【Inter BEE 2016】マンフロット〜befee liveや一脚、カメラバッグ


マンフロットはInter BEE直前にbefee liveとビデオフルード一脚の新製品を発表したが、今回のInter BEEはそれらが中心で、実際に手にとって操作できるようになっていた。

befreeのビデオ版 befee live


新製品の詳しいスペックなどはこちらに詳しいが、befee liveは、トラベル用三脚として定評のあるbefeeのビデオ版。befeeは自由雲台がついていたが、こちらはオリジナルのビデオヘッドが装着されている。こういった組み合わせは個々人で組むこともできなくはないが、そうするとコンパクトにたためなくなることも多く、メーカーがオリジナルで出す意義は大きい。秀逸なのはこのコンパクトサイズながらヘッドの下のところで水平を出せること。


man201701.jpg
ヘッドはかなりコンパクトなものでカウンターはないが、パン、チルトともに滑らかに動く。小型のデジタル一眼とコンパクトなズームレンズくらいであれば大丈夫そうだ。

生まれ変わったビデオ一脚シリーズ

ビデオフルード一脚といえばマンフロットだが、このたびラインナップが増えると同時にいくつかの新しい機構が加わった。
 ラインナップとしては、脚の違いで4段のアルミと5段のアルミ、5段のカーボンファイダーの3種類。ヘッドとのセットでは、従来のMVH500AH相当のもの、MHXPRO-2W相当のもの、スライディングプレートタイプのものがあり、選択肢が広がった。
man201602.jpg
脚のベース部にはパン、ティルト、スィベル動作を実現する「FLUIDTECH」という機構を採用。印象としては前モデルとはグリースが違うようで粘りがあるように感じた。パンやスィベル動作がより滑らかになった。またパン操作だけを有効にするロック機構も新しく搭載しているが、これは他のメーカーが言っている「自立」に近いもの。ただ一脚であるためメーカーとしては自立とは謳わないとのことだった。

5段脚のタイプはスィベル動作と合わせてローアングル撮影が可能になる。

カメラバッグCCシリーズの開発担当者に話を訊く


マンフロットのカメラバッグCCシリーズは今や業界定番だが、今年リニューアルしたのは記憶に新しいところ。その開発担当者が来日していたので、お話をうかがった。商品企画担当のニックさん(香港出身、写真右)とベンさん(イスラエル出身、写真左)だ。CCシリーズの原型はKATA時代にあったわけだが、KATAはイスラエルの会社。もしやベンさんはKATA時代からの社員かと思って聞いてみたら、そのとおりで、KATA(イスラエル)で2年、マンフロット(イタリア)に移って3年なのだそうだ。
man201609.jpg
 実は二人は昨年のInterBEEのときも来日して、そのときは日本のディーラーを回り、5時間くらいかけて試作品のCCシリーズのラインナップに、実際に様々なカメラやアクセサリーがきちんと収まるかのかどうか検証したのだそうだ。カメラバッグでは日本はアメリカについで大きい市場であり、ユーザーの要望も細かいので、開発時に重視しているという。
 CCシリーズはすでにユーザーも多く定着しているので、リニューアルはそのイメージをキープしつつ、現代のカメラに合わせてサイズを合わせていくという作業だった。またリグや細かいアクセサリーが増えているので、ポケットが広がる機構などを採用したり、カメラを取り出しやすいように間口は大きめにするなど実際使われるシーンを想定してブラッシュアップしている。
 実は今、新しいバックパックを開発していて、ベンさんはその試作品を背負って来日したという。バックパックはこれだけで仕事の道具をすべて運ぶことも多く、パッケージングは重要になるし、また実際にカメラやPC、外側に三脚を装着したときに担いで、しかも長時間歩いてみたときに、バランスが重要になる。プロトタイプを作り、カメラマンやディーラーから意見をもらうだけでなく、自分でも背負って試しているのだそうだ。
man201610.jpg
 お二人の写真を撮る際に、ではせっかくなのでCCシリーズの前で撮りましょうと言ったら、二人はすかさず並んでいたカメラバッグを整理し始めた。その手際がいいだけでなく、丁寧に扱う感じからカメラバッグに愛着をもっていることがうかがわれて好感を持った。
 

vsw