レポート●ノダタケオ
ラスベガスで開催された NAB Show 2023 のとても広大な展示ホールを練り歩いていたら、その隅っこでポツンと構えるひとつのブースを見つけました。
そのブースのテーブルの上にあるのは、エンコーダー、スイッチャー、モニター、レコーダーの機能が一体型となったタブレット型のライブストリーミングエンコーダー。
そのライブストリーミングエンコーダーは Shanghai Hebird Electronic Technology の 「Dav Wing Box」と呼ばれる製品です。
Dav Wing Box はHDMIの映像入力端子とUSBの映像入力端子をともに2つずつ備えた合計4入力。映像出力はHDMI端子が1つ。音声はHDMIにエンベッドされた音声や、3.5mmのMIC入力とLINE音声入力から入力できます。ネットワークはWi-Fi、Ethernet、Bluetooth、もちろん、SIMカードも挿してモバイル通信でのライブ配信もできます。
ストリーミングは最大3ストリーム。現時点ではRTMPでのライブ配信で、YouTube、Facebook、Twitter、そして、Tiktokもサポートがされる予定です。
比較的最近のスペックで構成されているDav Wing Box
とても興味深かったのは、現在、本体スペック値だけで見ると、日本で Yololiv が発売しているYolobox ProやInstreamよりもDav Wing Box のほうが比較的最近のハードウェアスペックで構成されていることです。
Dav Wing BoxはCPUがQualcomm Snapdragon 865 octa-core processor、Wi-FiはWIFI 6に対応、内蔵されているLANポートは1000M、そして、SIMカードは4G/LTEだけなく、5GNetwork SA/NSAに対応。
さらに、映像入力の最大解像度は 3840×2160で、ライブ配信も解像度は4K/1080P/720P、フレームレートは25/30/50/60fpsを選ぶことが可能です(動画コーデックはH264/H265/VP8)。
個人的な印象としては、HDMIの映像入力端子が2つではなく3つ、USBの映像入力端子は1つに減らしたほうが良かったと思うものの、Snapdragon 865 CPUを搭載しているからなのか、8インチのタッチスクリーンによる操作が心なしか軽快に感じました。
ちなみに、お値段は1,300USD(執筆時点でのレート換算で約175,000円ほど)とのこと。
Yoloboxと出会ったあのときのワクワクを思い出す
もちろん、日本においては技術基準適合証明を得る必要があることから、この製品が日本で見ることができる可能性は高くないかもしれません。
そうは思いつつも、2019年に北京で開催されたBIRTV(NABSHOWやInterBEEのような国際映像放送機器展)で、私が初めてYoloboxと出会い、この時も同じような想いをしていたことを思い出します。
あのとき見たYoloboxも技術基準適合証明が必要となることから、日本では見ることができないだろうなと諦めていたものの、その2年後の2021年に、後継となるYolobox Proが技術基準適合証明を得た上で日本に登場しました。
NAB Show 2023で出会ったこのDav Wing Boxも、もしかしたら日本でも見ることができるのかもしれない。そんな期待をせずにはいられないのです。
●NAB Show2023はラスベガスで4月15日-19日まで開催中