魁!! ビデオ道場 2017年11月号


「ビデオサロン」で連載中の読者投稿コーナー「魁!! ビデオ道場」では、毎月1作品を「大賞」、次点の数作品を「入賞」としてセレクト。大賞受賞者にはその栄誉をたたえて金2万円を贈らせていただきます。大賞・入賞および掲載作品にはそれぞれポイントがつき、累計ポイントによって当ビデオ道場における段位が認定されます(最高位:師範代)。
今回は2017年11月号掲載の作品を紹介します。解説とともに動画をご覧ください。<解説:岡野 肇>

 

<大賞>
イベントビデオ 『お抹茶の味はどんな味?ちびっ子たちの春のお茶会』 6分48秒
河合典之さん(三重県松阪市)

●作品紹介●保育園恒例の春のお茶会を撮影。園児たちが礼儀作法を体験するために本物の抹茶とお菓子をいただく。民生委員の「おばちゃん」たちのお手前から始まり、順番に園児達がご相伴にあずかる。カメラはクローズアップやローアングルを駆使してテーマの「どんな味?」を伝えている。

◆講評
この作品のタイトルは「お抹茶の味はどんな味?」、そして副題が「ちびっ子たちの春のお茶会」です。もし、これが逆だったら違った作品になるのではないでしょうか。作品は園児たちの入室から流れに沿って進みますが、園児の感想を漏らさずアップで押さえるなど常にこのテーマを意識しています。そうすることで見ている側もテーマを前提に見ようとします。この作り手と見手の相互作用でテーマはますます浮き彫りになります。得てして記録作品に終わってしまいがちな題材に、テーマという視点を採り入れることでひと味も二味も内容の濃い仕上がりになりました。


<入賞>

チャレンジビデオ 『タイムラプスの世界』  8分
吉見秀雄さん(神奈川県南足柄市)

●作品紹介●低速度撮影、コマ落とし、間欠撮影等とも呼ばれるタイムラプスでの撮影カット集。花々の開花から始まり景観、夜明け、夜景と作者の研究心が窺い知れる。通常のタイムラプスに移動撮影を加えたハイパーラプスも収録。

◆講評
まずいろいろな素材に挑戦されたことに敬意を表します。この作品はさまざまなタイムラプス撮影カットを並べることで、この手段のいいところ・苦手なところがあぶり出されるところに魅力があると思います。また、構図やアイリス等、今後この手法に挑戦される方への良き参考になるかもしれません。作品としては一つ視点を加える等の工夫があるとさらに良いのではと感じました。

<入賞>
イベントビデオ 『命名 進水式』 5分5秒
猪嶋典昭さん(兵庫県神戸市)

●作品紹介●あまり目にする機会の少ない命名・進水式を友人とチームを組んで5台のカメラで撮影。撮影環境の許す限りの体制でチャレンジ。迫力のある56,000トンの貨物船の浸水シーンは圧巻。

◆講評
進水式という名はよく耳にするものの、その式次第や様子が想像できないのですが、式の進行を踏まえつつ各次第のシーンを上手い編集で飽きさせずに見せてくれています。以前にも同じ行事を撮影して今回は2回めということですが、知らない人に疑問を抱かせずこの行事をきっちりと伝えています。欲を言えば俯瞰の引きショットで全体も見てみたいところですが、それはまた次回のチャレンジをお待ちします。

紀行ビデオ 『水牛さんありがとう』 7分50秒
稲垣育宏さん(東京都大田区)

●西表島と由布島を結び竹富島島内を歩く水牛車乗車紀。◆テレビでもおなじみのシーンですが、ナレーションをはじめゆったりとした進行がよく合っています。おそらく体験されての感想であろうタイトルがまたいいですね。

ハイキングビデオ 『武甲山』 7分20秒
渡部一俊さん(東京都練馬区)

●仲間を誘って秩父武甲山へ登る。その目的とは?◆ナレーションを排し現地の会話と現場音で進行する独特のスタイルが斬新です。有名な芝桜を山側から見たいという目的と登って分かった標高のエピソードが作品に厚みを与えています。

地域ドキュメント 『熊谷市東別府の昔と今』 7分54秒
山口 尭さん(埼玉県熊谷市)

●埼玉北部に位置する地元の歴史にチャレンジ。◆歴史を克明に調べられ、さまざまな史跡を撮影されていることは素晴らしいのですが、なにかこの地の分かりやすい特色のひとつにスポットをあてる構成もあるのではと思います。

イベントビデオ 『吉井どろんこ祭り』 4分30秒
玉置信隆さん(群馬県高崎市)

●群馬県吉井町のどろんこ祭りを作品に。◆盛り沢山などろんこ遊びの大集合イベント、太鼓の音を下に敷いて太鼓と競技のカットバックの編集はテンポが良いですね。面白そうなネタなだけに、これ以外の編集面の工夫も欲しいところです。

スポット紹介 『名月院と庭園のあじさい』 6分15秒
関口 豊さん(埼玉県狭山市)

●あじさい寺として名高い鎌倉名月院を訪れる。◆天気予報であじさいの見ごろを予想しての撮影、お疲れさまでした。さまざまな場所を訪れて描く作者ですが、あじさいというアイテムを得てピリっとスパイスの効いた作品になりました。

ライブビデオ 『わがまま』 4分
藤村正夫さん(埼玉県八潮市)

●ライブ撮影を元にしたミュージック・プロモーション作品。◆歌詞からイメージされるいろんな工夫で、ライブ記録からMVに昇華させています。場所の関係もあるでしょうが、マルチカメラに加えて移動ショットもあると、さらに楽しく観られると思います。