DaVinci Resolve 12 カラーグレーディング入門7 パワーウィンドウ・ベース、カラーベース、スタビライズ、サイジング、


レポート◎林和哉

◎この投稿は、ビデオサロンが制作したMOOK「Digital Cinema Camera 3~4K映像制作ワークフロー」(2015年)の中の記事をウェブ用に再構成してアップしたものです。したがってソフトウェアはバージョン12段階ものです(現在は12.5)。ちなみに本書は現在も販売中です。こちらからどうぞ。

パワーウインドウ・ベース

いわゆるガベージマスクとよばれるものでエリアを指定し調整を施す方法で、DaVinci Resolveではパワーウインドウと呼びます。センターパネルの上段に並んだアイコンの左から3番目がそれに当たります。では、そのアイコンをクリックしましょう。手順は以下の通り。

【1】円、四角、ポリゴン、パワーカーブ(ベジェ)、グラデーションのいずれかのスタイルのアイコンをクリックし、アクティブにします。アイコンが黄色くハイライトし、ビューワーにパワーウインドウが表示されると同時に、スタイルのマットがセンターパネルに表示されます。

【2】指定するエリアを囲みます。

【3】ソフトネスを使用して、境界を滑らかにします。

【4】プライマリーホイールやカスタムカーブで調整します。

ビューワー内のパワーウインドウのポイントを動かすことでシェイプを調整、または回転することができます。また「トランスフォーム」を使用して、細かな設定が可能です

トランスフォーム

サイズ…パワーウインドウ全体のサイズを調整します。
アスペクト…パワーウインドウの縦横の比率を調整します。
パン…パワーウインドウを左右に移動。
ティルト…パワーウインドウを上下に移動。
回転…パワーウインドウの回転。

パワーウィンドウのソフトネス

ソフトネスは、パラメータでの調整よりもビューワーでの直感的な調整が速いでしょう。パワーウインドウの太い白い線が境界で、薄く細い線がソフトネスの幅です。ピンクのポイントをドラッグすると円、四角…ソフトネスのインサイドとアウトサイドの幅が同時に調整できます。

パワーカーブ…インサイド、アウトサイド、それぞれ別に調整できます。
ポリゴン…ポリゴンのみ、ソフトネスのパラメーターでインサイド、アウトサイドを別々に調整します。

パワーカーブの描画と調整

ベジェ曲線は、ビューワー内をクリックしながらポイントを打っていき、最初のポイントをクリックするとベジェ曲線が閉じます。閉じるまでマスクとして機能しませんので注意が必要です。

以下のような項目を使って、描画したパワーカーブのポイントを動かして微調整をしていきます。

ポイントの追加・削除…パワーカーブのどこでも欲しい位置をクリックすると追加されます。ポイントを消すときは、ポイントを中ボタンクリックします。
ベジェハンドルでシェイプを調整…ベジェハンドルをドラッグすることで、ポイント付近のカーブを柔軟に調整できます。
ベジェハンドルをポイント化して鋭角に…ポイントをダブルクリックするとベジェハンドルが消え、ポイントのみになります。もう一度クリックすると、ハンドルが出てきます。ポイント化した後は移動させることができないので、ハンドル化して動かし、またダブルクリックをする必要があります。

パワーウインドウの枠を消して調整

パワーウインドウのアウトラインが出ているとひじょうに見づらい時がありますね。そんなときは、ビューワーの左下にある小さなアイコンをクリックして、プルダウンメニューの中から「Off」を選択します。アウトラインが消えるので、その状態でパン、チルト、ソフトネスなどの調整をします。

 

 

 

 

 

アウトサイドノード

パワーウインドウ内はパワーウインドウ内、その外側も調整したい、という時は「Outside ノード」を使用します。

サンプルの「思いを馳せる男性」のシーンで見ていきましょう。背後の道のハイライトがキツいので、少し落としたい。全体をそれに合わせて調整したい、とします。

【1】パワーウインドウのベジェ曲線で線を引きます。ハイライトを少し押さえます。

【2】「Outside ノード」を調整します。

【3】アウトサイドを作成したいノードを選択し、「ノード」→「Outside ノード」を選択します。ノードエディターに新しいノードが表示されて、パワーカーブの選択範囲が反転しているのが分かります。

