APV(Advanced Professional Video)は、サムスンが2023年に発表したスマートフォンのカメラでライセンスなしに使用できる、劣化の少ない動画フォーマット。2026年発売のGalaxyに搭載を目指しているという。

APVは、生の映像に迫る“知覚的ロスレス”をうたう新しい映像コーデック技術だ。会場ではデモ映像とともに、画素領域予測を用いないフレーム内符号化によって、高スループットと低複雑性を両立している点が紹介されていた。2K/4K/8Kといった高解像度コンテンツでも、数Gbps級のビットレートを安定して処理できるという。

クロマサンプリングは4:2:2から4:4:4、ビット深度は10~16bitまでサポート。複数回のデコード/再エンコードを繰り返しても画質劣化がほとんど確認できないとのこと。

そのほか、マルチビュー映像やデプス、アルファ、プレビューといった補助映像のサポート、さらにHDR10/HDR10+を含む多様なメタデータ対応など、制作現場での運用を見据えた要素も検討されている。

APVはアップルのProResと並ぶ規格になるのか? 今後の動向に注目したい。