第1回の4K・8K機材展が開催された


2018年4月4日から6日の3日間、東京ビッグサイトにおいて、第1回の4K・8K機材展が開催された。この展示会は、長年続いてきている光通信技術展をベースに、映像伝送、モバイル通信というジャンルが加わり、そしてさらに今年から4K・8Kといった次世代映像のコンテンツ制作者をターゲットにしたものが加わったという通信の進化の延長にある。Inter BEEが放送業界のイベントなのに対して、この4K・8K機材展は、光通信から進化してきたものであり、光通信がコンテンツとして4K・8Kを求めているという流れは理解できるし、4K・8K映像コンテンツも、テレビや映画といった業界だけではない広がりをみせる可能性は充分ある。

 

BOEの8Kディスプレイ

世界最大の映像制作機器の展示会である、NABを直後に控えていることもあってか、ブースの構成はInter BEEとはかなり異なっている。入ってすぐのところに大きなブースを構えていたのは、中国の8KディスプレイメーカーであるBOEだった。

まるで窓そのものに見えるが、実はブラインドも含めて映像。3〜4mの距離から見ても実物の窓にしか見えない。

正面には世界最大の110インチという大きさの8K液晶ディスプレイを展示。他社に比べて視野角が広く、街頭テレビのように大勢の人に見てもらうのに向いていることをアピールしていた。

サイズのバリエーションも増えており、こちらは98型液晶の8Kディスプレイ。

注目すべきは、8Kデコーダ・プレーヤーから映像を再生していたこと。8Kといってもコンテンツはまだほとんどない状態。BOEとしてはコンテンツを流すシステムを含めて自社で提供しようということなのだろう。BOE映像配信クラウドを用意し、インターネット回線で8Kコンテンツを送るというもの。デコード・プレーヤーからディスプレイへは、HDMIケーブル4本で接続する。信号形式は8K 60p 10bit 4:2:0のHEVC(H.265)、ビットレートは120Mbps〜。

用途としては、デジタルサイネージ、教育、美術鑑賞といったジャンルを想定している。

 

日本サムスンはSSDを軸にしたワークフローを提案

そのすぐ向かいで大きめのブースを構えていたのが日本サムスン。SSDの最大手だが、単にSSDを紹介するということではなく、映像制作の収録から編集に至るまで、4K、8K制作の大容量かつ高ビットレートが必要なワークフローにおいてSSDが有効であることをアピールしていた。

正面のモニターは半透過型の有機ELパネル、その下に現行の日本サムスンのSSDラインナップ。

コンパクトなSSD外部ストレージとしてヒットしているSamsung Portable SSD T5を、映像制作業界向けにパッケージングした製品を展示。放送局などテープカセットをメディアとして使い続けてきた業界では、ケースに入れて保管したり、やりとりをしたりする慣習があるので、それに合わせて、ケースを用意した。中のウレタンクッションもそういった映像機器やメディア用のクッションとしてよく使われる素材を選択。ケーブルも2種類同梱している。

すでに朝日放送に採用が決定したという。

AKiTiOのThunderbolt 3 Quad Miniは2.5インチのSATA SSDを4枚装填できるドライブベイで、RAID Oをサポートして最大40Gbpsの高速転送が可能。Thunderbolt 3ポートを2つ。

 

テクノハウスはコンバージェントデザイン社の製品を展示。Odyssey7Q+やAPOLLOなどは記録メディアとしては、汎用の2.5インチSSDなのだが、保証しているのはサムスンのSSDのみだという。

ブラックマジックデザインも日本サムスンブース内に関連製品を展示。レコーダーなど2.5インチSSDを利用するものが大半。リリースされたばかりのURSA BroadcastやATEM 1M/E Advanced Panelなど、4K/60pベースのライブプロダクションシステムを見せていた。

ブラックマジックデザインの代理店でもあるジャパンブロードキャストソリューションズは大阪の会社で関西の放送局関係にブラックマジックデザインの製品を多数導入しているという。展示していたのは、4K/60p XAVCを2ストリーム再生できる編集システム、EXALION-J200/J100。

NVMe M.2 SSDを4枚刺した拡張ボード。SSDはSamsungの960 PROで、4枚のRAID構築でシーケンシャル性能で最高14GB/s。

キヤノンも8Kカメラの試作機とHDRモニターを展示

日本のカメラメーカーでは唯一キヤノンが参加。Inter BEEなどでもすでに出している8Kカメラの参考展示品からスルーでこちらも参考出品の29型8K HDRモニターに出して見せていた。

非常に緻密な29型の8K HDR液晶ディスプレイ。

参考出品の8Kカメラヘッド。レンズはCINEMA EOSシリーズのズームレンズ30-300㎜。

 

8K技術で先行しているアストロデザイン

アストロデザインは、シャープと協業して開発した8Kカムコーダーを展示(ブランドとしてはシャープ)。その中身にはすでに各種8Kカメラを出しているアストロデザインの技術が生かされている。

8Kの解像度はVRにも応用される。8Kカメラと魚眼レンズを組み合わせることで、ヘッドマウントディスプレイに表示される映像の解像度は従来よりもアップする。大容量、低遅延のネットワークを利用することで、高品質のVR映像を離れたところで確認することができる。

 

NHKは8Kスーパーハイビジョンの映像をデモ

展示会の一番奥がNHKで、ブース全体をシアターにして、順番に来場者を入れて、15分ほどの8Kスーパーハイビジョンの映像を見せていた。コンテンツは、昨年の紅白歌合戦のダイジェスト、2月の平昌オリンピックの羽生結弦のショートプログラム、サカナクションのライブ映像など。スーパーハイビジョンが舞台、スポーツで特に魅力を発揮するということを強くアピールする映像だった。

 

来年の4K・8K機材展は7月に同じく東京ビッグサイトで開催されることが決まっている。

http://www.4k8k-expo.jp