3月11日、東海大学から生放送された震災特別番組「未来へ~731日のメッセージ」。
4ヵ月の期間をかけて準備したという気合の入った現場から。
学生による生番組放送の裏側を、後輩のみなさんがレポートしてくれました。

取材・文◎東海大学文学部広報メディア学科 メディアプロジェクト広報班(Spinach!!)


 2013年3月11日、震災から2年。東海大学湘南キャンパスでは、東海大学文学部広報メディア学科メディアプロジェクトテレビ班による震災特別番組が午後1時から午後3時まで、生放送されました。この番組は神奈川県平塚市の地元ケーブルテレビ局である湘南ケーブルネットワーク(SCN)より配信され、Ustreamでも同時にネット中継されました。 私たち東海大学文学部広報メディア学科のメディアプロジェクト広報班(Spinach!!)は当日の模様を取材しました。

緊張感高まる生放送本番開始前の現場


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本番前、スタジオでは放送開始に向けて準備が進められていました。
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企画、構成、撮影、編集や当日のスタジオでの仕事はすべて学生によって行われており、学生同士で最終確認をしていたことにビックリ!(編集部注:配信はTriCasterで行なったそうです)
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 この日のために4ヵ月間春休みも学校に来て準備をしてきた学生達は声を掛け合い、気持ちを高めていました。「がんばるぞー、オーッ」
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本番直前!
緊張感のあるスタジオ内、カンペには・・・『笑顔でいきましょう』の文字!
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スタジオの横には、Ustream用のPCとケーブルTV放送モニターとスタジオ・モニターで多くの方々が放送を見守ります。

いよいよ本番開始!


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午後1時、放送開始!!
番組は東海大学湘南キャンパス3号館2階キャンパススタジオから放送されます。
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 いつもは元気いっぱいな中島先輩もちょっぴり緊張気味・・・!?ガンバレ、中島先輩!

この日の番組の内容


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 この日の番組の内容は、大きく3つのパートから構成されていました。パート1では、平塚市の人々の震災に対する取り組みを学生たちが丁寧に取材しました。「平塚パワーズ」という女性だけで活動している平塚市内の防災組織を取材し、さまざまな防災に関する情報を発信しました。
 パート2では、東海大学文学部心理社会学科の宮森孝史先生や健康科学部社会福祉学科の妻鹿(めが)ふみ子先生から、震災と人々の心のケア、ボランティア活動の現状についてお話しを伺いました。先生方、ご出演ありがとうございました。
 パート3では、岩手県大船渡市の子供たちからの強いメッセージのある映像が流れ、元気な様子を見せてくれました。
 学生たちが自ら作ったCM(30秒)も番組内で流されました。このCMは、SCN(湘南ケーブルネットワーク)さん他の複数の企業が、支援活動を行っている「助け合おう!日本 震災遺児20年支援プロジェクト」の告知広告です。今年のキャッチコピーは、「“できる”を支える」です。
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 すぐ隣のスタジオから、番組がVTRに入った瞬間の安堵の声やタイムキーパーの声がこちらまで聞こえてきて臨場感溢れる場となっていました。
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午後2時46分。震災発生時刻になり、MCの合図で私たちも含めスタジオ内の番組スタッフも全員、1分間の黙祷を捧げました。
午後3時、MCの杉山さんの「ありがとうございました」の挨拶で番組終了のVTRへと切り替わり、スタジオと会場からは拍手喝采!! おつかれさまでした~

無事本番終了! 安堵感から涙する学生も


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スタジオ内の学生たちは無事に番組が終了した安心感と達成感によって彼らの目には涙が・・・ 
きっとそれは、この4ヵ月間の準備の中で仲間たちと作り上げてきたものが報われた瞬間だったのでしょう。2時間の生放送を無事にやり遂げたMCの2人もホッと一安心。

番組終了後の感想を聞いてみました


tokai311_18.jpg総合プロデューサー
青木さん
(東海大学文学部広報メディア学科2年)
「番組制作が終わる前は、早く終わらないかなと思っていたけれど、この4ヶ月間みんなとずっと頑張ってこられたから、今思うともっとやりたかったです。総合プロデューサーとしていたらなかった部分も多かったですが、みんながサポートしてくれたおかげで、みんなで感動の涙を流すことができて良かったです。メンバーには、とにかく『ありがとう』の一言です。来年の特番は、先輩として後輩たちを支えていきたいです。」

tokai311_19.jpg総合MC
杉山さん
(東海大学広報メディア学科2年 写真左)
中島さん
(東海大学広報メディア学科3年 写真右)
番組の総合MCとして気を使ったことは被災地の人の声をありのままに伝えるということだったそうで、中島先輩は誤った情報を視聴者に届けることだけはしないように何度も何度も確認し注意したそうです。杉山さんは台本の言葉をそのまま言うのではなく自分の言葉で伝えることを意識していたため台本には、感想を書かないようにしていたそうです。2人は、「番組は終わりましたがこの活動は継続させていきたいです。後輩たちにもこの活動は引き継いでいってもらいたいです。この活動のことは社会人になっても忘れることはないでしょう。」と答えてくれました。

tokai311_20.jpg伊藤一郎さん
(東海大学文学部長)
「今回の放送は、大変素晴らしかったです。映像を見ているだけで今この瞬間だけではなく今回の放送のための学生たちの長い時間をかけた準備が見えました。文学部は、机に向って本を読む、または勉強しているイメージがありますが、コミュニケーションを大切にもっと外に出て行く文学部をアピールしたい。今回のような広報メディア学科の活動は、大変心強く思っています。」

tokai311_21.jpg五嶋正治さん
(東海大学文学部広報メディア学科准教授)
「今回のこのような活動は、結果よりもそれを実行したというプロセスが大事なのではないでしょうか。彼ら学生たちが、社会に出たときに壁にぶつかることがあると思います。そのとき、この活動が学生たちにとって自信につながるのではないかと思います。4ヵ月間の壁を乗り越えた彼らの涙はきっと宝物になるでしょう。」

無事終了したことを祝して記念撮影


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皆さん!お疲れ様でした!!! 感動をありがとう!!!

今回の現場の様子をレポートしてくれた学生のみなさん


tokai311_23.jpg東海大学広報メディア学科メディアプロジェクト広報班(Spinach!!)のみなさん
(写真右から)
三浦さん
(1年)
鈴木さん
(2年)
山川さん
(2年)

◆関連資料「3.11生放送特番の舞台裏(2012年)」(東海大学新聞)
http://www.tokainewspress.com/view.php?d=367