月刊誌「ビデオサロン」で連載中の読者投稿コーナー「魁!! ビデオ道場」では、毎月1作品を「大賞」、次点の数作品を「入賞」としてセレクト。大賞受賞者には金2万円ほか、大賞・入賞および掲載作品にもその栄誉をたたえてステッカーを贈呈しています。詳細は誌面をご覧ください。今回は2013年11月号掲載の作品を紹介します。


大賞「雪と炎と裸の若者達」山岸太一さん(東京都世田谷区)

日本三大奇祭の一つ、浦佐の裸祭りの一部始終を8分間にギユッと詰め込んだ、正当派ドキュメント。餅撒きや大ローソク、水行に裸の男たちの押し合いと映像ネタには事欠かない祭りですが、その興奮を余すことなく撮影。時折のナメカットや望遠カットがまたいいメリハリになっています。見る側も大満足の大賞作品。
入賞「育て、すくすくと」松原妙さん(福岡県福岡市)

「ゲスト・ティーチャー」と呼ばれる地域の大人と小学生の交流ドキュメント。米作りを横軸に、作者の愛のこもった目線で、丁寧に長期間ロケで行程を追っています。8分に詰め込み過ぎ感もありますが、豊富なアングルと子供達の仕草で飽きずに堪能できます。稲を刈る音等の現場音もよく録れていました。
「奥入瀬渓流の散策」関口豊さん(埼玉県狭山市)

船上からの十和田湖と奥入瀬渓流のトレッキング。双方の旅の記録作品。ガイドさんの説明アナウンスを上手く使って、絶景の森の中を散策体験できるのですが、情報量の多さでどこを中心に見ていいのか迷います。森の中が少し緑かぶりになっていたのもきになりました。ホワイトバランスに少し工夫を。
「日出のコテ絵」坂口吉弘さん(兵庫県神戸市)

大分県日出市の、漆喰のレリーフ「こて絵」を訪ね歩くドキュメント。ゆったりとした撮影で、過去の時間の流れに沿って「こて絵」を楽しめました。ちょっとインタビュー部分の音の処理が気になりましたが、自然に話を聞き出す手法は良かったです。「こて絵」の過去から未来までをうまく構成した作品。
「HKT49『HELP!』」Tazrowさん(埼玉県草加市)

 4台のマルチカメラと編集上のデジタル・ズームを駆使したオヤジバンドのプロモーション・ビデオ。カメラマンがいなくても編集作業での創造力で勝負した一作です。エンディングも編集ソフトの素材で仕上げたとのこと。ちょっと違った雰囲気を感じさせる作品でした。
「山伏が守る千年の祭礼」西中俊雄さん(福岡県直方市)

「山伏」という言葉だけで興味をそそられました。2カメを駆使しての山中での撮影。固定カメラの引き構図が効果的だったのですが、2台の色の違いが残念。仕込みの段階から捉えたドキュメント。
「松阪撫子振袖道中」河合典之さん(三重県松阪市)

花魁歩きと撫子振袖道中。着物を着た老若男女の道歩きを色々なアングルで狙っています。ただ道中に参加した人の記録になってしまっています。この半分の尺のほうがまとまりが出ると思うのですが。
「紫陽花のころ」庄 寛さん(福岡県宗像市)

梅雨の代名詞「あじさい」をフィーチャーしたスライドショー的ムービーという位置づけでしょうか。「ユーモレスク」にのせて梅雨の歳時記を堪能できますが、何かもう一視点欲しいところ。最後の梅雨明けの予告編は良いアクセント。
「レナちゃん黒帯挑戦」田中憲司さん(東京都調布市)

このネタをこう撮るとは。3台のマルチカメラによる黒帯昇段試験。とても斬新で、作者の個性を色濃く繁栄していて面白く見させていただいた作品。でも、1台だけでいいので、少しはアップも見たいというのが素直な感想です。
「自然遊歩道 青山散策」船戸一志さん(北海道札幌市)

自然遊歩道を、解説しながらのトレッキング作品。途中の熊出没の看板と実際の熊の糞には驚きましたが、のんびりした感じはよく出ていました。森の中は木漏れ陽もあって、絞りやホワイトバランスが難しいですね。
「大菩薩 黒川鶏冠山」吉野和彦さん(長野県松本市)

今回は首都圏の太平洋に注ぐ川々の分水嶺を臨む作品。作者の登山作品を見ると、別の時間の流れと別の空気を感じます。途上の安定した自分撮りと独特の間(ま)がそうさせるのかもしれません。深呼吸したくなる一作。
「東京のお富士さん 駒込富士神社」木村精二さん(京都府京都市)

「東京にも富士山があった!」ならぬ、東京駒込の富士神社訪問記。作者の下調べよろしくのとてもわかりやすい蘊蓄と、そのことが的確に理解できるカメラ割りに好感。明るいBGMも世界遺産登録をお祝いしているようでした。
「森の妖精たち」加藤公堂さん(埼玉県川越市)

木の素材を活かした人形作りの作品展を訪れ、作品やインタビュー、制作現場まで訪ねての力作。素材は豊富ですが、構成というかつなぐストーリー性がちょっとわかりにくいところが。外光の入るホールはマニュアル露出で明るく。
「美ヶ原高原 レンゲツツジ」山崎建治さん(長野県上田市)

絵はがきのようなロングシヨット(遠景)が見事。冒頭近くの霧と言うか雲がだんだん忍び寄ってくるカットは、動画ならでは。横スクロール(クロール)はこの作品の世界観ならゆっくり1行ずつ下位置で出したほうが良いかと。
●この動画はビデオSALON2013年11月号の記事連動動画です。
http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1206.html