にわたる。また、ニコニコ動画のサービスのひとつであるニコニコ生放送は、ライブストリーミングの動画共有サービスである。一般ユーザーのほかに、企業や政治家も公式チャンネルを設けるなど活発な配信が行なわれている。
今回、この超会議を主催した株式会社ニワンゴの代表取締役社長である杉本誠司氏は、イベントの開催の経緯をこう語る。
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「ニコニコ動画ユーザーは全体で約3000万人程います。ですが、その視聴者の層はセグメント化されていて、『歌ってみた』や『踊ってみた』などで歌ったり、踊ったりする人、生放送だけを観ている人など、様々です。それぞれのカテゴリーのユーザーは数千人から、大きくても数十万人となっています。すべてのユーザーが触れ合う機会というのがほとんどありません。特に、ネットを通じて集まっているので、他の様子を伺い知ることもしなくていい状況にあります」
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「現実社会では、好きな事だけではない事も受け入れる総合的な選択肢と向き合って生活していかなければならないが、ネットの世界では必ずしもそうではないのです」
杉本氏は、リアルの世界とバーチャルの世界がどんどんかけ離れたものになっていくことを、危惧していたという。
「ニコニコ動画では、ジャンルによって人気のあるものと、そうでないものといろいろです。自分が好きなものが多くの人たちも好きだということで、影響力の強いものに付加価値を見いだす人もいますし、逆にマイノリティであることにより、希少な存在であると、価値を再認識する人もいます。そういった価値を再認識するためにも、他の人がどんなものを好きなのか知るということは効果的だと考えました。そのため、なるべく多くのユーザーさんに、また、なるべくすべてのジャンルにまたがって、リアルな場所に集まってもらい、そこにネット上のもの擬似的に再現することにしたんです」

リアルな場所にニコニコ動画を再現する

これを実現するために、幕張メッセのほとんどのホールを貸し切る必要があった。それぞれのジャンルのブースで配信し、2日間で92,384人を集め、イベント会場からの配信を視聴したネット来場者は3,470,766人に上ったという。収益性を無視して、ユーザーに楽しんでもらうことに重きを置いたニコニコ超会議は、大きな話題となり、ニュースなどでも取り上げられ、今までニコニコ動画を知らなかった層にもその存在をアピールすることに繋がった。
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これだけの規模のイベントを実現するには、機材も相当数必要となった。生放送の配信に充分なスペックが備わった20台コンピューターが会場からの配信に使われ、そのすべてのコンピューターに装着されたのがBlackmagic DesignのDeckLinkキャプチャー・再生カードだった。
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ニコニコ超会議では、3台から4台のカメラの出力がスイッチャーに送られ、そのスイッチングアウトが、DeckLinkが装着されたPCに送られた。キャプチャーされた映像はFlashmedia Encoderでエンコードされ、サーバーに送られた。オーディオは使う機材に応じて、エンベッドしてSDIで送ったり、ミキサーを通して送ったりした。会場内にこのシステムがいくつも設置され、それぞれのブース、ステージの模様がライブで配信された。2日間で54本の公式生放送が配信された。1番組の長さはおよそ1時間から1時間半程度。しかし、ひとつの番組が終わると、観客入れ替え後に同じステージで別の番組が開始されたり、また別のブースやステージでも生放送されるなど、同時に複数の生放送が配信されており、実質一日中DeckLinkカードがフル稼働しているということになる。
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株式会社ドワンゴ コンテンツ企画制作部 金井章泰氏は
「会場の階段上に設置した無人カメラが俯瞰で撮影した会場の様子を、開場前の朝9時からイベント終了時間までずっと配信していました。もともと検証のときに、カメラにシステムを繋げて24時間以上動かし続けて問題なかったので、長時間の使用に関して、心配はしていませんでした。DeckLinkのカードのせいでシステムが落ちるということは全くありませんでした」と評価する。
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イベント終了後の現在、ドワンゴでは、ニコニコ生放送の配信用にATEM 1M/E Production SwitcherTelevision Studioといった製品も使用している。
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