株式会社ニコンイメージングジャパンは、REDの技術を融合したシネマ向けの製品シリーズ「Z CINEMA」からフルサイズセンサー搭載カメラ『ニコン ZR』を10月24日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は本体のみが299,200円、24-70レンズキットが374,000円。(税込)。
フルサイズセンサーを搭載した『ニコン ZR』は、REDのRAW動画収録コーデック「R3D」をベースとして、ニコンのカメラ専用に新開発した動画記録ファイル形式「R3D NE」を搭載。RED機のカラーサイエンスと露出基準を採用し、RED機と同等のカラーマッチを実現。また、ISO800/6400の2つのベースISO感度に対応しており、暗い場所での撮影にも強く、15+stopsの広いダイナミックレンジで、様々なシーンで最高の映像品質を実現。最大6K 59.94pの撮影にも対応し、内部収録が可能。
さらに、音にもこだわり、内蔵マイクと外部マイクでの32bit float収録に世界で初めて対応。内蔵マイクではNokia社製OZO Audioの採用により、5種類の指向性モードの選択ができ、高音質な音声収録を実現。優れた視認性を確保する4.0インチ大型モニターを採用しながら、「Z CINEMA」カメラシリーズ最軽量の約540gを達成しており、ミニマルなシステムでも高品質な映像制作を可能にする。また、ニコン Z マウントの特長であるフルサイズ機最短16mmのショートフランジバックにより、幅広いレンズ資産を活用できる。


「R3D NE」はフルサイズセンサーを搭載し、6K 59.94p、4K 119.88pの12bit RAWでの内部収録に対応。ISO800とISO6400の2種類のベースISO感度を採用。さらに15+stopsの広いダイナミックレンジを活かして、ハイライトからシャドウまでバランスの取れた高画質を実現。また、ガンマLog3G10及びガマットREDWideGamutRGBに対応しているので、REDのカラーサイエンスに合わせた露出基準と色を再現する。
REDのシネマカメラとの併用時も、同等のカラーマッチを実現。また、気軽にREDのシネマルックな映像を楽しみたいユーザーのために、ユーザー設定プリセット「シネマティック動画」モードを搭載。さらに、「Nikon Imaging Cloud」には、RED監修による9種類のシネマティックな「イメージングレシピ」も用意。
外部マイク入力だけでなく、内蔵マイクでも32bit float収録に対応し、小さな音から大きな音まで、現場での音量調整をしなくても歪みのないクリアーな音声を記録。インタビューからライブコンサートまで幅広い音源に対応可能。
内蔵マイクでは、ノキア OZO Audio技術を採用し、3つの高性能なマイクを搭載することで、最先端の音声収録を実現。前方(鋭)、前方、後方、全方位、バイノーラルの5種類の指向性モードから選択できる。インタビューやVlog撮影はもちろん、外部マイクを使用しなくても臨場感あふれるASMRまで、幅広い収録スタイルに対応する。
デジタルシネマ向けの色空間DCI-P3を100%カバーし鮮やかで正確な色を再現、さらに正確なピントを確認しやすく、明るい環境下でも見やすい307万ドットの高解像度と1000cd/m2の高輝度に対応。アスペクト比は、主要な撮影情報を撮影画面の外に配置し確認しやすいよう16:10を採用。外部モニターを装着せず、コンパクトなシステムでの運用も可能。

ニコンのフラッグシップカメラ「ニコン Z9」に搭載している画像処理エンジン「EXPEED 7」の圧倒的な処理能力と、ディープラーニングを活用したAI技術によって、被写体をより的確に検出・追従し、シーンに合わせた最適な画像処理が可能。また、人物や動物、乗り物など9種類の被写体をカメラが自動で高精度に検出。フレーム長辺に対して約3%のサイズの小さな顔も捉えるため、遠くの人物も正確にピントを合わせることが可能。さらに、イメージセンサーシフト方式の5軸手ブレ補正により、手持ち撮影でも手ブレを抑えた動画撮影が可能。
外装全体で効率的に放熱できる設計を採用。USB給電時には連続撮影時間が125分と長回しにも対応。
カラーグレーディング後のイメージが確認しやすい4.0インチ画像モニター上でのLUTモニタリングに対応。17ポイント、33ポイント、65ポイントの3種類のLUTデータの読み込みが可能。また、「NX MobileAir」を使ったFrame.ioの「Camera to Cloud」に対応。動画データは直接クラウドに自動で転送されるので、撮影後のワークフローを短縮できる。

ニコン初、デジタルアクセサリーシューを搭載。アクセサリーと双方向での通信ができ、タリーランプやマイクのLED制御など新しいアクセサリーの使用が可能に。他にも、カメラからアクセサリーへの電源供給が可能となり、バッテリーやケーブルが不不要。また、新設計のシューカバーを装着することで、高い防塵・防滴性能を発揮。今後他のアクセサリーメーカーとの協業により、映像制作者のニーズに応える様々なアクセサリーを提供しするとしている。
本体サイズは、約134(幅)×80.5(高さ)×49(奥行)mm、質量が約630g。
◉井上卓郎さんによる速報レポートはこちらから https://videosalon.jp/report/nikonzr1/
◉製品情報
https://nij.nikon.com/products/lineup/z_cinema/zr/
株式会社ニコン
https://www.nikon.co.jp/