昨年のソニーのNABは、ミラーレス一眼のα7Sをこの会場で発表。S-Log2の採用やATOMOS SHOGUNとの組み合わせで4K収録を提案するなど、話題が多かった。今年はハンドヘルドやデジタル一眼周辺での発表はなく、ビデオサロン的には寂しい限りだが、放送業界としては、大きな発表があった。それが2/3型3板式4Kイメージセンサー搭載の4K/HDシステムカメラの発表だ。
 これだけ4Kが話題になっていたが、実は従来のHDのメインであった、2/3型センサーでの4K化はまだ実現されていなかった。スポーツイベントなどのライブ中継では、大判センサーのF55などをライブカメラにして使用するしかなかったが、特にスポーツなどでは、被写界深度の浅さから被写体を捉えらえないという問題があり、現場からは、2/3インチでの4Kを求める声が寄せられていた。


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 今回のマルチフォーマットポータブルカメラHDC-4300は、世界初となる2/3型3板式4Kセンサーを搭載したカメラ。これまでのHD用B4マウントレンズを直接本体に装着できるので、従来の操作性と焦点距離で収録することができる。また、キヤノン、フジノン(富士フイルム)などからは、2/3のB4マウントでの4K対応ズームレンズが発表されており、HDから4Kへの移行がスムーズに進んでいきそうだ。
 HDC-4300は、別売のソフトウェアをインストールすることにより、最大8倍速のHDスロー撮影も可能になる。スポーツ中継を想定したシステムと言えるだろう。価格はシステム構成により異なるが、約1400万円(本体、VF、ベースバンドプロセッサーユニット、カメラコントロール、リモートコントロールで組んだ場合の一例)。
 

4KメモリープレーヤーPMW-Z1


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 InterBEEでアナウンスされていた4KメモリープレーヤーPMW-PZ1が正式発表された。カムコーダーで収録された素材やノンリニア編集機で編集したHD/4K素材を、サムネイルまたはクリップリストから選んでワンプッシュで再生することができる。また、SxSメモリーカードだけでなく、USB3.0で本機に接続したHDDやSSD外部ストレージからのダイレクト再生にも対応予定。出力は3G SDIとHDMI。56万円。
6月下旬発売予定。
<対応予定フォーマット>
XAVC(Intra/Long) 
XAVC-S 
MPEG2 HD422
MPEG HD

1/2型のXDCAMショルダーカムコーダーPXW-X320


1/2型のフルHD Exmor 3CMOSイメージセンサーと3Dノイズリダクション機能を搭載し、F11の高感度とSN比60dBの低ノイズを実現。記録はXAVCフォーマットで、別売のワイヤレスアダプターCBK-WA101により、ワイヤレスワークフローにも対応する。Sメモリーカードをはじめ、別売アダプターにより、XQDメモリーカード、SDHCメモリーカードでの収録も可能で、用途や予算に合わせてメディアを選択することができます。記録メディアはSxSメモリーカードで、転送速度3.5Gbpsを実現。アダプターによりXQD、SDHCも使用できる。16倍キットズームレンズ付きで、1,180,000円。
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ソニーがプレス発表したNAB 2015出展について