12sさんはAfter Effectsに加え、昔からCinema 4Dの3DCGを取り入れたモーショングラフィックスに取り組んできた。今回、インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265を搭載したマウスコンピューターDAIV KM-I7G7Tを使用して、3DCGを取り入れたモーショングラフィックス作品を制作していただいた(プロジェクトデータを無料配布!)。NVIDIA Studio認定PCでもあるこのモデルで、処理の重いシミュレーションの工程などレンダリングやエンコードなどのパフォーマンスはどうだったのか? 作品制作の工程のなかで感じた、DAIV KM-I7G7Tの魅力や使用感についてお話を伺った。
取材・文●山崎ヒロト/写真●WARP DESIGN WORKS/構成●編集部 萩原/協力●株式会社マウスコンピューター


*パフォーマンスと効率の両面でスケールアップを実現。これまでにないAI PC 体験を提供
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DAIV KM-I7G7Tの第一印象

――今回は12sさんにミニタワー型デスクトップPCのDAIV KM-I7G7Tを使ってもらいました。まずは率直な感想を聞かせてください。
僕が普段使っているPCよりもそもそものスペックが高いのでとても快適でした。普段はソフトが落ちるような局面でも耐えてくれたり、特にCGの作業をするうえでは良かったと思います。NVIDIA GeForce RTX 50シリーズが積まれていてVRAMの余裕もあったので、体感ですけどレンダリングも含めたら2〜3倍ぐらい速いのかな、と。
――DAIVのフルタワーケースのFXシリーズよりも33%コンパクトになっている筐体のサイズはどのように感じましたか?
本当にコンパクトで、特に“背が低い”という点が良かったです。フルタワーケースのPCをデスクの上に置くと圧迫感があるんですけど、今回はそれを感じませんでした。重量も軽いので、レイアウト替えや掃除の際の運搬も苦にならないと思います。重たいと本当に腰をやらかすこともあるので…(笑)。あと、コンパクトなのに冷却性能は高いと思いました。排気口から出てくる風も普通に冷たいですし、冷却している音も気になりません。机の上に置くということを考えると、音や熱によって作業の集中力が削がれないのはすごくいいですね。



天面のUSBにはカバーがついているのもうれしい。「長くつかっていると埃が溜まったりでこういうところからヘタっていくんですよね」。
今回12sさんが制作してくれた作例と制作時のパフォーマンス
――DAIV KM-I7G7Tを使った今回の作例について教えてください。
このPCの能力を検証する意味でも、Cinema 4Dのシミュレーション(物理演算)など重たそうな処理を意図的に入れてみました。やってみたかったけど処理が重くてやれていなかったことを詰め込んで、ちょっとした習作のように作っています。光っている球体が動いていくということを共通にしつつ、表現的に幅広い方が検証としても意味があると思ったので、マテリアルや素材感はどんどん変わっていくようなものにしよう、と考えました。
――制作はどういった流れでしたか?
基本はカットごとにCinema 4Dで作ったものをOpenEXRの連番で出力、それをAfter Effectsに持っていって編集したり、コンポジットしたり…という流れです。Cinema 4Dの撮って出しでちゃんと見れるような状態にすることを意識したので、After Effectsでは明るさを調整などちょっとした味付け程度ですね。
――一番処理が重たかったのは流体のシーン(作例の0:08頃)などですか?
そうです。最近、Cinema 4Dが流体に強くなったこともあってシミュレーションをやってみたくなって。「Cinema 4Dの流体は軽い」と言われていて、僕もその印象がありますが、パーティクルの量が増えてくるとどうしても重くはなりがちなんです。今回、そこそこの数のパーティクルを飛ばしているんですけど、普通にシミュレーションしてくれました。さすがに少し時間はかかりますけど、ちょっと背伸びをしている間にキャッシュが溜まるんです。カクつくけど止まらない。これだけでも全然ストレスがなく作業できます。このレスポンスの早さであれば仕事でも全然使えますし、実践的なトライアンドエラーができると思いました。
――たしかにそこに時間がかかると、シミュレーションをやった上で“使える画”になるかどうかの判断ができないですよね。
ちゃんと思い描いた動きになっているかどうかの確認にすら時間がかかってしまうと、忙しい作業中にトライしようとすら思わなくなってしまいます。今回の作例で言うと、水泡の間を球体が抜けていくシーン(作例の0:02頃)は、質感的に透過していて光の屈折や反射の処理が重くなりそうだなと予測していたんです。ただ、このシーンもレスポンスが早くて驚きましたね。キャッシュが溜まっていたらもちろんですけど、キャッシュなしでも普通に走るんですよ。実速とは言わないですけど、止まらず固まらず、ほぼストレスなくプレビューを見れるんです。レスポンスが早いのは正義だなと思いましたね。


