Hall4の放送・業務の音声関連で気になるメーカー&製品を中心にレポート。
デジタルオーディオネットワーク作りに力を入れるYAMAHAブース
▲音響メーカーとして老舗と言えるYAMAHAだが、”ネットワークオーディオ”にブース全体が力を入れていた。ネットワークオーディオとは、3つ以上の機器間で自由に音声の送受信が行なえる伝送形態で、従来のアナログ/デジタル伝送では実現できなかったシステム構築を可能とする。入力端子や出力端子の概念がここではないというのが特徴だ。
▲ライブサウンドコンソールではiPadもシステムに組み込まれている。
▲ネットワークオーディオに関連する無線LAN構築等のセミナーも人を集めていた。
録りといえばSHUREのマイク
▲通訳付きのリモートコントロールデモ&解説を行なっていて、こちらも人を集めていたSHUREブース。
目についたのはやはりマイクで、放送用のガンマイクでは本体の何倍ものジャーマーに心ひかれた。
鋭い指向性を持つショットガんマイクの新モデル、VP89とVP82。
▲VP89(写真左・中央、VP82(写真右)
▲SHUREのヘッドホン試聴エリアも数は多くないながらも熱心な試聴者が。
個人的に気になったのは、「レコード針で培った経験を結集した」というSRH750DJ。
ゼンハイザーブース
マイク各種の試聴ブースのほか、生演奏ブースではライブパーソナルミキサーのM-48が人気を集めていた。
▲M-48
▲evolutionシリーズのENG取材セット。ew 112-p G3 標準価格98,700円
アツデンブースにも注目の新製品が
マイクの新製品はすでにビデオサロンでもレポートしているガンマイクのSGM-3416/3416Lをはじめ、定評ある製品を出展。InterBEE2011で初お目見えなのがワイヤレスシステムで、2000BT(ベルトバックトランスミッター)、2000URX(スペースダイバーシティレシーバー)が「近日発売」。
▲2000BT(左)、2000URX(右)
▲もうひとつ目に止まったのが、DSLR用のポータブルトランスミッター、FMX-DSLR。ヘッドホンアンプも搭載。DSLRの音声収録を快適にしてくれそうな1台だ。
創立50周年を迎えるオーディオテクニカ
1962年に創立されたオーディオテクニカは2012年に満50年を迎えるということで、記念モデルが数多く登場。おおっと思ったのが、定評のある性能で世界中のプロフェッショナルから広い支持を得ているロングセラーマイクのAT4050に、日本の伝統職人技による漆塗りをほどこしたAT4050 URUSHI。一度見たら絶対忘れない印象を与えるだろう。
▲AT4050 URUSHI
▲このほかナレーションマイクセットも新製品が登場。Rycoteのインビジョンスタジオキット(RY-STUDIOKITSM)\24,675、インビジョンユニバーサルショックマウント(RY-INVUSM)\15,750、インビジョンポップフィルター(RY-POPFILTER)\9,870。
タスカムではPCMレコーダーが充実
タスカムからは複数に新製品PCMレコーダーが登場。
▲上からDR-05、DR-07MKⅡ、DR-40。
▲そして一際存在感の大きいDR-100MKⅡ。
そのほかの注目製品
▲SOUND DEVICESのPIXプロダクションビデオレコーダー、PIX220&PIX240。ディスプレイモニターに見えてProResやDNxHDのファイルを記録できる、現場で活躍する1台。
▲SCHOEPSのデジタルショットガンマイク、SuperCMIT。2010のワールドカップで使われたというだけあって、個性的なブルーのボディカラーが目をひく。
▲これから使われていく1.9G㎐帯をいち早く使用するrevolabsのデジタルワイヤレスマイクシステム、Executive HD。最大32本の送受信を同時に行なえ、新帯域だけにトラブル知らずという心強いシステムだ。
Hall4イチバンの大盛況エリア
▲製品ブースではないが、この音響関連ホールで一番の人出を集めていたのが、ホール奥のコーナーで行なわれていたラウドネス・ワークショップ・プログラムだ(主催:一般社団法人電波産業会、社団法人放送連盟)。17日(木)はラウドネスメータ基礎講座から始まり、ポストプロダクションの対処法、放送局での運用(民放編)、音楽制作におけるラウドネスのあり方、等のセッションがあり、立ち見の人だかりができていた。
これは、2012年10月より、テレビの音の基準が変わる(T032)が導入されるため。T032とはテレビ放送における音声レベル運用規準のことで、これまで局によってバラバラだった音声レベル(平均ラウドネス)を国際標準の「-24LKFS」に揃えられることになる。つまりチャンネル(古い)を変えたり、番組からCMになると音声ボリュームがまちまちでその度に音量を上げ下げする必要がなくなる、ということだ。業界の音声関係者たちは、その勉強のためにこのセッションやラウドネス測定メーターの新製品を熱心に見入っていた。