斎賀教授のアフターファイブ研究室〜オリンパスTough TG-5」


4KやHD120p動画が撮れる防水カメラ
オリンパス Tough TG-5

Report◎斎賀和彦

▲ボタンやレバー、ダイヤルといった「普通のカメラ」としての操作性が抜群。

夏が来れば思い出すのは尾瀬ですが、夏が来ると欲しくなるのが防水カメラ。海に山にプールに、この季節は水に近い場所でカメラを使うことも多く、水中写真とまで言わなくても水がかかったり砂や土の付いた手で扱っても安心なカメラが欲しくなるのは自然なことです(よね?)。

オリンパスの Tough(タフ)シリーズはその名前通り過酷な状況で使える防水耐衝撃性をもつコンパクトカメラ。その最新型 TG-5 は画質が大きく向上したのも特徴ですが、ビデオユーザーの視点では4K/30pおよび FHD/120p のハイスピード撮影に対応したのが注目ポイントです。なにしろオリンパス一眼ミラーレスのフラッグシップ OM-D E-M1 Mark II(この連載の初回に試して買ってしまいました)でも FHD/60p 止まりなのですから。

と言うわけで TG-5 を試す夏だったのですが知人のカメラ好きから、「防水カメラとウェアラブルカメラで悩むよね。スマホの防水カバーもあるし」と言われました。確かに。近年一世を風靡した GoPro に代表されるウェアラブルカメラは当然のようにタフで防水のものも多く、小型で装着範囲が広いのも魅力。動画中心ならその選択肢もありそう。そんなことも意識しながら TG-5 を使ってみました。

モデル:砂糖な罪

作例その1はお約束のプール。この夏はインスタ映えという言葉とプール写真がブームだったのですが、プールサイド、ではなく、本気で水中にカメラを沈めます。TG-5 は単体で15メートルまで潜れる本格防水。それでいて4Kムービーが収録可能。ハウジング等の重装備なくそのまま水中で4K撮影のできるカメラは非常に少ないのでそれだけでポイントが高いのですが、使ってみて実感したのが写真(静止画)画質の良さです。

▲スチル写真作例。OM-D E-M1 Mark II 譲りの画像処理エンジンによって高画質な写真を得られる。水中モードもある(右)のも◎

▲動画からの切り出し。F値の明るいレンズは動画時もメリットが大きい。

レンズが F2.0(広角時)と明るいせいで比較的速いシャッターが切れ、水中でもブレにくい。もしくは感度を上げずに済むのでノイズが少ない。後者は動画時にもメリットです。1200万画素と最近のカメラにしては画素数を抑えた(結果的に画素あたりの受光面積が大きくなり基本画質が向上する)のも奏功しているように思います。また写真はRAW記録も可能で、現像処理も含めるとセンサーの小さなウェアラブルカメラ系では得られない高画質な静止画を得ることができます。

 

作例その2は深川八幡祭。江戸三大祭りのひとつで「水掛祭り」との異名を持つように神輿にむけて沿道から滝のような水が降り注ぐのが特徴です。

でもまあ、シャワーみたいなものだし防水カメラまでは要らない、iPhone をジップロックに入れてればOKだよね、とも思っていたのですが認識が甘すぎでした。

水は文字通り滝のようで消防団がホースで放水している町もあれば佐賀町のトラックからの散水はナイアガラアタックと呼ばれる凄まじいもの。事実、知人のビニール巻きのコンパクトカメラは一発で水没、動作を停止。そんな中で TG-5 は安心して使えただけでなく、その本領をプールのとき以上に発揮したのです。

ひとつは広い画角の守備範囲。ウェアラブルカメラの多くは超広角、そのパースの効いた画角は面白くインパクトがあるものの、その画角専用になってしまうのが弱点。それに対し TG-5 は 25〜100mm(35mm 換算)の4倍ズーム。自然なパースの画が完全防水で得られるのが魅力。

そしてもうひとつが操作性。スマホ操作のほとんどはタッチ液晶によるもの。防水カバー越しのスワイプは反応に難があり今回のような怒濤の水のなかでは思うように操作できないものですが、TG-5 はシャッターはもちろん、ズームレバーもモードダイヤルもすべてアナログな物理操作。慣れれば指先の感触だけで手元を見ずに確実な操作ができます。これは「カメラ」であることにこだわった TG-5 の圧倒的な強みでした。

3つめが FHD/120p のハイスピード撮影。OM-D E-M1 Mark II でも実現できていない秒120コマのムービーは、滝のような水の動きを鮮明に捉え、ムービーから静止画を切り出すことでハイスピード撮影ならではの水のモーションを見せることができます。

ただし120p撮影時は音声が記録されません。迫力ある映像を編集するなら通常撮影も併用して現場音を録っておくと良いでしょう。気をつけたいのが TG-5 のマイクは上部にあるため今回のような水のかぶり方だとマイクに水が直撃あるいはマイク孔に水が溜まり音声がくぐもった感じに録音されてしまうこと。これは TG-5 に限らない課題ですが内蔵マイクがステレオだけに音の変化は大きく感じます。

▲FHD/120p のハイスピード動画を防水で使える、というのは大きなアドバンテージ。静止画切り出ししたときの水の描写が面白い。

▲4K動画からの切り出し。

TG-5 の良さは防水という強みをもった「普通使いのできる」高画質カメラだと言うことです。けれんみのある画角や使い方ではなく、普通のコンデジ同様にズームでき、写真も動画も綺麗に撮れる。それでいて水に沈めても落としても大丈夫なタフカメラ。

来年の夏までには買っちゃいそうでこわいです(スキーしないのでこれからの季節は出番ないかな)。

◉オリンパスTough TG-5の価格はオープンで、実勢5.3万円前後。
カラーはレッドとブラックの2種類がある。