魁!! ビデオ道場 2017年10月号


「ビデオサロン」で連載中の読者投稿コーナー「魁!! ビデオ道場」では、毎月1作品を「大賞」、次点の数作品を「入賞」としてセレクト。大賞受賞者にはその栄誉をたたえて金2万円を贈らせていただきます。大賞・入賞および掲載作品にはそれぞれポイントがつき、累計ポイントによって当ビデオ道場における段位が認定されます(最高位:師範代)。
今回は2017年10月号掲載の作品を紹介します。解説とともに動画をご覧ください。<解説:岡野 肇>

<大賞>
地域ドキュメント 『伊勢山上飯福田寺戸開け式』 7分35秒
河合典之さん(三重県松阪市)

●作品紹介●
修験道の開祖が開いたと伝わる松阪市伊勢山上の標高約400mの岩屋の開扉式を追ったドキュメンタリー。開扉をメインに据えながらもシンプルな構成で独特な行事の流れを分かりやすく描く。作者得意のローアングルが印象的。

◆講評:この作品でまず感じたのはバランスの良さです。以前にも同じテーマで制作された作品もありましたが、そちらはテロップ過多でした。今回の作品では、4月号の「テロップ特集」を参考にされたとのことでテロップの量や位置、出し方、ナレーションとの配分等がぐっと良くなっています。それらを活かすカメラワーク、作品にマッチした広角ローアングルというカメラ視点、すべてがバランスよく構成されており見る側に沿った作品に仕上がっています。察するに編集時、構想に沿って繋いだだけでなく、仕上がりをきちんとプレビューしながら進められたのだと思います。この行事としては2本目の作品ですが、まったく違う作品として造りの良さが際立っています。

<入賞>
トレッキングビデオ 『秋の涸沢』 7分59秒
吉見秀雄さん(神奈川県南足柄市)

●作品紹介●
長野県松本市の涸沢カールを目指して上高地から穂高方面へ足を進める山岳紀行作品。好天にも恵まれ、ポイントでの景観や紅葉が美しい。

◆講評:気持ち良さそうな晴天のトレッキング、そんな気分さえも画面から感じ取れます。モノクロ誌面では残念ながらそれが伝えきれず、残念でした。皆さん、動画でぜひ堪能してみてください。紅葉の涸沢カール、タイムラプスを上手く使った臨場感溢れる見せ方で、作者の実況ナレーションと共にストレートに伝わってきます。また、池に写る景色の2日がかりの撮影がいいショートストーリーに。ゆったりと進むコンセプトの編集も素晴らしいです。

<入賞>

登山ビデオ 『松本市 烏帽子岩』 8分
吉野和彦さん(長野県松本市)

●作品紹介●
孤高にそびえ立つ松本市の烏帽子岩を目指す作者。展望ポイントを経由してまずは対峙する烏帽子大権現へ。そしていよいよ烏帽子岩へ。見ているほうがぞくっとする超リアルな登山映像が迫ってくる。

◆講評:作者の真骨頂である正統派の山岳登山作品。ただしこの作品の目的地があまりに個性的で、そこに作者が挑む出で立ちも手伝って独特の世界観を紡いでいます。構成も分かりやすく迫力ある構図との対比で一気に見せてくれます。「やはりビデオ作品はインパクトのあるショットが命なのか」と再認識させてくれる見事な作りです。どうぞ今後もご安全に登山を続けて下さい。

スポット紹介 『庶民の寺 柴又帝釈天』 7分58秒
津野昌弘さん(東京都足立区)

●寅さんの町、葛飾柴又帝釈天を探訪。◆知っているつもりでもなかなか訪れられない土地も多いのですがこういう作品は嬉しいですね。コーナー分けされた構成もこの地が理解しやすい。ただテロップの表示時間はぜひご一考を。

祭りビデオ 『飛騨神岡祭』 5分27秒
加賀通義さん(愛知県豊明市)

●岐阜県神岡町大津神社の祭りを作品に。◆落ち着いたナレーションに乗せて行列を中心にもらさず撮影。定点での撮影は1ポジションからどれだけの構図とサイズが切り取れるか、またそれを飽きさせずにどう繋いでみせるかがポイントです。

スポット紹介 『名馬池月の伝説と洗足池の四季』 7分20秒
菊地照子さん(東京都大田区)

●東京洗足池の伝説をモチーフに紹介。◆洗足池の点描を伝説の名馬の銅像からの視点として描いたのは面白い。敷地内の神社の広角での移動ショットが硬派のナレーションによく合っていました。池での行事も上手く盛り込めてありました。


イメージビデオ 『新緑の風』 3分5秒
林 幸司さん(岐阜県揖斐郡)

●作者の感性で描く新緑の季節のイメージ作品。◆カットの繋ぎで良いテンポ感が出ました。背景や光、フォーカスの変化などで1カット内の時間の流れも上手く演出し、新緑という一見ありふれた題材ながらしっかりとした個性を感じます。


飛行機ビデオ 『C-3PO TM ANA JET』 5分9秒
猪嶋典昭さん(兵庫県神戸市)

●特別旅客機を仲間とともに追う。◆各ポイントに分散したグループ撮影で多彩なアングルが楽しめますが、マルチカメラの難しさも。カメラ間の色や露出の統一から編集を踏まえた画角の確認まできっちり打ち合わせて臨むことが大切です。

地域紹介 『Charity Open Garden』 4分34秒
増井 武さん(静岡県浜松市)

●今年で最後となるオープンガーデンを撮影。◆庭をこれだけ多彩な構図で切り取れているのは素晴らしい。さらに望むと、庭・チャリティ・最後の公開というキーワードのどれかを際立たせる構成にすると作品にメリハリが出ると思います。