ARRIは2024年12月5日、新世代の65mmセンサーを搭載したシネマカメラALEXA 265を発表した。ALEXA 265は、2025年初頭から販売開始される予定だ。このカメラは、4.6Kのスーパー35mmセンサーを搭載する小型軽量モデルALEXA 35のボディをベースとしながらも、約3倍の大きさとなる65mmセンサーを採用したモデル。2014年に発売された65mmセンサーのALEXA 65は10.5kgの重量だが、ALEXA 265は3.3kgと大幅な軽量化を実現している。6.5Kの解像度と画素ピッチのサイズはALEX 65から維持しながらもダイナミックレンジは14ストップから15ストップに向上している。感度がISO3200から6400に向上し、より鮮明な黒、より高いコントラスト、低ノイズを実現したという。
ALEXA 35で導入されたLogC4ワークフローと3D LUTは今回のALEXA 265にも継承されている。ARRIの現行カメラで使用されているCodex Compactドライブにカメラ内でARRIRAWを記録するもの。標準のドライブリーダーやドックが使用できることに加えて、Codex HDE(高密度エンコード)を用いれば、画質を損なうことなく、ファイルサイズを最大40%まで圧縮できる。撮影現場のモニターは、HDまたはUHDに設定でき、SDRまたはHDR、あるいはその両方を表示できる。ARRIはSDKを更新し、ALEXA 265画像がすべての主要なサードパーティ製ソフトウェアと互換性を担保している。
ALEXA 265のフィルターシステムは、保護カートリッジに収められたフィルタートレイをセンサー前面に簡単に挿入できる仕組み。ゼロからND2.7まで、1段階ずつ調整可能なARRI FSNDフィルターをカメラ発売時に用意し、さらに多様なクリエイティブフィルターも開発中だという。各フィルタートレイには情報を記録するエンコードチップが搭載され、挿入されたフィルター情報をユーザーインターフェースで確認でき、カメラのメタデータとしても記録される。
ALEXA 265の画像処理には、ALEXA 35で初めて導入されたARRI REVEALカラーサイエンスを採用。このシステムは、色調の微妙な変化を正確に捉え、肌の表現を自然で滑らかにし、彩度の高い色やパステルカラーなどの難しい色をリアルに再現する。ALEXA Mini LFのARRIRAW画像との互換性も備えている。
ALEXA 265とALEXA 35のカメラは、カラーマッチングが高度に調整されており、カラーグレーディングを大幅に効率化できる。さらに、ALEXA 265の先進的なLEDキャリブレーション技術は、バーチャルプロダクションとLEDボリュームワークをスムーズに進行できる。
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