今月号もHF G10(XA10)の特集をやっています。
またかよ〜と思われる方もいるかもしれませんが、
実は、HF G10というのは掘れば掘るほど、このカメラはとんでもないカメラだぞ、
という驚きがあるのです。
わたしもこのカメラの全貌がまだわかっていないのですが、その「異常なまでのところ」を少しだけ紹介したいと思います。
まず一般的に新しいカメラがでると、画質や操作性など基本的なところを把握してみます。
そして他社の同クラスのカメラや前モデルと比べることで、その実力や位置づけ、
メーカーの方向性がわかってきます。
ビデオサロン誌でも、HF G10の発表以来、そういうことをやってきました。
しかし、HF G10だけは、どうもそれだけではこのカメラの全貌がつかめないのです。
ぜひこのカメラについては、今月号を読んで、みなさんに判断していただきたいと思いますが、わたしとしては「なんなんだ、このカメラは」という戸惑いがあるのです。
実はこの特集をつくっている途中段階で、テスターの池野さんがわたしのところにやってきて、
「このカメラ、とんでもないですよ」
というのです。
ズームの制御に対するこだわりが半端ではないらしい。
ズームのはじまりとおわりの制御をソフトにする、「ソフトズームコントロール」があるというのです。でも、実はこれはソニーではFX1からありますから、あんまり驚くことではないありません。それよりもズームスピードの遅く設定できるのがすごい。
ズームレバーによるスピードはバリアブルとコンスタントに切り替えられるのは、業務機では当たり前ですが、このコンスタントで最も遅くした超スローズームの遅さがすごい。
超スローズームをやりたい、というのはよくリクエストとしてきくのですが、ここまでのスローズームがこのクラスのカメラに搭載されていたとは。
ネイチャードキュメンタリーを作るためのカメラなのでしょうか?
もうひとつ驚いたのが、音声関連。これは本誌を見ていただきたいのですが、本誌にのっていない情報をひとつ。
XA10には外部マイクユニットがあるのですが、ステレオミニのマイク端子もあって、これはラインレベルの設定のできるのです。HF G10では確認していませんが、たぶん設定ができるのではないでしょうか。一体どういう使い方を想定しているかわかりませんが、こういう家庭用カメラってあったでしょうか。
さらに、これはDOFアダプターを想定しているのか、スキャンリバース記録ができます。
というように、これでもかと業務用カメラ並みの機能が入っています。
カタログにもWEBにも載っていない機能が次から次へと発見されるのです。
それも、いったい誰のための機能なのか分からないものが。
勝手に想像するに、これは、キヤノンのムービーの技術者がEOS MOVIEに対抗するために、
EOSでは簡単にはできないことを意地になってやっているのではないかと。
とすると、このズームと音声関連に対する異常なまでのこだわりも理解できなくはありません。
このHF G10&XA10の話題、しばらく続けたいと思います。
もちろん、絶賛するだけでなく、不満な点もピックアップしたい思います。