松下電器は、10月31日に開催されたInterBEE2007(11月20日~22日/幕張メッセ)事前説明会において、ショルダー型のAVCHD業務用カメラレコーダー、AG-HMC75を発表した。発売は4月。日本での価格は未定だが、北米で2500ドル以下としている。
◆家庭用モデルをベースにした、教育市場/ブライダル市場向け
HMC75のベースは家庭用モデル。松下電器では、初代のAVCHDカメラ、HDC-SD1の兄弟機として、業務用バージョンのAG-HSC1Uを開発・販売してきたが、HMC75はそれをベースにショルダータイプにしたもの。1/4インチの3CCD、光学12倍のライカディコマーレンズ採用、最高約13MbpsのHFモードなど基本性能はそれらを受け継ぐ。SD1ベースなので、解像度は1440×1080。SDHCカードスロットは一つで、16GBのSDHCカードにHFモードで約160分、9MbpsのHNモードなら約240分も収録することができるので、長時間撮影用途に向いている。XLRオーディオ入力ももちろん装備。マイク、ライン切り替えで、マイクへはファンタム電源供給も可能。出力はコンポーネント出力(BNC×3)、コンポジット、オーディオ出力、ヘッドホン出力。HDMI出力も装備する。
◆AVCHDトランスコーダー
松下電器では、現状のHVX200ではP2カードにDVCPRO HDコーデックの信号を記録するが、今後は、制作分野では、P2とAVC-Intraの組み合わせを、それ以外の記録ビジネスの業務分野にはSDカードとAVCHDの組み合わせを提案するとしている。両コーデックともMPEG-4 AVC/H.264であり、AVC Intraはその名のとおり、イントラフレームのみ(フレーム内圧縮)。AVHCDはロングGOP(フレーム間圧縮)となる。業務分野でも、SDカードを記録メディアに使用したAVCHDカメラを今後も充実させていくという。HMC75の心臓部は新規開発ではないが、今後は、本格的なカメラレコーダーの登場を期待できるのではないだろうか? 現状、AVCHDファイルは編集しにくいという事情をかんがみ、AVCHDコンバーターも提供する予定。AVCHDファイルをDVCPRO HD(P2-MXF)ファイルにソフトで変換するツールで、無償でホームページからダウンロードできる。
◆マルチフォーマットデジタルカメラも
放送用の分野では、マルチフォーマットデジタルカメラAK-HC3500(写真左下)を12月に発売する。水平一本読み出し方式の2/3インチ220万画素IT-CCDを採用し、空間画素ずらし技術と合わせ、モアレの少ない高感度・高解像度映像を実現。38ビットのDSP、14ビットA/D変換を搭載した。お天気カメラ向けのマルチパーパスカメラAK-HC1800(写真右下)も2008年3月に発売。