【LONESOME VIDEOの流儀31】4K/60pをJVCのLS300で録るためのワンマンフルセットを公開しよう


第31回
4K/60pをJVCのLS300で録るための
ワンマンフルセットを公開しよう

文◎ふるいちやすし

横須賀の古い倉庫街で廃止になった引き込み線を偶然見つけて写真を撮ったことがあった。確か Mamiya645 のフィルムカメラだったのでかなり昔のこと。場所も覚えていない。インターネットで調べてやっと見つけて行ってみた。近づくにつれ、あの時、女性のモデルを連れて行ったことを思い出したが、名前はおろか、顔も思い出せない。ただ、彼女が持参した綺麗なウェスタンブーツのことだけなぜか思い出した。到着すると引込線はほとんど残っておらず、切れ切れに路上と草むらに隠れて残っているだけだった。まるで僕の記憶のように。

年末には家庭用でも8Kテレビが発売されるという。4Kやらなきゃ、なんて言っている場合ではない。とは言うものの実はほとんど焦ることなく普段はHDで撮っているのだが、4Kのあのツルツルした感じには慣れておかなくてはいけない。解像度の問題ではなく、最終的にどういう印象を作り上げるかという意味では、そのツルツルを踏まえてコントロールできなくてはいけないからだ。私個人としては視聴者を驚かせる映像よりも染み入るような映像を撮りたいと考えているので低解像のクラシックレンズをあえて使うことも理に適っている。そういう意味ではそのツルツル感がむしろ厄介に感じることが多く、編集時の重さやバッテリーの持ち、30p までしか撮れないというリスクを負う気になれなかったが、LS300 は外部レコーダーを利用して 60p まで撮れるようになったので重い腰を上げようと考えている。やるからには撮る回数を増やし、その結果を吟味する。それをじっくりやるしかないので、一人で出かけるのが一番。

ということで今回は私の最新ワンマンフルセットを見ていただきたい。マンフロットの MB PL-3N1-36 は以前愛用していたMAトラベルバックパックを一回り大きくしたような印象だ。これはメーカーの人にも強く希望していて、LS300 のような中型ビデオカメラにもそこそこのレンズをつけたまま横向けに収納できるようになった。トラベルバックパック同様、いちいち下ろさず肩にかけたまま出し入れが可能なため、機動性がさらに良くなった。レイアウトはマジックテープの仕切りで自由にできるため、下段にカメラと音声レコーダー、中段にレンズ、上段に SHOGUN INFERNO などを入れられるようにした。三脚は小型の物を後ろに挿す。見た目は大袈裟だが、むしろバランスがセンターになり背負ってみると意外に楽だ。長時間歩く時、バランスが偏っていると命取りで、翌日絶対後悔することになる。これだけ入れるとかなりの重さになるのだが、よくできたバッグは肩にはあまり負担をかけず、しっかり腰で支えるようになっている。

使いやすくなったマンフロットのバックパック

▲バックパックは自分の体格と撮影スタイルに合わせてしっかりしたものを選ぼう。ただし特に人混みなどでは思わぬトラブルを招きかねないので注意が必要。後ろの大きさは絶えず把握しておく。両手を空けておくのは山道を歩くには必要なことだが、歩く距離が短い時や街中での撮影には大型の三脚やスライダーを持ち歩く。

一つコツを言うと、荷物の重さに合わせて最初からスピードを遅く、姿勢良く歩くことだ。無理をして一度身体を壊してしまったらその日が終わってしまう。下手すりゃ動けなくなってしまう。同行者が先に行ってもお爺さんハイカーに追い抜かれても決して慌てず、そうすればちゃんと行って帰って来られる。逆に言えば、そのスピードで往復できる行程をしっかり予定することが大事。撮ることだけでなく、運ぶことにもこだわるのがロンサムビデオの流儀だ。

モニターは首にかけて固定できるようにありものを改造した

▲これは元々スマホやタブレットをフリーハンド化するための物だが、かなりしっかりしたグースネックでできているのでモニターを載せられるように改造してみた。SHOGUN INFERNO はさすがに大型バッテリーを2つ付けると重さでお辞儀してしまうが、形を自由に変えられるのでかなり便利だ。また、モニターを裏返せばスタンドにもなるので、理想的なツールだと言える。ちなみにこのシェードは100均ショップで3つの品物、つまり300円で作ったものだ。こうしたカメラ用品以外のものでも工夫次第では自分のスタイルにぴったりのものが安価で作れる。あくまで自己責任だが、ピッタリはまった時の喜びはひとしおなので、ぜひ挑戦してみてほしい。

現場音のステレオ収録はXYマイクかMSマイクか録り比べてみる

 

▲この日は ZOOM H 6に標準装備されているXYステレオマイク(上)とMSマイク(下)を使い分けて収録した。ワイドな画角やイメージ画にMSの広がりはとても面白いが、クローズアップの画角にはステレオマイク(90度)がちょうどいいと感じた。 広がり具合をマイク交換によって選択できるのはとても魅力的なことだ。