α99が気になる(その3)


さてα99の続きです。2月号の責了とMOOKの追い込みで
ちょっと間があいてしまいました。


肝心の動画の画質です。
編集部でいろいろなものを撮ってみたのですが、どうも全体的に「甘い」(甘く見える)のです。α77 であれほど好印象だったソニーの一眼なのに、いったいどうして?
もちろんα77よりも暗部のS/Nは良さそうです。
悪くはないのですが、いまいち、画にインパクトがない。艶も物足りない。
いったいどこにフォーカスがあっているのかわからないような・・・。
もちろん前述したフォーカスの問題もあったし、フルサイズならではの被写界深度の浅さということもあります。それを差し引いても、です。
この点についても1月号で菅原さんが指摘されていますが、EOSなどの他の一眼と比べると、どうもぼんやりした調子に見えてしまうシーンがあるのは確かなようです。そのあたりは一長一短があって、別のシチュエーションでは、他の一眼では輪郭がぎらつきやすいところでも、
α99は好ましい画になっているというレポートがありました。
でもなあ、どうしても眠いという感が否めない。
そこが気になって自分でも確かめてみることにしました。
手元にあるEOS 5D Mark IIとも比較しながら、α99の画をみていくうちにメーカーデフォルトでのチューニングがあまりに控えめなのではないかということに気がつきました。
デモ映像や画質テストなどでは基本的にメーカー推奨のデフォルトの状態で使うはずですから、当然、眠いわけです。
まずトーンなのですが、クリエイティブスタイルのスタンダードはEOSスタンダードに近い感じかなと思っていると全然別物です。EOSスタンダードに近いのは、「クリア」あたりでしょうか。α99スタンダードの切り出しは、動画の1コマらしいガンマです。
写真っぽく黒を引き込むEOSスタンダードとは考え方が違うようです。
●スタンダード
standard_normal_t.jpg
●クリア
clear_normal_T.jpg
各クリエイティブスタイルはコントラスト、彩度、シャープネスをそれぞれ±3段階で調整できるのですが、いろいろやってみると、結局どのモードであっても個人的にはシャープネスはすべて+3にしたくなりました。わたしは輪郭がたった画は好きではなく、大抵はシャープネスを弱めたくなるのに、です。α99の動画ではシャープネスをあげても、いやな輪郭強調感はありません。シャープネス+3とノーマル状態を比較してみたのですが、動画の1コマを抜き出しても、その違いはほんのわずかです。ただ、シャープネス+3にすると、全体にフォーカス感があがったように見えます。フルサイズ動画ではこれくらいしないと、どこにピンがきているかわからない映像になってしまわないでしょうか?
●スタンダード(ノーマル) (動画の1コマ切り出し/以下同)
standard_normal_t.jpg
●スタンダード(シャープネス+3)
standard_3_T.jpg
真ん中の花瓶の上の模様でフォーカスを合わせています。F2.8。
真ん中の花瓶ではあまり違いがわからず、
左の花瓶のくびれている部分にフォーカスが合い、+3のほうはフォーカスがあったところに艶を感じる。そのせいもあって、花瓶に立体感が出てくる。
ただ問題は、動画では+3がよくても、これは静止画にも影響することです。
もっとも静止画はRAWというのであれば問題ありませんが。
それにしても設計者はどうしてもデフォルトでこんな眠い感じにしたんでしょうね。
そのあたりをきいてみたくなりました。きっと理由があるんだと思いますから。
さらにスタンダードの場合は、コントラストも+1したいところです。コントラストは+1でかなり調子が変わります。
●スタンダード(コントラスト+1、シャープネス+3)
standard_13T.jpg
シャープネス+3にしてもビデオカメラでありがちなイヤな輪郭強調感ではありません。
99_01t.jpg
99_2t.jpg
99_3t.jpg
動画が初めての人はほとんどデフォルトで使いそうですから、この動画のインパクトが伝わらなくて、ちょっともったいない気がしました。
潜在能力としてはひじょうに高いセンサーですから、もっともいろいろな絵をつくってみたくなります。このカメラにFS100やFS700に載せているシネライクガンマを入れてみたらどんな感じだろうかと想像してしまいました。
EOSのピクチャースタイルみたいにソニーが自社のシネライクガンマを模した設定デ―タを作って、ダウンロードできたりするといいですね。
今回は時間切れで音声のテストまではできませんでした。
XLRマイクユニットまで作ったくらいですから、音声へのこだわりもかなりのものだと想像はできます。デジタル一眼でどこまでやるかという問題はありますが、単に家庭用のマイクをアクセサリーシューにつけて、ヘッドホンでモニターできるだけで相当メリットはあります。
ただXLRマイクユニットを作ったのはいいのですが、本体には直接装着できず、ブラケットを使わなければ使えないのは面倒だしハードルは高くなります。結局ブラケットを用意できずに、テストできませんでしたから。
もうこうなったら、次モデルはEOS C100のように本体の上に着脱できるハンドルとマイクユニットを作ればいいではないでしょうか。動画カメラとしてデジタル一眼を使っているとどうしてとぱっと持ったり、三脚の上げ下ろしのときに持つところがないので、カメラの上にハンドルが欲しくなります。でも大半のカメラはハンドルをつけることを想定していないので強度不足だと思われます。フラッグシップカメラであれば、フラッシュも内蔵されていないのですから、ここの強度を確保してハンドルをつけられるようにしたらどうでしょう。
α99、なかなか面白いカメラでした。キヤノンやニコンなどカメラの伝統のあるメーカーと違って、過度にエレクトロニックなカメラの雰囲気がしますし、ちょっと近未来を感じるのもソニーらしくていいと思います。
静止画関連の部分はほとんど試すことができませんでした。様々な機能を理解しマスターするには、かなりの時間がかかるような気がします。
写真を撮るとか、ムービーを撮るとかという本来の目的だけじゃなく、
映像機器と戯れる楽しさがあってもいいと思います。
α99は今もっともそれを楽しめるカメラかもしれません。
◆α99が気になる(その1)
http://www.genkosha.com/vs/cat752/entry/99.html
◆α99が気になる(その2)
http://www.genkosha.com/vs/cat752/entry/post_400.html