『映像ガジェット調査隊!』 第14回 Blackmagic Web Presenterをライブ配信のSkypeインターフェイスとして使ってみる


文●川井拓也

株式会社ヒマナイヌ代表。配信チームLiveNINJA主宰。Ustream黎明期からマルチカメラによるライブ配信や収録を手がける。筆者のブログ●http://himag.blog.jp/

※この連載は2017年7月号に掲載した内容を転載しています。

Vol.014  Blackmagic Web Presenterをライブ配信のSkypeインターフェイスとして使ってみる

全国5カ所を結ぶ双方向のライブ配信でBlackmagic Web Presenterを使用

ブラックマジックデザイン
Blackmagic Web Presenter
61,538円(税込)

ビデオカメラやデジタル一眼などのカメラをHDMIまたはHD-SDI接続でこのボックスに入力し、
USBをパソコンにつなぐと、パソコンはWEBカメラとして認識して、Skype等のビデオ通話や
Facebook、YouTube等でライブ配信用カメラとして使える。入力信号は4K/60pまでをサポート。
USB入力の解像度は720pとなる。

▲全国5カ所の会場をSkypeで結び双方向ライブ配信を行なった。

▲配信ブースの模様。

▲スイッチャーの傍らにWeb Presenter。配線の詳細は本文で。

◉USB3.0ではなくUSB2.0の720pというのがお手軽で面白い!

ブラックマジックデザインBlackmagic Web Present erはHD-SDIとHDMIの2系統が入力できるUSBインターフェイスでありスイッチャーです。今回はその特性を活かしてライブ配信のSkypeインターフェイスとして使ってみたので、その模様をレポートします!

◉5つの会場の映像はメイン会場のスイッチャーで1画面に合成される

この案件は全国各地5カ所の会場をSkypeでつないで抽選会を行うというものでした。それぞれの会場でコミュニケーションを取るため、双方向のライブ配信を各会場のPAに接続する必要があります。メイン会場の映像と音声を、その他4つの会場のプロジェクターとPAに接続します。抽選する時には、当選者が5つの会場のどこにいるかわからないので、それぞれの会場のカメラ映像とPA音声もメイン会場で常にモニターしながらスイッチングする必要があります。そこでPC系インターフェイスの機器が必要になるわけです。

 ◉双方向ライブ配信するためのSkype機器はちょっと複雑!

電話会議システムとしてSkypeを5つの拠点で使うにはノートパソコンやスマホを5台用意すればその内蔵カメラとマイクを使えます。ところが、これを双方向ライブ配信するためには5台のコンバーター機能を内蔵したインターフェイスが必要になります。Skypeからの映像出力をそれぞれの現場にあるプロジェクターにHDMIで送ります。音声出力はノートPCのヘッドホンから取り出しミキサーで整音して会場PAに出します。

次にSkypeへの映像入力は現場のスイッチャーやカメラの映像をインターフェイス機器を通してUSBやThunderboltに変換してノートPCへ入力。PAの音声は業務用のXLRでノートPCへ入力。こうしたライブ配信に特化した機器としてはニューテック社のTalkShowがありますが、5台レンタルするのは結構大変!

そこで今回の現場ではスタッフが手持ちの機器を持ち寄ってこの部分を解決することにしました。その中の2台をBlackmagic Web Presenterにしたわけです。事前に東京のスタッフ間でテストを行なっておき問題ないことを確認しての現場投入です。

◉ Blackmagic Web Presenterには必要な端子がすべて揃っている!

▲今回の配信ではWeb PresenterにHD-SDIで映像を、XLRで音声を入力し、USB2.0で配信用のノートパソコンに出力した。

HDMIやHD-SDIからの映像とXLRやRCAピンジャックからの音声を入力して720pのUSBストリームにする変換機ですから今回の目的にぴったりです。特にUSBが3.0ではなく2.0で720p映像になるのは解像度は落ちるものの、接続するノートPCを選ばないという意味で重宝します。XLRの音声入力は業務用ビデオカメラと同じように「LINE」レベルか「MIC」レベルかをメニューから選択できます。音量も調整でき、オプションのTeranex Mini SmartPanelを追加すれば、液晶モニターにもレベルメーターが常時表示されるのも安心です。ただここのフレームレート表示はなぜか0fpsになったり25fpsになったりと実際の挙動と違う数値を示す傾向がありました。これは2台ともそうだったのですが、今後のファームウェアで改良されるのではないかと思われます。

 ▲オーディオミキサー部分のメニューではXLR/RCA端子ごとのON/OFFやレベル調整ができる。

◉放熱設計で長時間稼働させても安定している!

Blackmagic Web Presenterは720pへの変換だけを行なっているシンプルなコンバーターなので、今回の配信で長時間稼働させてもあまり熱は持ちませんでした。今回の案件はSkypeをつなぐインターフェイス機器に不具合があると、抽選会が成り立たなくなってしまう案件だったのですが、リハーサルと本番含めてまる1日の現場を何の問題もなくこなしてくれました。ディレイのないテレビ電話システムをコアにしてまるで年末の「ゆく年くる年」のように各地を順番に繋いでいく。安価な機材でこれが実現できるというのはスゴいことだと思います。全国や全世界のパブリックビューイング会場を繋いでダイナミックなライブ配信番組を作りたい時などに参考にしてください!