パナソニック、4K撮影対応のGH4を開発発表


パナソニックは、来週から始まるCP+を前に、兼ねてから噂のあった4Kムービー撮影に対応したデジタル一眼カメラ、DMC-GH4の開発発表を行なった。
製品概要も説明され、会場ではデモ機が実際に稼動していたが、今回はあくまで開発発表であり、正式の製品発表、発売日、価格のアナウンスは後日になる。正式発表は3月後半になりそうだ。
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GHシリーズから4K一眼ムービーが始まる


 一眼スタイルのカメラでは、これまでEOS-1D Cが4K記録に対応していたが、手頃な価格のカメラとしては初めて(価格は未発表だが)。ボディはほぼGH3から流用し、ダイヤル部のロックが異なる程度の違い。GH3を流用することでコストを抑えるということだろう。
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 イメージセンサーは新開発の1605万画素のLive MOSセンサー。高感度、高S/Nを実現するとともに4Kを始めとした高速読み出しが可能になっている。
 気になる4Kの仕様は3980×2160が29.97p/25.00p/24.00p/23.98p。つまり30pまで。4096×2160が24.00p。記録レートは100Mbps。60pは見送られたが、デジタルシネマ規格の4Kは24.00pとすることで、劇場映画制作用途も想定している。
 フルHD動画もさらに強化され、200Mbps(ALL-Intra)、100Mbps(IPB)とGH3を大きく上回っている。記録は4:2:0 8ビットだが、HDMIからは4:2:2の8ビットでの出力が可能。本体で記録しなければ4:2:2の10ビットでの出力にも対応する。
 記録モードはコーデックはMPEG4-AVC/H.264で、ファイル形式はMP4とMOVから選択できる。またHDでは、AVCHD (Progressive)にも対応。
 記録メディアはSDカード系だが、100Mbpsを超えるモードについては、同時に商品化される
SDUCシリーズを使用する。UHSスピードクラス3(U3)に対応し動画撮影において30MB/秒(240Mbps)以上での安定した連続書き込みをサポートしている。カードスロットは1つ。
 センサーからの読み出しが高速化したことで、ハイスピード撮影機能もグレードアップ。最大96fpsまで可能になったことで、24p時であれば、4倍スローまで可能になった。
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業務用ビデオカメラ並みの機能を搭載


 GH3よりもさらに動画関連の機能が強化されている。撮影アシスト機能はゼブラパターン、フォーカスピーキング、センターマーカーが加わった。拡大してのピーキング表示も可能。画質調整機能も充実しており、マスターペダスタルの調整、シネライクガンマモードの選択(シネライクDとシネライクV)、コントラストをプリセットから選択、カスタムで調整するなどひじょうに細かい設定ができるようになっている。カラーバーは1kHz音声基準信号の出力にも対応。タイムコード記録はレックラン、フリーラン、ドロップ/ノンドロックの切り替えにも対応。
 別売のマイク(DMW-MS2)使用で、指向性をステレオ/ガン/スーパーガン/ズームに変えることができる。
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▲MF時にピーキング表示が可能に。
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▲マスターペデスタルの調整
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▲画像とグラフを見ながらコントラスト調整
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▲4:2:2 10ビットでのHDMI出力が可能

XLR入力とSDI出力はインターフェイスユニットで対応


 さらにプロフェッショナルの制作現場向けにインターフェイスユニットAG-YAGHも開発。GH4本体に専用端子を設け、本体下部にドッキングすることで機能を拡張できる。アダプターはXLR端子を2つ装備。LINE/MICの切り替え、ファンタム電源供給が可能。レベル調整ダイヤルと音声レベルメーターも装備。4つのSDI端子からは4Kの信号をレコーダーに送ることができる。電源はバッテリーは内蔵せず、XLR 4ピンでDC12V電源入力。タイムコード入力にも対応する。HDMIとSDIの同時出力も可能になっている。
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▲インターフェイスユニットはかなり大きめで、リグ使用が前提となる。
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▲インターフェイスユニットの裏側。音声レベルメーターが配置される。
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▲インターフェスユニットの右側に端子が並ぶ。HDMI出力は左側にある。
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▲ボディ側にも接点が設けられた。HDMIはミニタイプから標準タイプに変換して運用できることになる。
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このインターフェイスユニットにより、業務用のデジタルシネマカメラといってもいいくらいの仕様になる。NDフィルターが内蔵されていないことくらいか。
DMC-GH4 SPECIFICATIONS(2月7日段階)
●レンズマウント:マイクロフォーサーズ ●撮像素子:4/3型Live MOSセンサー(4:3)有効画素1605万 ●記録メディア:SDXC/SDHC/SD(UHS-Iスピードクラス3(U3)規格のSDHC/SDXCカード対応 ●記録形式:静止画=JPEG(DCF/Exif2.3準拠)、RAW、MPO(3D写真)、動画=MP4/MOV/AVCHD Proguressive/AVCHD ●ファインダー:約236万ドット有機EL(OLED)LVF (3:2)●液晶モニター:3.0型約104万ドット有機EL(OLED)モニター、静電容量方式タッチパネル、視野率約100% ●VFR(バリアブルフレームレート):最大2~96fps ●HDMI端子:micro HDMI Type D ●外部マイク:3.5㎜ ●ヘッドホン出力:3.5㎜ ●寸法:幅132.9×高さ93.4×83.9㎜(突起部除く) ●質量:約560g(バッテリー、メモリーカード含む)、約480g(本体のみ)
 

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