1.0型センサー搭載のXAVC記録小型ハンディカメラ
ソニーPXW-X70


ソニーは1.0型裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載、XAVC記録に対応した小型のメモリーカムコーダー、PXW-X70を発表した。
本機は、家庭用のハンディカムAX100(4Kモデル)/CX900(HDモデル)をベースに開発された業務用カメラで、同社の6月の展示会で技術展示されていた。そのときの情報では、HD記録のみということだったが、正式発表では、「2015年上半期までに本体有償ファームアップデートにより4K記録にも対応予定」としている。発売は9月19日で、価格は28万円(税別)となっている。


ソニー
XDCAMメモリーカムコーダー
PXW-X70
280,000円 
2014年9月19日発売

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おもな特徴は以下のとおり

1.0型裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor Rを採用


  AX100/CX900に搭載され定評のある動画向きのイメージセンサー。総画素は2000万画素。4Kの解像度と読み出しに対応し、本体のファームウェアアップデートにより4K撮影、記録が可能になる。時期は2015年上期(6月まで)を予定。

光学12倍ズームレンズを搭載で、最大48倍ズームが可能


 このレンズもAX100/CX900と同じもの。ZEISSバリオゾナーT*を採用。広角29㎜で、全画素超解像度ズーム機能を用いて24倍に、さらに2000万画素の高解像度センサーを活かし、2倍のデジタルエクステンダー(テレ側に全体的にシフトする)により、最大48倍ズームを実現した。この2倍のデジタルエクステンダー機能は、AX100/CX900には採用されておらず、差別化のひとつのポイントとなる。

記録はXAVC Long GOP 422(10ビット)


 AX100/CX900と異なるのは、記録モード。家庭用のほうはXAVC S(ラッピングはMP4)を採用しているが、X70は、XAVC(ラッピングはMXF)。ただしイントラ記録ではなく、XAVC-L(Long)となる。コーデックはH.264で4:2:2 10ビットの50Mbps。またAVCHDにも対応する。XAVC-Lが採用されるのは、この8月に発売される同社のX180/160からで、今後、編集ソフト側も順次対応していくはずだ。
 

3G-SDIやXLRオーディオ端子付きハンドルなど


 HDMI端子は標準サイズの端子を搭載するとともに、3G-SDI端子も搭載。1080/60pまでの映像信号の転送がBNCケーブル1本で可能。また内蔵マイクに加えて、業務用マイクを使用するための着脱式XLRハンドルユニットが付属。入力レベル、アッテネーター(0/10/20dB)、ローカットフィルター等を設定でき、コンデンサーマイクにファンタム電源の供給も可能。この電源と音声のやりとりをする接点は、ソニーがαやハンディカム、業務用までジャンルを超えてカメラ機器に採用しているマルチインターフェース(MI)シューが使われている。
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デュアルメモリーカードスロットを搭載


 2つのSDメモリーカードスロットを搭載。2つのスロットにより、同時記録が可能(同一記録モードのみ)。さらに片方のメモリーでは録画を継続しながら、もう一つのカードでは任意にスタート、ストップしながら記録することができる。また、AスロットのメディアからBスロットのメディアへ連続記録できるリレー録画機能にも対応している。

ピクチャープロファイル機能を搭載


AX100/CX900は、家庭用ということもあり、画質調整のパラメーターがユーザーに開放されていなかったが、X70は、映像の特性を決めるガンマカーブ、ブラックレベル、発色などをのパラメーターをユーザーが調整することができ、マルチカメラ運用時の色合わせや映像作品全体のトーンの作りこみが可能になっている。設定したパラメーターは、他の設定項目とともに、カメラプロファイルとしてメモリーカードに記録することができる。
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▲ボディは、ほぼAX100/CX900と共通だが、SDI、HDMI端子を設けたことで、グリップ部が厚みを増した。ぎりぎりまで削った感じのAX100/CX900に対して、グリップ側にかなり余裕ができた。その影響でシーソー式レバーのパーツも大きく、幅が広いものになり、グリップした感じも、親指の部分に余裕ができて、さらに握りやすくなった。
【編集部からひとこと】
 8月号でも触れているが、AX100は4Kという話題に隠れがちだが、1.0型センサーと50Mbpsというハイビットレート記録が生み出すHD映像はこれまでの常識を覆すもの。おそらくX70の画質はほぼ同等と思われるが、小型のハンディカメラとしては画期的に画質が良いカメラになるだろう。
 型番のX70は、これまでの定番カメラだったNX70のイメージを流用するものということだが、画質はその比ではない。それどころか、これまでの1/2インチや1/3インチの3CMOSが主流だったハンディの取材用カメラを見なれた目からすると、1.0型センサーの画質は驚異的なものだ。
X70の登場により、「画質」に関しては、確実に下剋上現象が起きるだろう。
4Kの記録レートについては、現段階では検討中とのとだが、さすがにAX100の60Mbpsというのは、情報量が足りずに処理できないシーンが出て厳しい。業務用では100Mbps以上にしてほしい。