『映像ガジェット調査隊!』 第九回 アイ・オー・データのゲームレコーダーを収録に使ってみよう!


文●川井拓也

株式会社ヒマナイヌ代表。配信チームLiveNINJA主宰。Ustream黎明期からマルチカメラによるライブ配信や収録を手がける。筆者のブログ●http://himag.blog.jp/

Vol.009 アイ・オー・データのゲームレコーダーを収録に使ってみよう!

ゲームレコーダーとして発売されているが、スイッチャー用のレコーダーとしても使える

アイ・オー・データ機器
GV-HDREC
16,500円
PCレスでHDMI接続のカメラやゲーム機からの映像を1080/60p(ビットレートは最大36Mbps)で録画できるコンパクトレコーダー。前面にSDXCカードスロットとヘッドセット端子、背面にはRCAピンプラグが1系統、HDMI入出力をそれぞれ1系統備える。USBは外付けハードディスクやUSBメモリーと接続するためのもの。

◉SDXCに1080/60pで録画できる
小型MP4レコーダー

▲本体の電源はACアダプターで給電するが、本体には内蔵時計用ボタン電池が入っている。

アイ・オー・データのGV-HDRECの筐体は見覚えのある人も多いかもしれません。数年前にアナログコンポジットでVHSや8mmビデオデッキのテープをデジタルデータ化するGV-VCBOXという製品名で商品化されたものにそっくりです。本体の左にある四角い窪みはその名残で液晶モニターがあった部分です。基本的な筐体の金型は使いまわしながら進化してきたシリーズで今回のモデルはHDMIの入出力があります。
HDRECは主にゲーム動画やゲーム実況動画を作るためのもので前面にヘッドセット入力があり、HDMI入力からの音声に自分の実況の声をミックスすることができます。録画はSDカードかUSB接続のハードディスクに記録します。ゲームレコーダー系の製品はSDカードがSDHCまでの対応のものが多かったのですが、HDRECはSDXCに対応しているということで64GBや128GBの大容量カードが使えます。

◉端子はシンプルで前面にSDカードスロット
背面に電源とHDMIの入出力!

大きさは電動ひげそりくらいで手の中にすっぽり収まります。前面の左にSDカードスロット、右にヘッドセット入力端子と動作インジケータとして小さなLEDがついています。HDMI出力をモニターにつないでいないときはこの小さなLEDが緑に点灯で電源オン、赤く点滅していれば録画しているということになります。その他に本体が動作していることがわかるものがないためちょっと不安になります。基本はHDMIアウトにモニターをつなぎOSD表示の録画マークを確認しながら使う機器と考えたほうがいいでしょう。このHDMI出力は遅延のないパススルーもあります。ゲームなどをする場合は録画時パススルーに収録レコーダーとして使う場合はOFFでもいいでしょう。

▲HDMIパススルーはON/OFFできる他、常時か録画時にONする設定を選べる。HDMI出力の解像度設定は右写真の通り選択できる。

◉9個のボタンのシンプル操作!

メニューや録画モードの切り替えはわかりやすくHDMI出力にモニターをつないで操作します。大きなメニューで特に説明書を読まなくても直感的にわかります。フルHD解像度の場合は入力は60p/60i/30pに対応しています。放送系のシステムで、60iしかプログラムアウトが出せない場合のレコーダーとしても使えます。録画モードは最高画質で36MbpsのH.264 AACのMP4になります。SDXCの128GBカードを使えば最高画質でも7時間、標準画質なら16時間も録画できます。マルチカメラ収録のレコーダーとしてはバックアップや短縮版作成用の簡易的なものと認識したほうが良さそうです。

◉テレビのリモコンで録画操作ができる!

この製品にはリモコンは付属していないのですがHDMIリンク(CEC)に対応したテレビのリモコンがあればデータ放送の赤ボタンを押すことで録画のスタートとストップがコントロールできます。入力もHDMIだけではなくアナログにも対応しておりAV変換ケーブルも付属しているので、ベータや8mmビデオなどのデジタルデータ化にも対応します。ただしS端子はついていません。録画は前面のSDスロットにSDXCカードを挿すのがいちばん手軽ですが、USB端子を使えば2TBまでのハードディスクも記録先に選べます。

◉ローランドV1-HDやVR-4HDの収録レコーダーとして最適!

マルチカメラ収録&配信用のカジュアルなHDスイッチャーとしてローランドのV-1HDやVR-4HDなどが人気ですが、これらの機材のプログラムアウト端子はHDMIを採用しています。この端子にGV-HDRECを接続し、さらにスルーアウト端子のついているモニターにつなぎ、さらにそこから配信用のLiveShell Xなどのハードウェアエンコーダーに渡すなどの使い方がハマりそうです。長時間録画のファイル連続性に課題はありますが、16,500円という低価格は1080/60pのレコーダーとしては大穴と言えます!

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▲1・2/システムメニュー設定 3/SDカードとUSBのHDDを同時接続した場合にどちらに優先して録画するか選ぶ設定 4/記録メニュー。記録画質の選択やプリレックのモードも。

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