レポート◉takumifone

協力:日本サムスン株式会社/ITGマーケティング株式会社 機材協力◉ブラックマジックデザイン株式会社

今年発表されたiPhone 17 Proシリーズでは、まさかのProRes RAW収録が可能になり、それに伴ってProRes RAWがDaVinci Resolveにて編集可能になるなど、まさかのiPhoneがきっかけで映像業界の長年の希望が叶えられるようになりました。

そしてさらにはブラックマジックデザインから、Blackmagic Camera ProDockと呼ばれるハブが発売されました。以前から様々なメーカーにおいて、iPhone向けのUSB-Cハブが販売されていましたが、配信機材やカメラを手がけてきたブラックマジックデザインがまさかのiPhone向けのガジェットを出してきたというのは、こちらも映像業界に衝撃を与えました。

普段、閑古鳥な筆者のXも、ProDockについてのツイートをしたら、プチバズりをしていました。ProDockが市場でかなり注目されていることが分かります。

こんなまさかの連続で、ProRes RAWの収録がiPhoneにおいて可能になった一方で、課題となってくるのが「容量」です。今回は一足早くブラックマジックデザインのBlackmagic Camera ProDockを触らせていただき、SamsungのSSDのT9と組み合わせて検証していきます。

その前に、それぞれの登場ガジェットの説明をしていきましょう。

Samsung T9

言わずと知れたSamsung Portable SSD Tシリーズ。中でもSamsung T9は以前こちらでレビューさせていただいたSamsung T7 Shieldの約2倍の最大2000MB/秒の連続読み出し、書き込み速度を実現したSSDです。USB規格はUSB 3.2 Gen 2×2。容量は1TB、2TB、4TBの3種類。そして、最大3mの耐衝撃性能があるというタフなSSDです。市場には様々なSSDが存在していますが、ここまでの機能を伴った伴ったSSDはなかなかないのではと思います。

Blackmagic Camera ProDock

iPhone 17 Proシリーズと同時に発表されたブラックマジックデザインのBlackmagic Camera ProDock。USB 3.2ポートが2つ、USB 2.0ポートが1つ、HDMIビデオ出力、タイムコード入力、オーディオ入/出力、そして電源用の+12V~+15Vの入力ポートが存在し、iPhone 17 Proシリーズに限ってはGenlock入力に対応しています。

特にGenlock入力に関しては、対応していないコンシューマー向けのシネマカメラも多く、例えばソニーのFX3では対応していません。Genlockに対応することで、マルチカメラ撮影の際の同期が正確になるだけではなく、LEDウォールの撮影の際にも、LEDウォールのパネル群とiPhoneの基準信号を合わせることができるので、ノイズやちらつきが発生しません。もはや、Blackmagic Camera ProDockは、iPhoneをLEDウォール撮影のクラッシュカムにしてしまうデバイスとなっています。

Samsung T9 × Blackmagic Camera ProDock

iPhone 17 ProとSamsung T9、Blackmagic Camera ProDockの組み合わせで検証をしていきましょう。リグはおなじみのBeastgrip Proを利用して上のように接続しました。

Blackmagic Cameraを使用し、初期設定はProRes RAW HQ、4K(4224×2240) 60fpsで収録を開始しました。当たり前ですがSamsung T9の中身は空っぽです。

最初に接続した状態。
「設定」から「Apple ProRes RAW HQ」を選択。

ProRes RAW収録の際は、外部ストレージが必要になります。

クリップの保存先としてSamsung T9を選択。

収録は順調に進み、自動的に収録が停止しました。結果、なんの問題もなくSamsung T9の容量をフルで使い切ることができました。2TBを約142分で消費したので、1分あたり約14GBを消費する計算です。

「不明なエラーが原因で収録が止まりました」と出るがSSDの容量いっぱいまで記録できて停止した(以下同)。

しかしここで自分は思いました。iPhone 17 ProにはProRes RAWともう一つ重要なアップデートがあったなと。そう、オープンゲートです。iPhone 16 Proシリーズの際にもオープンゲート撮影に対応したサードパーティーの撮影アプリは存在しましたが、アップル、ブラックマジックデザイン公式で対応するのはiPhone 17 Proが初です。

そこで僕は、ProRes RAW HQ、60fpsのまま、4K(4224×2240)からオープンゲート(4224×3024)に設定を変更しました。この設定はiPhone 17 ProをSSDに繋げた場合の最大容量設定になります。

収録の「解像度」で「Open Gate」を選ぶ。
オープンゲートで撮影。アスペクトは4:3になる。

いざ、収録を開始し、待つこと85分。収録が停止しました。これはつまり、T9が完全に満タンになったことを意味します。2TBを85分で消費するとなると1分で約23GBを消費したことになるオープンゲート撮影。もはや驚きでしかありません。昔のiPhoneが64GBだった時代が懐かしいです。さらに驚きなのはこの大容量データの滝行に耐えたSamsung T9です。

こちらも「不明のエラーで…」と表示されるが、容量いっぱいまで記録することができた。

まとめ

今回の検証では、iPhone 17 ProとBlackmagic Camera ProDockの検証を、Samsung T9を介して行いました。毎回SamsungのSSDを使用して気づくのが、2TBの容量が埋まるまで映像を収録し続けても、問題を起こさないSamsungのSSDのタフさ。見た目だけではなく、中身も強いというもはや最高クラスの信頼度を持ったSSDです。LEDウォール撮影のクラッシュカムになり得るiPhone 17 Pro、そしてiPhone 17 ProをLEDウォール撮影のクラッシュカムに変えてしまうBlackmagic Camera ProDock。そのお供にピッタリなSamsung T9、皆さんもぜひ使用してみてください。

iPhone 17 ProでのProRes RAW収録については、引き続き別の環境でも検証していきます。ご期待ください!

Samsung Portable SSD T9(2TB)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CK88Z8NY/ (Amazonサイト)

Blackmagic Camera ProDock
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/blackmagiccamera#prodock (メーカーサイト)