航空カメラマン・野口克也の 前略、空からお邪魔します vol.18「公式対応ではないものの、Inspire 2に取り付けられる7.5mmレンズを試してみた」


vol.18「公式対応ではないものの、Inspire 2に取り付けられる7.5mmレンズを試す」
文●野口克也(HEXaMedia)

東京都生まれ。空撮専門会社「株式会社ヘキサメディア」代表。柴田三雄氏への師事の後、ヘリコプター、モーターパラグライダー、無線操縦の小型ヘリなど、空 撮に関わるすべての写真、映像を区別なく撮影。テレビ東京系地上波『空から日本を見てみよう」、BS JAPAN『空から日本を見てみようPlus』などTV番組やCM等の空撮を多数手がける。写真集に夜景の空撮写真集「発光都市TOKYO」(三才ブックス)など。http://www.hexamedia.co.jp/

※この連載は2017年7月号に掲載した内容を転載しています。

▲ベランダに立った人物撮影はドローンの高度と距離を合わせて撮影した。

非公式だが装着できる広角レンズ

DJI Inspire 2はX5Sカメラを装着時にマイクロフォーサーズのレンズ交換に対応しています。今回はメーカーでは公式対応していませんが、2つの超広角レンズを撮り比べてみました。筆者はSAMYANG 7.5mmを既に購入してドローン撮影に導入しています。ディストーションが大きく、味はあるのですが、CMや映画といった撮影での使い勝手に苦慮していました。そんな時にLAOWAがディストーションの少ない同じ7.5mmレンズを6月に発売するということで、かねてから楽しみにしていました。

マニュアルレンズだがX5Sに取り付けられる

SAMYANG(サムヤン) 7.5mm 1:3.5 UMC FISH-EYE MFT
34,301円(ケンコー・トキナー取扱)

LAOWA(ラオワ)  7.5mm F2 MFT
65,000円(サイトロンジャパン取扱)

▲SAMYANGレンズは開放F値はF3.5で画角は180度。重量は190g。フィルター径は切られていないため、NDフィルターは装着できない。LAOWAは開放F値はF2。画角110度。重量は170g。フィルター径は46mm。

SAMYANGレンズの使用感

レンズ名にもある通り、SAMYANG 7.5mm 「FISH-EYE」という位置づけなのでディストーションでLAOWAと比べるのは可哀想ですが、盛大に歪みます。その分、画角がとにかく広い。

今回はF8で撮影しましたが、超広角レンズとしてはひじょうにシャープ。画角の四隅ギリギリのところで甘くなる部分はあるものの、中心付近がシャープなので相対的に甘く見えるという程度です。

ドローン撮影ではチルトのカメラワークも行いますが、チルトの動作の際に歪みが盛大に変化します。それを意図的に効果として使いたいという場合には有効ですが、使いどころを選ぶ歪み方です。ひじょうにシャープに映り、絞りとピントが操作できるGoPro画角といえばわかりやすいでしょうか?

直線の校舎のような建物で、横ドリーすると歪みと建物の直線の比較で、まるで建物がメリーゴーランドのように回転するような錯覚を覚えます。このレンズならではの撮影技法を模索していきたいです。

LAOWAレンズの使用感

LAOWA 7.5mmはディストーション補正をかけているためなのか、数字ほど画角は広く感じません。焦点距離10mmくらいの印象でした。そしてパリッとしたウルトラシャープで色乗りも良いレンズです。SAMYANGでは水平線が少しでも中心から外れると大きく湾曲しますが、LAOWAでは気持ち悪いくらいピシッと水平線が真っ直ぐです。

筆者が比較的多用する地面2/3、空1/3のような水平線位置でフレーミングしても、水平線は歪みません。これは使えるレンズです! ただ、歪み補正が強いためか、回り込むような動きで撮影すると背景がまるで2次元の背景画のように見えたり、建物などのパース感がはっきりと出るので、使い方と撮れる映像に少し癖があることは理解しておくべきでしょう。超広角レンズでありながら、46mmのフィルター径でフィルターが装着できることも大きなメリットです。

同じ焦点距離でもLAOWAは歪みが少なく、
SAMYANGは魚眼レンズの映像になる

▲左側がLAOWA。右側がSAMYANGのレンズ。同じ7.5mmの焦点距離のレンズではあるが、画角の広さや歪みが異なる。

絞りもフォーカスもマニュアル

今回のレンズはどちらも絞りとフォーカス操作がマニュアルです。ドローン撮影でこのレンズを使ってフォーカス送りをするようなことはあまりないと思いますが、DJI Focusでフォーカスをリモート操作することはできません。

絞りはレンズ側のリングでマニュアルで調整するので、絞りを決め打ちで飛ばすのはもちろん、露出をオートにした場合、シャッタースピードで露出調整することになるため、露出が段階的に変化してしまうことは否めません。また、SAMYANGはNDフィルターが付けられないため、シャッタースピード上昇による動きのパラパラ感も発生してきます。これらはマニュアル露出ができる人向けのレンズです。

 

◆SAMYANG 7.5mm F3.5 FISH-EYEの製品情報

http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/eq/camera-lens/samyang/photo/8809298882907.html

◆LAOWA 7.5mm F2 MFTの製品情報

http://www.sightron.co.jp/news/new_laowa7.5mm-0512.html