DaVinci Resolve 12 カラーグレーディング入門9 拡張された編集機能について


レポート◎林和哉

◎この投稿は、ビデオサロンが制作したMOOK「Digital Cinema Camera 3~4K映像制作ワークフロー」(2015年)の中の記事をウェブ用に再構成してアップしたものです。したがってソフトウェアはバージョン12段階ものです(現在は12.5)。ちなみに本書は現在も販売中です。こちらからどうぞ。

Chapter 5:大幅に拡張された編集機能

DaVinci Resolveの最新版では、エディット機能が大幅に拡張されました。

  • 基本の編集機能…トリム機能、ギャップ、リップル、ロール、スリップ、スライド
  • テイクセレクター
  • 複合クリップ
  • タイムラインのネスト
  • ビデオFX…トラジション、タイトル、可変速
  • オーディオミキサー
  • オーディオFX
  • マルチカメラ編集

ざっと取り上げてもこれだけあります。それぞれを見ていきましょう。

 

エディットページのレイアウト

まずはエディットページのレイアウトを見ていきましょう。エディットページに切り替えると、大きく2段に分かれたレイアウトが見えます。それぞれの名称と役割は下記のようになります。

A:ソース&オフラインビューワー…ここは、メディアプールで選択したクリップを表示します。

B:タイムラインビューワー…タイムラインに並べられたクリップによるプログラムを確認できます。

C:タイムライン…クリップを並べていく実作業の場所です。

D:上部にある切り替えボタンを押すことで、メディアプール編集インデックスエフェクトライブラリーを切り替えることができます。また、組み合わせで、縦にめいっぱい使うことも可能です。

メディアプール…複数のタイムラインを管理します。また、ページで素材登録したクリップを管理します。メディアプールブラウザーもタイムラインブラウザーも、右上部のアイコンをクリックすることで、リストビューとサムネイルビューと適宜切り替えることができます。

 

 

 

 

 

編集インデックス…編集の詳細情報を見ることができます。

 

 

 

 

 

 

エフェクトライブラリー…タイムラインエフェクトを管理します。トランジション、タイトル、ジェネレイター、OpenFX、オーディオFX。ツールボックスとOpenFX、オーディオFXをボタンで切り替えます。

 

 

 

 

 

 

基本の編集機能

数多のノンリニア編集アプリケーションでは、ギャップ編集/ロール編集/リップル編/スリップ編集/スライド編集という編集モードが必ずと言ってよいほどついています。ついているといいますか、これは編集方法の概念です。

編集されたタイムライン全体の尺を変えないまま、編集点を左右に動かすと、短くなった部分には黒みが生まれます。編集点を動かすと、動かしたところは空白になるわけです。これはどの編集アプリケーションでもデフォルトの機能です。その隙間をそのままにしておくわけにはいかないので、隙間を埋める作業をします。その作業をしなくてもいいと効率がアップします。

そのためには、以降のツールが便利になります。

ロール編集への切り替え

まずは、矢印アイコンの隣の編集モード(中央の赤いボタン)ボタンを押します。DaVinci Resolve 12は、クリップのどの位置にポインタを持って行くかで、編集方法が切り替わり、便利です。

 

 

 

ギャップ&ロール編集モード

編集点に持って行くと、カッコのようなマークになります。

 

 

 

 

 

 

スリップ編集モード

クリップ上の、編集点から離れたところで、クリップの縦方向の幅の上半分にポインタを持って行くと、スリップ編集ツールに切り替わります。

 

 

 

 

 

スライド編集モード

クリップ上の、編集点から離れたところで、クリップの縦方向の幅の下半分にポインタを持って行くと、スライド編集ツールに切り替わります。

 

 

 

 

 

実際の動きを見てみましょう

編集の効果を説明するために、タイムラインのV2トラックに同じ素材を配置して、ビフォー・アフターが分かるようにしています。

ロール編集への切り替え…編集されたタイムライン全体の尺を変えながら、編集点を左右に動かす

 

終了後、タイムラインの編集内容が縮んだのが分かります(V-2トラックは比較用に置いたものです)。伸ばすのも同じことですね。編集点以降の辻褄合わせも気にせず、簡単に細かい修正ができます。

スリップ編集…タイムラインに配置されたクリップの尺や位置を変えないまま、クリップ内の使いどころを変える

“リズムに合わせて編集をしているとき”や、”イン点はタイムライン上30:00:15になければいけないが、水を飲む瞬間の絵を数フレーム遅らせたい”といったときに使いやすいでしょう。

中の絵は変わるが、全体の尺が変わっていないことが分かります。

上の例ではサムネイルが小さくて分かりにくいのですが「信号が赤」というカットが、「信号が赤から青」というカットになりました。使いどころを変えたわけです。(V-2トラックは比較用に置いたものです)

スライド編集…タイムラインに配置されたクリップ内の使いどころを変えずに、タイムライン全体の中でのクリップの位置を変える

“会話シーンで、片方が喋っているときにリアクションのカットを入れたいとする。V2トラックに乗せるという手もあるが、V1トラックで簡便にタイミングを取りたい“といったときに使いやすいですね。比較用に置いたV2トラックと比較してみると、カットの位置が動いていますが、全体の尺は変わっていないことが分かります。