――モーショングラフィックスの最近の傾向として、仕事でそういった重い処理を求められる場面は増えていますか?
僕のお仕事内容は少し偏っているのでいちがいには言えませんが、求められる画のルックのクオリティはどんどん上がっているんじゃないでしょうか。3Dを使う案件ではリアルさをより求められますし、“手が掛かっているように見える”ことが大事になってきたイメージがあります。なので、クリエイター側も“出し”を早くして、トライアンドエラーをする頻度も増やして、どんどん精度を上げていかないといけない。そういう意味ではPCのスペックが高いということは大事なことだと思います。スペックが低いとレンダリング時間などの兼ね合いも考えると、サンプル数を下げざるを得ないんですけど、あとから書き出した画で確認すると破綻に気づくこともあるので、改めてサンプル数を上げてもしっかりと再生できるスペックがあるのはいいよなぁと思いました。



――DAIV KM-I7G7TはどんなクリエイターにオススメのPCだと言えると思いますか?
用途にもよりますが、例えばAfter Effectsで平面的なモーショングラフィックスをやっていたけど、そろそろ本腰入れて3Dをやってみたいと思っている中級者の方にはピッタリだと思います。もちろんゴリゴリのフル3D作品をつくるのであればもっと高いスペックが必須になるんでしょうけど、僕の仕事の場合もそういう案件はあまりないので、RTX 5070でも充分。価格的にライトユーザー向けではないことは確かですけど、仕事で使うクリエイターで自作を組まないのであれば、いいバランスなのかもしれないですね。

――12sさん的にもDAIV KM-I7G7Tは選択肢に入ってきた、と。
いま5年くらい前のPCをだましだまし使っていて、ちょうど購入を検討していたので、すごく物欲が刺激されましたね(笑)。こういういいPCを触っちゃうと、いまのPCに戻りたくなくなっちゃう、という。今回使わせてもらって、普通に個人用で買ってもいいと思いました。
21:9の横長液晶モニター・ProLite XUB3493WQSU-5の使用感は?


マウスコンピューターのディスプレイブランド「iiyama」から発売されているProLite XUB3493WQSU-5は、UWQHD(3440 x 1440)解像度パネルを搭載した34型ウルトラワイドディスプレイ。価格も55,990円(税込)とコストパフォーマンスも抜群の製品。
――12sさんには21:9の横長液晶モニター・ProLite XUB3493WQSU-5も合わせて使用してもらいましたが、いかがでしたか?
すごく良かったです。僕が普段使っているのは一般的なサイズのシングルで、デュアルモニターにはしない派なんですけど、モニターは広いに越したことはない、と改めて思いましたね。最初は広すぎてどこ見ていいか分からなくなって少し戸惑いましたけど、Cinema 4Dの作業で単純にレンダービューをひとつのモニター内で確認できるのが良かったです。あと、僕の仕事としては3Dで全部のシーンを作るのではなく、モーショングラフィックスにおけるパーツをCinema 4Dで作って、それをAfter Effectsに持っていくので、ソフトを行ったり来たりするんです。だから同時起動させながら同一画面で確認できるのはすごく便利でした。
――そのほかに横長モニターならではの気づきはありましたか?
Cinema 4Dで感じたのは、プレビューのスペースが大きく取れるということです。モニターが小さいと、ツールを展開していくとどんどんプレビューのスペースが狭まっていくんですよ。After Effectsではタイムラインのスペースがとても広く感じました。8,000フレームぐらいあるMV作品だと、作業したい該当のシーンにアクセスできないぐらいタイムラインが細かくなってしまうんですけど、横長モニターならある程度全貌を把握できるぐらいのサイズで表示されるんです。初めての感覚でしたけど、慣れるとこっちのほうが使いやすいし、単純に作業環境が広いって大事だなと思いました。いろんな使い方ができる幅があることで、作業効率やクオリティに直結しますから。
●DAIV KM-I7G7T(NVIDIA Studio 認定PC)の製品情報

DAIV KM-I7G7T(NVIDIA Studio 認定PC)
[Windows 11 Home]インテル Core Ultra 7 プロセッサー 265搭載モデル。NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti搭載で幅広いクリエイティブにおすすめなミニタワー型デスクトップPC
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