カーブ・ベース

カーブベースは、クリップの任意の場所をクリックし、サンプリングした色相を元に対象を操作します。

Hue vs Hue…指定した色相を他の色相に変化させます。
Hue vs Sat…指定した色相の彩度を変化させます。
Hue vs Lum…指定した色相の輝度を調整します。
Lum vs Sat…指定した輝度の彩度を調整します。
Sat vs Sat…    指定した彩度の彩度を調整します。

【1】下の画像をサンプルに「Hue vs Lum」で効果を見てみましょう。センターパネルの「Curves」から「Hue vs Lum」を選び、画面の中のグリーンをクリック。

【2】カーブ上にクリックした場所の色相にポイントが打たれ、干渉防止に左右にポイントが打たれます。

 

【3】そのポイントを上下に動かしたり、干渉防止の左右のポイントを動かすことで、色相が変化します。このポイントはいくつも打つことができるので、複雑な色バランスのルックを作ることが可能です。

パワーウインドウのトラッキング

パワーウインドウは、動く被写体に対して、追従させることができます。

これは驚くほどパワフルな機能です。すばやく正確で、人物の顔を追うときには、ある程度横を向いても、その横顔のサイズにまで小さくなって付いていき、顔が正面に戻る、というときもサイズが大きくなりながら付いていくという気合いの入りっぷり。

また、最新版の12では、3Dトラッキング機能が追加され、パースの付いた変化に対して、追従性能が大幅に上がりました。

【1】パワーウインドウを対象に置きます。

【2】センターパネル左から4番目の「トラッカー」アイコンをクリックして、トラッカーパネルを出します。

【3】右矢印の形をした「フォワード」ボタンを押します。トラッキングが始まります。

 

 

 

【4】トラッキングが終了すると、自動的にパワーウインドウが追従していくようになっています。

【5】パワーウインドウ内の色調整をします。

スタビライズ

強力なトラッカーは、追従だけではなく、スタビライズにも威力を発揮します。

【1】手ブレしている素材を選び「トラッカー」の右上にあるプルダウンメニューから「スタビライザー」を選びます。

 

 

 

【2】「Analyze」の右矢印の形をした「フォワード」ボタンを押します。自動的にクリップ全体にマーカーが表示され、トラッキングが始まります。

 

 

【3】解析が終了したあと、パン、ティルト、ズーム、回転、3Dのどれを使用して止めるかをチェックのオンオフで指定し(初期値は全部使用)、「スタビライズ」ボタンをクリックします。

 

サイジング

水平の取れていないカットの直しや、リサイズして不都合な物をフレームの外にする、などの調整をすることが可能です。

【1】センターパネルの右から3番目のサイジングをクリック。

 

 

 

【2】右上のプルダウンメニューが「入力サイズ調整」になっていることを確認して、各パラメーターを調整します。

 

 

 

 

【3】例えば、回転を使って水平を調整した場合、上下左右に黒みが発生します。それを隠すためにズームでブローアップし、黒みを埋めます。

ブラー、シャープ、ミスト

セカンダリーで指定した部分にブラー、シャープ、ミスト(ブラーのアルゴリズム違い)をかけることができます。

【1】センターパネル右から5番目の「ブラー」アイコンをクリックします。

 

【2】右上のプルダウンメニューから目的の機能を選択します。

【3】範囲、H/V比率、スケーリングスライダーを動かし、ビューワーで確認しながら調整します。

範囲…エッジをどの程度の範囲まで含めるのか、作用範囲の度合いを調整します。
H/V比率…    水平、垂直方向のバランスを調整します。
スケーリング…効果をかける強度を調整します。