月刊誌「ビデオサロン」で連載中の読者投稿コーナー「魁!! ビデオ道場」では、毎月1作品を「大賞」、次点の数作品を「入賞」としてセレクト。大賞受賞者には金2万円ほか、大賞・入賞および掲載作品にもその栄誉をたたえてステッカーを贈呈しています。詳細は誌面をご覧ください。今回は2013年9月号掲載の作品を紹介します。
(8月20日)現在アップ作業途中です。全作品見られませんが、しばしお待ち下さい。
(8月21日)公開可能な全作品をアップしました。


【大賞】「或る老船物語」佐伯勝利さん(熊本県熊本市)

個性的でかわいらしいミニフェリーの物語。この船に似合ったような静かで平穏な時の流れが上手く描かれています。そして、ドック入のシーンは構成に変化が付き、主観から一瞬の客観への切り替えが新鮮です。そしてまたこの船特有の時間に戻るところが秀逸。老船を擬人化したナレーションも作品に味わいをプラスしています。ラストのキラキラカットもいいですね。
【入賞】「ある日の趣味の集い」太田智大さん(東京都荒川区)

いや〜、完全にタイトルにだまされました。こんな趣味の人たちの作品だったなんて。しかし、みなさん「いいドヤ顔」されてますね。そして、熱心に撮影している人たちの背景で時間経過し、日が暮れていくのが素晴らしかった。台詞やナレーションはありませんが見事にストーリーを紡いでいました。見終わってからも「ジワジワ来る」名作。
「関門海峡船釣り巡り」松尾敏さん(福岡県北九州市)

船首からの広角ショットに妙に魅せられてしまいました。 釣れたか釣れないかが重要なのが、「釣りビデオ」なんですが、なかなか良いショットが多くてそれだけでカッコいいと思ってしまいました。釣り場の地図や仕掛けのフリップも親切です。でも大漁が一番ですね。空気感がよく伝わる作品でした。
「Documentary of HKTa-48」Tazrowさん(埼玉県草加市)

これは新ジャンル「定点観測ドキュメント」というべきか。まず、このようなバンド練習でのやり取りを作品にしようとした動機に斬新さを感じます。それに本来つかみ所がない「練習」というシチュエーションながら、つい見てしまうゆるい面白さがあることを発見しました。新視点の佳作です。
「黒猫親子との出会いと別れ」小川喜一郎さん(神奈川県横浜市)

ラスト、姿は見えずとも切ない気持ちになる黒猫親子の物語。こういう、ドキュメントだけどストーリーを感じさせる構成がいいです。そこには作者の「思い」が表現されています。BGMも良い選曲でした。「ノンフィクションにおけるストーリー」皆さんも挑戦してみてください。
「花咲く明石城」広瀬友三さん(兵庫県加古川市)

ロングショット(遠景)が美しい。石垣のローアングルの広角ショットも活きています。前半の歴史と後半の公園のナレーションが別々のナレーターという豪華さ。「桜」の季節の作品も数多いですが、それらとは一線を画す作品。
「夏鳥のさえずりを求めて」浅野征吾さん(茨城県古河市)

野鳥の撮影苦労話の作品なのですが、なかなか気づかない「上手く行かない原因」をきちんと分析し、対策を導きだしました。わたしもちょっと挑戦したくなりました。ただ、文字の太さや配置がちょっと気になりました。
「ぺんぎんのおさんぽ」よしおかあきらさん(奈良県葛城市)

この動物園の名物。見ているだけでもかわいらしいのですが、シナリオを考えて台詞入のショートストーリーに仕上げました。手のかかることに挑戦されたことに拍手。欲をいうともうちょっとペンギンのアップのカットが見たかった。
「藪岩魂 ハイグレード・ハイキングの世界」吉野和彦さん(長野県松本市)

師と仰ぐ人の出版記念作品。別の人が登っている様子を撮るというのは登山ビデオでは当たり前なのですが、作者にとっては珍しい?スタイル。作者の別の一面も感じました。ちょっと「手前味噌」感もありましたが、個性的な作品。
「石見神楽」河合典之(三重県松阪市)

いい位置をキープして臨んだ神楽の撮影。ローアングル&広角の素晴らしい効果が出ています。音もカットでつないでいる割にはスムーズにつながっていて、おもわず八岐大蛇の劇に入り込める作品になっています。
「みんな空が好き!」藤村正夫さん(埼玉県八潮市)

子供たち、みんないい顔してますね。生き生きとしたリズムが伝わってくる作品。「航空ドキュメント」という分野でがんばっている作者の自信がうかがえます。ただ冒頭でもう少しイベントの説明がほしいと思います。
「初めてのわさび農場」大栗一孝さん(北海道江別市)

わさび農場訪問記として、とてもきっちりとした作りです。農園のスタッフへのインタビューや、ラストのわさびソフトクリーム。2つとも良いアクセントになっています。撮影してからの構成でしょうが、訪問記として立派に成立しています。
◉ぜひみなさんもご投稿ください!
 応募要項は本誌112ページ、応募用紙はp115にあります。
この動画は月刊『ビデオSALON』の関連動画です。
動画に関する記事はビデオSALON2013年9月号をご覧ください。
http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1186.html