富士フイルム FUJINON MK 18-55mm T2.9をFS7と組み合わせて使ってみる②(SIGMA CINE LENSと機能面での比較)


Report◎丁龍海(R&Y Factory)

6月15日に公開した①から1か月以上が経ってしまいました。続編になります。①はこちらからどうぞ(編集部)

▲奥がFUJINON MKレンズ、手前がシグマ18-35mm CINE LENS。

Eマウントレンズの元は、ミラーレスカメラNEXシリーズからではなかっただろうか。あれから7年程しか経っていない、歴史の浅いマウントシリーズではあるが、近年では各社がEマウントレンズのライナップを増やしている。メリットは短いフランジバック構造で、マウント変換を行えば、様々なレンズを使うことができることであろう。

その様々なレンズは特性が一つ一つ異なるから面白い。

今回は前回の続きでFujinon MK18-55とSIGMA18-35を使い、ライブ撮影で比較検証を行なってみた。
ライブ撮影でスーパー35mmカメラを使うメリットとしては、フォーカス送りのボケアシの演出。ライブ会場は外光が入らないため、スポットライトなどの光が演出の一つにもなる。逆光下での撮影では、被写体のエッジがはっきりするため、ピント合わせには特に注意が必要である。

今回のライブハウスはレールやドリーといった特機が使えないほど小さいため、ズームレンズが必須。その際、FUJINON MK 18-55はその威力を発してくれる。18mm〜55mm(35mm判換算:約27mm〜82.5mm)はFF(FullFigure)撮影にはちょうど良いサイズ。2カメで使用していたSIGMA18-35では少し物足りなさを感じた。それ以上にズームワークをした時にピントがずれないのが素晴らしい。リズムに合わせた激しいズームワークでもピントが変わらないのは、カメラマンにとっても安心なレンズである。今までピント抜けが怖くて、消極的だったズームワークが、ピントを気にしなくて良いので画角作りに専念できる。特に、FS7の様々なカメラポジションと、このレンズの機動力、T2.9という全域通しのレンズがあれば、撮影が楽しくなるに違いない。

フォーカスワークに関してもブリージングも抑えられ、シネマレンズとしての性能をしっかり受け継いだMKシリーズの価格は驚きである。

しかし、1点難点がある。MK18-55は電子接点がないため、ビューファインダーにレンズ情報が出ない。SIGMA18-35はレンズ自体はT値なのだが、F値表記される。正確ではなくても撮影時にはこの数値が目安となる。反面、MK18-55はビューファインダーに表記されない。目視を試みても暗転時にはレンズのメモリが確認できないので、暗転開けの目安がなくなる。このような現場では欲しい機能であろう。レンズ自体は「歪み特性」を極限まで抑えているのでレンズ情報は要らないかもしれないが、数値情報は欲しいと感じた。

FS7にFUJINON MKを装着(レンズに接点はなく、F値は表示されない)

FS7にSIGMA18-35 CINEを装着(フルマニュアルだがF値とフォーカスの距離の数値とバーが出る)

Fujinon MK18-55と、SIGMA18-35では同じく9枚羽根で、82mmの口径だがボケ具合が異なる。両レンズを比較すると、個人的にはSIGMA18-35はブリージングはあるもの、ボケ具合が強いので、フォーカスによる演出がしやすいというのはシチュエーションによってはメリットになる。

今回、Fujinon MKシリーズは18-55に加えて50-135のラインナップが増えた。とりあえずこの2本があれば、おおよその領域はカバーできるのが嬉しい。ズームワークをメインとする撮影には使いやすいレンズであることがわかる。重さも1kgを切っており持ち運びも容易。価格も40万円台に抑えられ、シネレンズが身近になった逸品である。Eマウントは一眼ムービーからFS7まで様々なカメラで使用できるからこそ、レンズの有効活用がポイント。個々の好みもあると思うが、 MKシリーズもラインナップとして検討してみてはいかがだろうか。