vol.6「ドローン撮影が うまくなる基礎練習」
文●野口克也(HEXaMedia)

東京都生まれ。空撮専門会社「株式会社ヘキサメディア」代表。柴田三雄氏への師事の後、ヘリコプター、モーターパラグライダー、無線操縦の小型ヘリなど、空撮に関わるすべての写真、映像を区別なく撮影。テレビ東京系地上波『空から日本を見てみよう」、BS JAPAN『空から日本を見てみようPlus』などTV番組やCM等の空撮を多数手がける。写真集に夜景の空撮写真集「発光都市TOKYO」(三才ブックス)など。http://www.hexamedia.co.jp/

 これまでドローン撮影の難しさについて具体例を挙げてお話してきました。ドローンに限らずすべてに言えることですが、ドローンの扱いがうまくなるということは、とことん基本の練習をこなすことと、機材の知識を深めることに帰結します。今月は撮影がうまくなる練習方法について考えます。
 今回はDJIのPhantom3や4などをターゲットにして書きますが、他の機体でも応用できると思います。Phantomには大きくわけてP(Position位置)モードとA(Attitude姿勢)モードがあります。PモードはGPSやビジョンポジショニングなどの位置情報を使って機体の位置を保持するモード。撮影時には便利ですが、これを使用していては操縦技量アップの練習にはならないので、練習時にはAモードを使用します。
sorakara_p4_kirikae.png
▲プロポの飛行モードスイッチをPにするとアプリ画面の飛行モード表示が「GPS」と表示される。PモードはGPSと屋内や低空での飛行を安定させるビジョンポジショニングがONになったモード。スイッチをAにするとフライトモードは「Atti」と表示される。これは機体の姿勢は維持されるものの、GPSによる位置を保持する制御は効かなくなる。

基礎練習の方法

1・飛行モード切替の練習
 Aモードに慣れていない人はまず、飛行モードスイッチを見なくてもスムーズにモード切替ができるように練習しましょう。Aモードの練習中に危険な状態になりそうになったら躊躇なくPモードに戻し、スティックを中立にしてください。
 また機体が自分の後ろ側にはいかないように注意します。慣れていないと機体が視界の後ろに入った途端に前後の感覚が混乱し、パニックになることがあります。必ず自分の視界の前方方向で行うようにしてください。

2・離陸/着陸
 どんな撮影のフライトでも、必ず離陸と着陸があります。離陸は機体自身がある程度の高度まで一気にあげてしまうので練習はスティック操作に慣れることくらいですが、着陸は微妙なスティック操作でそっと下ろし、バウンドしたりしないようスムーズにできるように繰り返し繰り返し練習してください。ギャラリーが多い場所でエレガントに着陸できると、ワンランク上の技量に見える効果も大きいです(笑)

3・水平左右運動(機首順行)
 機体の位置を目の高さからやや下くらいで、左右に動かします。遠くまで飛ばす必要はありません。5~10mくらいのストロークで左右にスムーズに動かします。ポイントは端で機体を一旦止めてから、改めて折り返すことです。
sorakara_p4_sousa01.png

4・水平スクエア運動(機首順行)
 先ほどの水平運動の延長で、奥行き方向にも5~10mのストロークで動かして水平なスクエアを描き、出発地点まで戻ります。スクエアの頂点で進行方向を変える時に、一旦停止させることがポイントです。
ここまでは比較的簡単です。ここから機首の角度を変えて練習を始めます。
sorakara_p4_sousa02.png

5・水平移動練習(機首順行以外)
 次に自分の向きは変えずに、機体だけを左右どちらかに45度程度機首方向を振って水平運動をしてみてください。途端に難しくなります。スクエア運動も同様に角度をつけた状態でひたすら練習します。
 その後はバリエーションをいろいろつけて、同じ練習を繰り返します。90度横を向けてのスクエア運動や、進行方向に一回一回方向を変えるパターン等を練習します。
 これらの練習の最終的なゴールは、風が少しある状態で、Aモードで対面方向になっても自由に操舵できることです。風があるなかで方向転換時に一回一回機体をピタっと止めてからの動きは、繊細な操舵がないと実現できません。
sorakara_p4_sousa03.png

6・ホバリング練習
 機首方向を45度ずつ回転させて、60秒同じ場所で同じ方向をキープします。体験上、一番難しいのは機首方向を135度変えた(斜め対面状態)状態です。ポイントは60秒を静止状態できちんとキープし続けることです。
sorakara_p4_sousa04.png
 少し難しいと感じたら、最初はPモードで操舵を理解してから、Aモードで練習をしてみてもいいでしょう。いずれの場合もスティックを弾くような操作をしてしまうと機体にもその動きが反映されてしまいます。繊細なスティック入力が実現できてこその空撮ドローン操作なので、ドローンの飛行に慣れてきた人でも自己訓練をするのが良いでしょう。

___________________________
★○ 改正航空法概要ポスター
http://www.mlit.go.jp/common/001110369.pdf
★ 「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」国交省HP
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
___________________________