TEST REPORT●IK Multimedia iKlip A/V [iPhone用XLRマイクアダプター]


適切なマイクを選択すれば
周囲の雑音を抑えて
人の声を明瞭に収音できる

レポート●須藤高宏(マイクロサウンド)

iPhoneでXLR端子のマイクを使うためのアダプター

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IKマルチメディア
iKlip A/V
25,900 円(税込)
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▲グリップ上部にはXLR端子。側面には画からゲインの調整ダイヤル。電源ランプ、ファンタム電源のON/OFF、ヘッドホン端子。
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▲グリップ前面にワイヤレスマイクの受信機を備え付けるホルダー(同梱品)を取り付けられる。
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▲スマホホルダーには三脚穴が備えられ、iklip A/Vに固定できる。
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▲付属のTRRS(4極)のケーブルでiPhoneとiKlip A/Vをつなぐ。

[ 製品概要 ]
 iPhoneなどの「スマホ」を使って手軽にビデオ撮影ができるようになったが、スマホをこのiKlip A/Vに取り付けて外部マイクをXLR端子で接続することで、より高音質な収音が可能になる。また、そのグリップ形状によって収録画面を安定させることもできる。

[ 使い勝手 ]
 本体アーム部分に3.5mmTRRS(4極)型入出力端子が装備され、付属のカールコードでiPhoneのヘッドホン端子と接続する。一眼やビデオカメラではカメラ側のマイク入力端子が3.5mmTRS(3極)である場合が多い。TRRSとTRSとを変換する「 iLine Camera Adapter」を用意すれば一眼やビデオカメラにも使える。
 iKlip A/V側のヘッドホン端子の使用には注意が必要だ。本体にマイクとヘッドホンを繫いで電源を入れてもマイクからの音はヘッドホンから出力されない。必ずTRRS型入出力端子を経由して音が出る構造になっている。iPhone側のアプリ次第ではリアルタイムモニターが可能な場合と不可能な場合、また可能であっても収音に影響するものがあるので予め実際に収音される時の動作状態のチェックとアプリ側の設定(ヘッドホン出力のオン/オフ等)をチェックする必要がある。
 iPhone標準の「カメラ」アプリではビデオ撮影時に同時音声モニターは現状(2016年7月現在)ではできない。サードパーティー製のアプリ「VideoPro Camera」では音声同時モニターのオン・オフが設定可能だが、同時モニター時には出力音声が入力音声側に回り込んでしまうらしくエコーの掛かったような音になってしまう。ただし、VideoPro Cameraには音声入力レベルのメーターがあるので適切な入力レベルかどうかはこれで判断できる。このメーターをみながらiKlip A/V本体のゲイン・コントロールを調整すれば良い。
 また、マイクは直接ケーブルでiKlip A/Vに接続しても良いがワイヤレスマイクシステムを併用することで使い勝手がさらに向上する。グリップ部分にワイヤレス受信機を固定するための「ワイヤレス・レシーバー取り付けクリップ」を取り付ける事で受信機を確実に取り付けておける。移動しながらの収録はこの形が良いだろう。室内等、固定で収録する際はiKlip A/Vのアーム底部に1/4インチネジ穴があるのでグリップ全体をそのまま三脚に取り付られる。

iPhone内蔵マイクと外部マイクの音質を撮り比べる


▲iPhone内蔵マイクとiKlip A/Vを介してワイヤレスマイクをとりつけたハンドマイク、そしてラベリアマイクと音を撮り比べてみた。
モデル●梅原早希(オフィスパレット)
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▲ハンドマイクはシュアSM63。
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▲ラベリアマイクはソニーUWP-V1の付属品。

[ 音質 ]
 外部マイクを使うことで非常に音質を確保しやすくなる。iKlip A/VのXLR入力端子には任意のマイク(ダイナミック型、コンデンサー型)を接続できる。適切なマイクを選択使用することで目的の音を確実に捉え、余計な周囲の雑音を入れ込まずに収音の質を上げることができる。
 実際にiPhoneで収録した音声を聴いてみると、比較的素直な音質で収音されている。ハンドマイクとラベリアマイクの違いがそのまま出ている感じで余計な誇張等もない。雑音も目立ったものはなかったゲイン・コントロールを適切に行えば非常に明解で素直な音質で収録可能だ。
 iPhone本体でも収録してみたが周囲の音がかなり入り込んで目的の音(人の声)が聴きづらい状態になってしまう。また音量も充分ではない。周波数特性はレコーダー側の性能にほぼ依存する形になる。iPhoneでは高音域は16kHz辺りまでになるが優秀なビデオカメラであればそれ以上の高音域の収録が可能。波形帯域をみる限り不明な雑音も見られなかった。

波形を確認できるソフトMAnalyzerで
周波数特性を見ても違いが出た

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▲録音できた音声の周波数特性を見てみると、iPhone内蔵マイクよりもSM58を使ったほうが音域が広かった。高音域は16kHzあたりまでだが、低音域が広く収音できる。また、このソフトでは画面したで帯域ごとの感度を確認できる。青→緑→赤と感度が高くなるごとに色が変わるが、SM63では中音域が赤い色で安定しているが、内蔵マイクはまばらな状態だった。

別売のケーブルを使えばビデオカメラや一眼でも使える

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▲TRRS(4極)ケーブルをTRS(3極)に変換するケーブルiLine Camera Adapter(2,160円)を使うと、ビデオカメラやデジタル一眼などのカメラでもiKlip A/Vを使える。あまり大きなカメラだとグリップと干渉して取り付けられない。ちなみにキヤノンHF40は取り付けられた。



◆製品情報
http://www.ikmultimedia.com/products/iklipav/
◆この記事はビデオSALON2016年10月号より転載
http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1596.html