「テロップ」について、あらためて考えてみた

3月号では、おそらくビデオサロンで初めてではないかと考えられる「テロップ」についての特集を組んでみた。
◎そもそもテロップとは?
◎テロップの種類とその役割・意味
◎効果的なテロップにできる10のポイント

◎実際の作品に学ぶテロップ

◎アドバンスト~字間までこだわる

本特集で映像作品の中におけるテロップについてあらためて考え、このテロップという手段を作品作りの有効なアイテムとして活用されるきっかけとなれば嬉しい限りである。

 

実際の作品で「テロップ」について理解を深めよう

毎月「魁!!ビデオ道場」にお寄せいただく作品を拝見しているが、テロップがまったく使われていない作品はほとんどない。つまりテロップが作品作りに不可欠なものということはお分かりいただいているようだ。そして皆さんのテロップで感じるのは、作者の個性が出やすいアイテムでもあるということ。

そこでぜひ他の人の作品からいろいろ学び取ってほしい。テロップに正解はないので定番となる手法も見い出しにくいかもしれないが、「このシーンにこういうテロップが合う」という視点を持って見ることで自分の作品に活かせる発見も多いと思う。(岡野 肇)

1月号大賞作品のテロップを誌上添削

「八重山ひとり旅」広瀬友三さん作(8分)

娘さんが撮影してきた旅行の素材を父である広瀬さんが構成・編集した作品。娘さんには「カメラを動かすな」とアドバイスしただけということだが、とても初めての撮影とは思えないほど魅力的な作品に仕上がっている。もちろんテロップは広瀬さんが担当。2017年1月号大賞受賞作品。
テロップの出し方において、とても良いところと、その逆にもったいないところも両方ある作品なので、作者の了解を得た上で誌面にて添削。参考にしていただきたい。

 

「テロップ」目線で見てほしい参考作品

また、テロップに注目して見てほしい作品を3つご紹介したい。

「船長になった元機関長」佐伯勝利さん作(4分54秒)

作品におけるテロップの分量もちょうど良く、書体・サイズ・色・位置・縦書きを上手く選んでいて情報・説明だけでなく演出のためのテロップとして使いこなしている。
「猊鼻渓舟下り」関口 豊さん作(6分)

情報テロップ中心でシンプル。見る人のことを考えて工夫している。まず、どこを指しているのか分かりやすい配置、それから見えにくいのを防ぐため帯の処理も。

「重里チャコ」 Seirituさん作(6分)

海外の方向けの英訳テロップと情報テロップ。書体・文字の大きさなどこの作品全体のトーンを邪魔しない配慮を感じる。それがこの作品の良質感につながっている。

 

構成とテロップ

さらに、テロップについて考えさせられる作品を2本、ぜひご覧いただきたい。「魁!!ビデオ道場」に応募のあった作品で、作者はどちらも河合典之さん。
河合さんの作品はナレーション中心とテロップ構成の2 種類がある。「伊勢山上閉山会式」はテロップ構成の作品で、説明テロップが多く手持ち映像ということもあり、見やすいとは言い難い。一方、ナレーション構成の「平安絵巻の月見をしのぶ」は見事で、今号の入賞作品に輝いた。

河合さんの了解を得て、「伊勢山上閉山会式」の視聴も用意したので、ぜひ見比べていただきたい。映像をきちんと見せるという意味では、テロップはあくまでも補足情報であり、ナレーション中心で構成するほうが作品を見る人は理解しやすいことをお分かりいただけるのではと思う。

「平安絵巻の月見をしのぶ」 7分43秒

 

「伊勢山上閉山会式」 6分58秒