RODE ウイリアム・トンプソン日本営業部長に
インタビュー


ビデオグラファー向けマイクを次から次へと出してくるRODEに注目

前号でご紹介したデジタルのワイヤレスマイクRODE Linkに続いて、今月は低価格のショットガンマイク。次から次へと、映像制作関連のマイクを提案してくるロード(RODE)だが、元はと言えば、ハイコストパフォーマンスのコンデンサーマイクで音楽業界に衝撃を与えたメーカーだった。それが今や売上の6〜7割を映像制作系のマイクが占めるまでになっているという。9月に来日したロード日本営業部長のウイリアム・トンプソン氏にお話を訊いた。
(編集部)


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ビデオ用マイクの開発の出発点は、実は同社の社長のプライベート用のマイクを作ったのがきっかけだったという。息子のラグビーの試合をビデオ撮影していた社長だが、どうも思った音が録れない。自分はマイクメーカーをやっているのに…。そこで特別にビデオカメラ用のマイクを試作して使ってみたところ、いい音が録れている。すると、周りのお父さん方から「おれも欲しい!」と熱烈に言われ、じゃあ、売ってみようかというのが始まりだったという。2007年頃のことだ。
そんなエピソードが象徴するように、製品開発は、「自分たちが欲しいものを作る」というスタンス。商品企画は、マーケティング担当の3〜4人に加え、社内のスタッフがアイデアを出し合う。欲しい製品を作り続けていたら、これほどまでのラインナップになっていたというわけだ。
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▲ビデオラインと言われる製品群は、日本国内での取り扱いがサウンドハウスから銀一に変更になった。映像制作業界に現在よりもさらに浸透させていきたという。
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▲ロードのマイクは商品のパッケージングにまで手を抜かない。アイコンなどで的確に情報を伝えるだけでなく、高価なものはユーザーが「いいものを買ったな」と満足してもらえるパッケージデザインと演出にこだわっている。
ただ、これだけ製品が増えると、どのマイクをどう使ったらいいのか、ユーザーが迷うことになる。そこで始めたのが、「シチュエーション・マーケティング」だ。「RODE SOUNDBOOTH」というウェブサイトで、屋外でのインタビュー、屋内でのインタビュー、ナレーション、ライブ収録など、シチュエーション別に状況を設定し、同社のマイクで同じ音を録って、聴き比べができるようにした。映像にとっての音とは、単に高音質ということではなく、状況に合わせて、求めている音が録れるかどうかが重要。カメラのレンズと同じようにマイクも使い分けて欲しい、そのための判断材料にしてほしい、ということだ。
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▲シチュエーション別にマイクの音を実際に聴くことができる「RODE SOUNDBOOTH」。マイクの写真、波形も同時に表示されるのが分かりやすい。マイクの性能だけでなく、マイクの特性とシチュエーションの相性がよくわかり、音声収録の勉強にもなりそうだ。
他にもウェブサイトでの取り組みを強化しつつある。一般的に英語に弱い日本人は、英語のみのサイトだとなかなか読んでもらえないので、日本語で利用できるうようにした上で、ユーザーはオンライン登録すると、通常は1年もしくは2年の保証を、5年もしくは10年の保証を受けられるようにするという。
これもまた大半の日本のユーザーには知られていないのだが、昨年から「MY RODE REEL」というショートフィルムコンテストをウェブ上で開催している。去年は1200本、今年は1450本もの作品が世界各国から集まったという。条件はロードのマイクを使うということだけ。コンテストにはアドビやカールツァイス、アトモスなども協賛。実は編集部もこのコンテストを知らなかったのだが、やはり日本からの応募は少ないそうだ。ぜひ、「MY RODE REEL」のサイトをチェックしてみて欲しい。
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▲RODEが主催するショートフィルムコンテスト「MY RODE REEL」。YouTubeにアップしてメールを送るだけなので、応募は簡単。しかも賞を獲得した作品が実際に見られるので、ぜひチェックを。