InterBEEにみるソニー4K戦略~XAVC規格とは何か?


 日本における最大の放送機器展示会インターBEEの初日、ソニーは主に映画、CM制作分野を対象にした4KカメラPMW-F55とF5を発表。関連製品を含めた4Kワールドを公開した。
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これまでのソニーでは8KのCMOSセンサーを採用したF65というカメラがあったが、新製品は従来のHDクラスの価格にし、4KからHDまで幅広い用途に活用できる。カメラとしては、本体内でXAVC(後述)という新規格で記録できるF55と本体記録はHDだが4K出力が可能なF5の2つ。両モデルに対応するRAWレコーダーAXS-R5が用意される。
 価格はPMW-F55が288万7500円。PMW-F5は173万2500円、RAWレコーダーのAXS-R5が49万3000円。いずれも発売日は2013年2月1日。
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 センサーは4Kスーパー35㎜CMOSで総画素約1160万、有効約890万画素を採用。F55はT11、F5はT13の感度を実現。F55はF65と同じカラーフィルターを採用することで若干感度が下がっている。またF55にはフレームイメージスキャン機能を搭載することで、ローリングシャッター歪やフラッシュバンドのない撮影が可能になる。
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 記録フォーマットは表のとおり。RAW記録するには外部レコーダーが必要になる。16ビットリニアRAW記録は、R5を利用して、新開発のAXSメモリーカードに記録する。その他のフォーマットは、本体に挿入したSxSメモリーカードに記録。さらに4K XAVCやハイフレームレートをはじめとした大容量データの高速書き込みに対応した新開発の記録メディアSxSメモリーカード、SxS Pro+にも対応している。
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▲左がRAWレコーダーのAXS-R5、右が新メモリーのAXSメモリーカード。
4K RAWおよびXAVC収録で最大60fps、2K RAW収録で最大240fps(F5は120fps)のハイスピード撮影も可能。2Kの24pであれば10倍スローモーションになる。
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  PMW-F55は4本のBNC端子から4K映像をリアルタイムに出力可能。同時発表された30型業務用4K液晶モニターPVM-X300と組み合わせることにより、4K映像をリアルタイムに確認できる。
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 PMW-F55とF5はほぼ同じデザインの筐体で、REDのEPICなどと同じように、用途に合わせて必要なモジュラーを組み合わせていくスタイル。
 マウントはPLマウントだが、オリジナルはF3と同じソニー独自のFZマウントで同梱される変換アダプターを介してPLマウントレンズを装着する。
 発売に合わせて、オプション製品として、PLレンズセット(6本セット)も用意される。20/25/35/50/85/135㎜ T2。ソニーではPMW-F3発売に合わせて、PLレンズの3本セットも用意されていたが、そのレンズが35,50,85㎜の3本。その3本を除いた3本をセットにしたものも販売される。
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 すでに発売されているNXCAMカムコーダーのFS700Jにも将来的な4K対応がアナウンスされていたが、今回発表されたRAWレコーダーAXS-R5とFS700Jをつなぐには、インターフェイスユニットHXR-IFR5が必要になり、その開発についても発表された。
 FS700Jをファームアップすることで、4K RAWデータを3G HD-SDIから出力可能になり、インターフェイスユニットを介してAXS-R5で4K RAW記録が可能になる。4K RAWの解像度は4096×2160、フレームレートは23.98、25、29.97、50、59.94pを予定している。AXSメモリーカードに記録した4K RAWデータの映像制作ワークフローはF5と共通になる。
 インターフェイスユニットは市場想定価格20万円前後を予定している。
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 XAVCは今回ソニーから提案された4KとHDを包括するフォーマット。解像度は4KとフルHDとプロキシ、圧縮方式はMPEG4 AVC/H・264を採用。ビット数も12ビット、10ビット、8ビット。フレームレートは60フレーム/秒だがハイスピード撮影は180フレーム/秒まで対応。ひじょうにフレキシブルな規格であり、今後、家庭用AV機器でも採用していくとしている。
 4Kも見据えてはいるが、HDでもソニーがMPEG2からH・264へ舵を切ったのがポイント。F55ではHD30p時に約100Mbpsで4:2:2、10ビットなので、パナソニックのAVCイントラと同じ。これが放送業界の標準になっていきそうだ。
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ソニープレスリリース
次世代高画質4K映像の制作環境と視聴環境構築の推進に向けて
業務用から民生用まで拡張性ある4K/HD高画質ビデオフォーマット「XAVC™」を開発
多彩なフォーマットに対応し、4K映像制作の可能性を広げる
新開発 4Kスーパー35㎜CMOSイメージセンサーを搭載した CineAlta 4Kカメラを発売

NXCAMカムコーダー「NEX-FS700J」で4K記録するためのインターフェースユニットを開発
4K/HD高画質ビデオフォーマット「XAVC™」記録に対応した
プロフェッショナル向けメモリーカード“SxS PRO+”を発売