今年初出展となるREXブースで目に止まったのは、ノルウェー発のKelvin 社が発売しているフルカラースタジオライト Epos 600。北欧風インテリアかと思うようなおしゃれな外観のLEDライト。同社独自の 赤、緑、青、アンバー、シアン、ライム6 色 LED エンジン「Cantastoria」を採用し、1,700~20,000K という極めて広い CCT レンジと、CRI 98/TLCI 99/TM-30 Rf 95+ という高い色再現性能を両立している点が大きな特徴。

ブースに展示されたヘッドは、6mm厚アルミボディの堅牢な構造に加え、IP65 クラスの防塵防滴に対応。屋外ロケや特殊な環境でも運用できる点が、映画照明としての信頼性を高めている。出力は最大 600W クラスで、Bowensマウントを採用しているため、現場で既存のアクセサリ資産がそのまま使えるのもメリットだ。加えて Kelvin 独自の磁気着脱式MagTechも用意され、ディフューザーやアクセサリの交換が素早く行える。

操作面では、別体コントローラの 5 インチ・TFT タッチパネルが秀逸で、CCT/HSI/XY/ジェル/エフェクトなどのモードを直感的に切り替えできる。Bluetooth(Kelvin Narrator)、DMX、CRMX、Art-Net と、放送・映画現場で必須となる制御プロトコルをフルにサポートしている点も、プロ用途への本気度を物語っていた。

併せてブースには、Kelvin の新しい小型フルカラーライト 「Hero」 も展示されていた。手のひらサイズながら、同社の6色 LED エンジンを継承し、CCT・HSI・XY 制御を備えた本格仕様。大型ライトと色合わせする“現場ユーティリティ”としての活用が強く意識されている印象だった。本体は金属筐体で放熱性能も確保され、USB-C 給電のほか、小型ながら DMX/CRMX 対応というプロ機らしい構成。Epos 600 のような主役機と色統一を保ちつつ、車内、卓上、クローズアップなどの仕込みライトとしても活躍してくれそうだ。