『映像ガジェット調査隊!』 第21回 超小型のUSB3.0キャプチャーデバイス「BU110」はライブ配信の新しい選択肢


文●川井拓也

株式会社ヒマナイヌ代表。配信チームLiveNINJA主宰。Ustream黎明期からマルチカメラによるライブ配信や収録を手がける。筆者のブログ●http://himag.blog.jp/

※この連載はビデオSALON 2018年3月号に掲載した内容を転載しています。

 

Vol.021 超小型のUSB3.0キャプチャーデバイス「BU110」はライブ配信の新しい選択肢!

HDMI入力の映像を1080/60pでライブ配信&録画できる

アバーメディア BU110
オープン価格(実勢27,000円前後)
コンパクトな筐体でタバコの箱の半分くらいの大きさ。HDMI入力をUSB-Cから出力して、パソコンに接続してライブ配信・収録、またはAndroid端末に接続してライブ配信を行うことができる。製品にはUSB-CケーブルとUSB-C→USB3.0変換ケーブルが付属する。

▲ビデオカメラをHDMIと接続。USB-C→USB-A変換でMacMiniに接続した。

 

▲付属のUSBケーブル。

 

▲箱に入れた状態

◉ ゲームレコーダーでお馴染みアバーメディアのUVC、UAC対応キャプチャーデバイス!

スイッチャーやカメラの映像をライブ配信する時に必要なキャプチャーデバイスの新作が届きました。業務用ライブ配信エンコーダーやゲームレコーダーを手がけるアバーメディアBU110です。HDMI入力があり1920/1080の60fpsで入力できUSB3.0(TypeC)で出力されます。UVC(USB Video Class)・UAC(USB Audio Class)対応なのでプラグ&プレイで接続でき、ドライバーのインストールは必要ありません。

 

◉ 本体は超小型でタバコの半分くらい! USBケーブルも2種類付属!

化粧箱はコンパクトで、開けてみると本体はさらに一回り小さくスリムなタバコのパッケージのようにも見えます。アルミ製のボディは放熱効率が良さそう。縦に青く入っているラインの部分は動作状況を知らせる状態ランプです。青く点灯すると正常作動、青点滅が起動中・処理中、赤点灯で警告となります。HDMIからの信号が来ていない時は赤点灯になります。本体のコネクタはHDMI入力とUSB3.0出力が両端についたシンプルなもの。スルーアウトなどはありません。ケーブルは1m程度の両端が USB3.0 Type-C のものと Type-C to Type-A がそれぞれ1本付属しています。

 

◉ Webカメラとして認識するので Facebook ライブも気軽にできる!

付属のUSB3.0ケーブルで Mac に接続するとWebカメラとして認識されるのでブラウザから Facebook ライブが可能です。特別な設定作業をする必要もありません。配信アプリのスタンダードである「Wirecast(テレストリーム社の配信アプリ)」ではキャプチャーデバイスとして映像と音声が認識されます。今回はMac本体のUSB端子でもUSB3.0ハブ経由でも正常に動作しました。1台でのテストでしたが複数の「BU110」を1台のパソコンに接続できるか?機会があれば検証したいところです。

 

◉ Windows や Android の場合は専用アプリが使えて便利そう!

Windows の場合はアバーメディアが提供するオリジナルアプリ「RECentral」を使って録画とライブ配信が可能になっています。これは簡易な「Wirecast」のようなものでPinPやクロマキーにも対応しており「NicoNico(ニコニコ生放送)」「Twitch」 「YouTube Live」「Facebook」などに直接配信できます。「RTMP(Real Time Messaging Protocol)」にも対応しているので、実質あらゆる配信プラットフォームに配信できます。PDFマニュアルも50ページ以上あり詳しくてわかりやすいです。Android は公式に67機種ほど対応端末がアナウンスされており「CameraFi Live(有料)」「CameraFi(無料)」という配信アプリが使えます。このアプリは「BU110」からの入力映像にスマホのインカメラを PinP しながら配信できるという機能がついています。

 

パソコンに接続するとWEBカメラとして認識される

▲パソコンと接続するとWEBカメラとして認識されるため、Facebook Live のブラウザの操作画面にも問題なく読み込めた他、ライブ配信ソフトの定番・Wirecast でも問題なく使用できた。残念ながら筆者のマシン環境(Mac)ではテストできなかったが、アバーメディアでは Windows 専用のライブ配信ソフト RECentral を無償提供している。

◉ シンプルで電源のいらない配信キャプチャーデバイスの新選択肢!

使った感想としては小型で電源いらずの配信キャプチャーデバイスとしてブラックマジックデザインの「UltraStudio MiniRecoder」(Thunderbolt接続)に強力なライバル登場!という感じがしました。「BU110」はUSB2.0互換なのでより幅広く使えるし海外だとSDI版の「BU111」というモデルもあるのでボディカラーをブラックにして日本でも発売して欲しいものです!

◉アバーメディア・テクノロジーズBU110の製品情報

https://www.avermedia.co.jp/product_swap/bu110.html

vsw