ブラックマジックデザイン
IBC 2016新製品 & テクニカルセミナー


ブラックマジックデザインは、10月19日(水)、秋葉原のUDXビルにおいて、IBC2016で発表された新製品やアップデートについての紹介や企業買収についての説明や、ゲストを招いてのテクニカルセミナーを開催した。


第1部ではIBC2016で発表された新製品や製品アップデート、企業買収についての紹介。
またブラックマジックデザインのEFマウントのカメラと組み合わされるケースの多いシグマが新たにSIGMA CINE LENSを開発。その内容についてもシグマの担当者から説明があった。
新製品、バージョンアップのラインナップは以下のとおり。
【新製品】
スタンダードコンバーターTeranex AV
PCIeカード DeckLink Mini 4K
【バージョンアップ】
編集・カラーグレーディングソフトウェアDaVinci Resolve 12.5.2
VFXコンポジションソフトウェアFusion 8.2
モニター・レコーダーVideo Assist 2.2
Hyper Deck Studio 12G
【企業買収】
Fairlight…プロ仕様デジタルオーディオテクノロジーを傘下に
Ultimate…リアルタイムブルー/グリーンバック合成ソリューションを傘下に
【価格改定】
Blackmagic URSA Mini 4.6K
609,800円→516,800円
Blackmagic Video Assist
59,980円→51,980円
など
第2部のテクニカルセミナーでは、まず福岡を拠点にFusionを活用してテレビCMやウェブCMを制作しているKOO-KI(空気)株式会社の事例を紹介。KOO-KI株式会社は、地方をベースとしながらも、常に先進的な「オモシロイモノ」を作り、国内外から仕事のオファーを受け、数々の賞を受賞している。本セミナーでは、マルイのCM「マルコとマルオの7日間」などFusionで作られた映像を交えながら制作の過程をディレクー池田一貴氏が紹介。また、Fusionのゲストスピーカーとして元KOO-KI株式会社で現在は同じ福岡の D・A・G所属のFusionアーティスト、ビト・ラマンナ氏が、Fusionのメリットについて、デモを交えながら解説した。ビト氏はFusionをこよなく愛するクリエイターで、多くのクリエイターがFusionを使えるようになるよう、8時間にも及ぶチュートリアルムービーも作成し、伝道師的な役割も果たしている。
 CG作成では、なんとマイクロソフトのSurface Pro 4でデモ。それほど高価格ではないノートPCでも快適に動いてしまうことを実演していた。
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続いて、ポスプロの大手、株式会社IMAGICAの事例として、DaVinciResolveを活用してWOWOW新作ドラマ「コールドケース 真実の扉」をHDR制作をしたワークフローを紹介。ドラマは米CBSで放送された「コールドケース」の日本版ドラマとして制作するもので全10話。10月22日(土)からスタートする。4K HDR企画としてWOWOW側から相談され、4K SDR、4K HDRの両方を仕上げるという前提で制作がスタートした。
 コールドケースはルックに独特な世界観があるが、日本版でもそれを表現。基本的にはデジタルシネマカメラによる撮影だが、回によって事件のおきる時代が異なり、回想シーンはその時代に準じた撮影手法がとられている。全10話すべてルックが異なるという。たとえば1970年代であれば、16mmフィルムを使用したり、1990年代であれば家庭用のDVカメラを使用するなど撮影素材を変えてその時代を再現するなど、ルックには最大限のこだわりを見せている。
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 グレーディングはDaVinci Resolveで行なった。ここで難しいのはモニター環境でSDRの100カンデラに対して、HDRは1000カンデラと輝度の近いが大きいこと。同じ日にグレーディングをするとどうしてもSDRが眠く見えてしまう。目が戻るまでには人にもよるが数時間はかかるので、それぞれのグレーディングは日を変えて行なった。
 会場では、実際にSDR仕上げとHDR仕上げの映像を、マスターモニターのソニーBVM-X300とパナソニックの民生用ディスプレイで表示し、その差を見せていた。両方で成立するグレーディングがされてはいるが、HDRのインパクトは解像度以上に大きくまったく別物の映像に見えた。狙いとしては、SDRの印象をベースにしながらも、HDRらしい白ピークの立った勢いと艶のある映像で、「コールドケース」本来の強いルックがより表現されていた。
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 また回想シーンでは16mmフィルムも多用されたが、それが思いがけず質感表現に優れており、単なる回想ではなく、4K HDR時代においても、撮影素材として有効であることがわかったという。
 
セミナー終了後は、展示された実機を実際に操作したり、登壇したスピーカーに質問できる時間も設けられていた。
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