動画配信スタジオ 運営日誌 第5回飲食店にいるかのような 照明デザイン


第5回 飲食店にいるかのような照明デザイン

写真・文◉川井拓也(ヒマナイヌ)

 

目指すは飲食店! 撮影スタジオであることを忘れさせたい!

ヒマナイヌスタジオは自動スイッチングにより出演者だけのリラックスした空間で対談を配信・収録することを売りにしています。そのための照明デザインコンセプトはズバリ「飲食店」です。撮影スタジオと聞くと大きなホリゾントがあり、キャットウォークにたくさんの照明機材が吊ってあるというイメージがあります。そうではなくどこかのバーかスナックにいるかのように錯覚させるような照明にしたいと考えました。

そのためのお手本は「本物の飲食店」です。具体的には照明スタンドのようなものは使わずすべてライトレールだけで処理するという手法です。この方法は照明機材の存在感がないのでスタジオ感が減るのですが、トップライトが中心になるので首に影が出やすいのですがその対策を考えないといけません。


▲ヒマナイヌスタジオには天井に5本のダクトレールがあり、12灯のLEDライトを設置している。

 

2本のライトレールと 赤外線リモコン アタッチメントで構成!

天井の強度や配線の制限からライトレールは対談を行うホストとゲストを結ぶ直線を基本に2本設置することにしました。ここにバーンドア付きのLED用スポット照明器具をつけます。LED球は何種類かテストをしてホワイトバランスを合わせやすいLED球を選びました。

そして番組ごとに照明を変えやすくするために赤外線リモコン信号でON・OFFできるアタッチメントを追加しています。これはライトレールと照明器具の間にはさみこむ機器です。テレビリモコンなど数字キーの多いリモコンにそれぞれのアタッチメントを記憶させることで照明番号をつけられるというものです。

リモコンの5を押せば5番ライトの点灯ができます。個別のフェーダー機能はないのですが、ライトレールにつけてあるすべての照明を個別にON/OFFできるので様々な照明パターンを安価に作り出すことができます。


▲マゾンで買ったLED電球(Muslish E11)は調光器対応の白熱球モデル。


▲汎用のテレビリモコンELPA IRC-202Tの各チャンネルにライトのスイッチを割り当て、ON・OFFできるようにしている。

人物を背景から浮かび上がらせるための照明!

ヒマナイヌスタジオは人物が座る位置が厳密に決まっています。番組によって人が動いたり場所が変わることがないので照明設計はシンプルです。ホストとゲストの人物が背景から浮かび上がるようにするための照明を作ります。

まずキーライトで人物の上にあるライトレールからスポットライトを当てます。そこに手前のライトレールからサイドライトを当てます。首に出る影を和らげる効果があります。そして重要なのが人物の背景から頭部に向けてあてるバックライトです。これにより人物の輪郭が髪の毛を中心に光り背景から美しく浮かび上がります。男性の薄毛のゲストの場合は頭頂部が光ってしまうという欠点があるのですが、その場合はバックライトだけ消してしまえばいいわけです。


▲こちらもアマゾンで買ったダクトレール用スポットライトSPOT-DLS509F。バーンドア付き。リモコンでON・OFFできる。


▲電灯をダクトレールに取り付けた状態。

 

背景の小道具も照明で 陰影を調整することで 空間に厚みが出る!

人物のライティングが決まったら次に背景です。本棚にスポットライトをあてたりフェーダーをかませたライトで強弱をつけて陰影を工夫します。女性の場合は背景にも色があったり光があったほうが華やかに見えます。

男性の場合は逆に背景を暗く落としたほうが重厚なムードが出ます。飲食店を模していますが撮影スタジオなので人物に合わせて照明は細かくチューニングすることが大事なのです。こうした光のチューニングや小道具のちょっとしたレイアウトで同じセットでも印象は大きく変わります。

同じセットのスタジオなのに番組ごとに印象が大きく変わるのはこうした工夫を絶え間なく続けているからなのです。次回は映像の印象を決定づける背景美術の工夫についてお話します!

 

PICK UP CONTENTS! ヒマスタの収録動画を紹介

 

ヒマスタ3分動画  「動く人間図鑑:福本和彦」より抜粋

ヒマナイヌスタジオのオリジナル番組『動く人間図鑑』は毎回濃いキャラクターのゲストを迎える対談番組! 医療用TENGAをプロデュースする福元和彦氏にとのオナニートークをどうぞ!

 

 

ビデオSALON2018年12月号より転載