1月号の保山耕一カメラマンの記事のこと


ビデオSALON誌上でも、Webでも何度か取り上げているが、主に関西で活躍されているTVビデオカメラマンの保山耕一さんが、YouTubeにアップし続けている「奈良、時の雫」。す
でに250本近くになっている。その撮影の模様を、ビデオカメラマンでありビデオSALONで連載しただいている板谷秀彰さんが同行取材してまとめてくださった。それが6ページにわたって、ビデオSALON1月号に掲載されている。

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さっそく読者の方から、「大変感動しました」という反響もいただいていて、プッシュしている私しては嬉しい限り。狭い分野の専門誌であっても、より多くの人に強い影響を与えたい、あわよくば、社会全体を動かすムーブメントを作りたいというのが雑誌を作っている人間の性であり、モチベーションなのだから、一人の意見であっても、そういう声が一番嬉しかったりする(結果的にそういう人が多ければ売れる、ということになる)。

ただ、これは板谷さんもSNS等で言われているのだが、保山さんが癌で闘病しながらこの映像を作り続けてて、それはそこで素晴らしいことなのだが、そこを感動物語にしたいのではなく、純粋に映像として見てほしいというのが、6ページにわたって取り上げた気持ちである。

保山さんご自身はリハビリのつもりでこの撮影を始めて、またテレビ関係の仕事をしていこうという目的があるのだが、この「奈良、時の雫」に関しては、制作スタイルはアマチュア。誰からの依頼でもなく、これを撮ってほしいという指示もなく、自分の気持ちを優先してじっくり撮影できるし、そもそも機材もアマチュアが買えるものを使っている。で、あれば、これはアマチュアにとって撮影と編集の良いお手本になるのではないかと。

200以上の中から30本ピックアップしたので、それだけでも見てほしいと思う。(p.31)

「奈良、時の雫」のYouTubeの再生リストは以下。
250本、一気に見られる。年末年始にいかがでしょうか?

もちろんアマチュアがふらっと行って仏像を撮らせてもらえるわけではなくて、
これまでの掴み重ねの映像があって、撮影許可が出た貴重な撮影もある。
映像が人を動かし、奈良県主催のシンポジウム「桜とともに生きる〜吉野・生命と再生の聖地〜」というイベントにつながった。2016年6月に東京の虎ノ門で開催したところ大盛況で、ぜひ関西でも開催してほしいというリクエストの声が多く、12月24日、奈良公園内にある奈良春日野国際フォーラム甍で開催されることになった。

保山さんにもお会いしたくて東京から参加した。

わたしは保山さんの映像をスクリーンで見たかったということもあるが、映像が人を動かして、実現したイベントを体験してみたかった。
頭の中をまだ整理できないほど、刺激をいただいた。
これで終わりではなく、これから「奈良、時の雫」をお手本にやりたいことがある。

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▲シンポジウムが終わって会場を出ると、奈良公園の夕景の終わりかけ。

vsw