富士フイルム、4K/60p 4:2:0 10bit記録、H.265/HEVC、ALL-Intraに対応するなど動画を強化した FUJIFILM X-T3


フォトキナを控えフルサイズのミラーレス一眼の新製品発表が続いている中、FUJIFILMのAPS-C専用システム、Xシリーズの新製品が登場。記者発表会が開催された。

X-T2の後継にあたるX-T3だが、動画機としても見逃せない機能とクオリティを実現している。動画ユーザーにとっては、キヤノン、ニコンの2社の新製品への期待を上回る内容と言っても過言ではないかもしれないい。

Xシリーズの動画は、4Kムービーに対応した2年前のX-T2から飛躍的に画質がアップし、その精細な4K画質とレンズのクオリティでムービーでも一定のファンを獲得した。今年3月登場のX-H1では、2000年代の最後の映画フィルム「ETERNA」のフィルムシミュレーションの搭載、F-Logでのカード記録、ボディ内手ブレ補正で、さらにFUJI Xシリーズのムービーのファンが増えることになった。

そしてその半年後のX-T3は、位置付けとしてはX-T2の後継ではあるが、センサーと画像処理エンジンを一新することにより、動画において長足の進化を遂げている。

具体的には、4K/60p、10bit記録、同時に4K/60p 4:2:2 10bit HDMI出力が可能になった。コーデックはH.264のみならず、より圧縮効率の高いH.265/HEVCにも対応。ALL-Intra/Long GOPも選択できるようになっている。センサーの読み出し速度は現行機から約1.5倍高速化したことで、ローリングシャッター歪みを低減しているという。フィルムシミュレーション「ETERNA」ももちろん採用。F-Logでの4:2:0 10bit内部記録、HDMIからの4:2:2 10bit同時出力にも対応する。2018年中のファームウェアアップデートにより、ハイブリッドログガンマ(HLG)方式での動画撮影も可能になる。

富士フイルム FUJIFILM X-T3 (すべて9月20日発売)

ボディ オープン(市場想定価格税別18.5万円前後)

レンズキット(18-55mm) オープン(市場想定価格税別23.5万円前後)

縦位置バッテリーグリップVG-XT3    49,400円

 

ボディはX-T2を基本的には継承している。部分的に細部のデザインは変更されているが、「間違いさがし」レベルの変更。ユーザーからのフィードバックを反映し、露出補正ダイヤルを少し小型化して不用意に回転しないようにしたり、視度調整ダイヤルも引っ張って回転させるタイプに変更するなど、マイナーチェンジにとどまっている。

しかし中身はセンサーと画像処理エンジンが刷新され、第4世代に。特に画像処理エンジンが高速処理できるようになったことが、動画の性能を飛躍的に上げることに繋がっている。

まずセンサーはX-Trans CMOS 4になった。裏面照射型で、2610万画素の高画素ながらも高いS/Nと最低感度ISO160を実現した。位相差AFは全面に配置した216万画素におよぶ位相差画素によって、現行機1.5倍の高速・高精度AFに。顔・瞳認識AFは動画でも効くようになった。

画像処理エンジンのX Processor 4は4つのCPUを搭載することで、現行機比約3倍の高速処理を実現。これにより4K/60p 10bitや新コーデックH.265の処理が可能になっている。

使い勝手の面でも変更が加えられている。まずヘッドホン端子だが、X-T2ではカメラボディになく、パワーブーストグリップを装着することで利用できるようになっていたが、X-T3ではカメラ本体に設けられた。端子部のカバーはリグ装着を想定して、取り外し可能になった。また、USB端子はType-C(USB3.1 Gen1)規格を採用しており、Anker製モバイルバッテリーを接続して使用することができる。

専用グリップのVG-XT3はバッテリーのシームレス切り替えが可能になった。これまではバッテリーが切り替わるタイミングで電源が落ちていたため、動画の連続記録ができなかったが、それが解消された。

カードへの連続記録時間は、X-T2ではブーストグリップを装着することで記録時間が伸びる仕様だったが、X-T3ではボディのみで4K/60pで連続20分、4K/30p、フルHDでは連続約30分が可能になった。

動画記録モードのクロップファクター、記録画素数、読み出し画素数、ビットレートは以下のとおり。4K/30pであればクロップなしで読み出せ、4K/60pでも1.18倍で収まっている。処理できるだけのめいっぱい画素を利用していることがよくわかる。

これまでエクスキューズがいくつかあったFUJI Xシリーズの動画だが、それらの多くが解消されただけでなく、先行メーカーを上回る仕様を実現してきた。こうなると実際の画質や操作性が気になるところだ。

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ビデオサロン本誌では、9月20日発売の10月号において、X-T3のレポートを行なっています。X-H1とX-T3で撮影したショートムービーの現場レポート、X-T3とニコンZ 7、ソニーα7 IIIとの比較検証をしています。ご期待ください。