ソニーは、4月8日(月)~11日(木)に、米国・ラスベガスで開催される国際放送機器展“NAB (National Associations of Broadcasters) 2013”において、「Beyond Definition」をテーマに、新たな価値を創造する様々な映像制作ソリューションを展示。
XAVCでワークフローイノベーション
ソニーはXAVCをオープンな技術フォーマットと定め、4Kコンテンツの普及拡大に向けて、映像制作メーカー等へライセンスプログラムを提供してきた。これまでに業界約60社の企業と導入に向けた交渉を行っており、すでにライセンス契約をした企業を含め31社がフォーマットをサポートしているという。 XAVCビデオフォーマットをさらに多くのアプリケーションで活用されるように、既存の業務用XAVC Intraフレーム方式に加えて、Long GOP方式 (4K 4:2:0およびHD 4:2:2) を新たに追加した。 さらにコンスーマー向け機器での扱いやすさを考慮し、MP4ファイル形式を採用した高画質ビデオフォーマットXAVC Sを追加。これにより、ソニーはXAVCフォーマットを映像制作から視聴において、業務用途からコンスーマー用途までトータルにカバーするビデオフォーマットと位置付ける。
業務用4 K有機ELモニターを開発および業務用HD有機ELモニター刷新
プロフェッショナルの要求に応える忠実な映像信号を再現する56型と30型の4K有機ELモニター(56型:3840×2160ピクセル、30型:4096×2160ピクセル)を開発。2014年中に30型の4K有機ELモニターの発売を視野に入れ、開発しているという。
また、業務用HD有機ELモニターではパネル視野角を大幅に向上し、従来のモデルと比較して視野角による色の変化を半分以下に改善。このパネルを従来の17型と25型の計6モデルの業務用有機ELモニターに搭載し、ラインアップを刷新した。
HD422 MPEG 50Mbps対応のXDCAMショルダーカムコーダー「PMW-400」
「PMW-400」は、HD422MPEG50Mbpsに対応しており、番組制作からスタジオカメラ用途まで、幅広く使える機能を備えており、一台でマルチユースが可能。 また、現在開発中のワイヤレスアダプター(技術展示)と組み合わせることで、プロキシ記録やファイル転送、Wi-Fiでのビューイングやメタデータ入力などが可能となり、撮影現場での利便性向上を図っていく。
撮像素子に2/3型 フルHD “Exmor” 3CMOSイメージセンサーと、新開発の3Dノイズリダクションの搭載により、F12の高感度、SN比60 dBの低ノイズを実現。、記録ビットレート50Mbps、フルHD、4:2:2サンプリングに対応したMPEG HD422 50Mbps記録を採用しており、MXFファイル形式でSxSメモリーカードに高画質で記録できます。50Mbpsの高ビットレートにより動きのある被写体に強く、また4:2:2サンプリングによりクロマキー合成に強いなど、制作過程での利便性が向上。記録フォーマットは、MXFファイル形式だけでなく、XDCAM EXで採用されているMP4ファイル形式にも対応しているほか、XAVCフォーマットにも対応を予定。
さらに、付属の3.5型カラー液晶ビューファインダーは、有効画素960×540ドットの高解像度を実現しており、HD撮影での精細なフォーカス合わせをサポート。また、オートフォーカス対応の16倍ズームレンズを付属したPMW-400Kもラインアップしている。
その他、カムコーダー本体でフラッシュバンドを補正する機能やスロー&クイックモーション機能など、豊富な機能を搭載する。
XDCAMメモリーカムコーダー
『PMW-400K』(レンズキット)2013年8月発売 希望小売価格2,310,000円
『PMW-400L』 2013年8月発売 希望小売価格2,079,000円
オールインワン型映像制作機器Anycast Touch(エニーキャストタッチ)AWS-750
ライブ制作は、放送のみならず、企業・文教・エンタテインメントなど多くの分野があるが、
Anycast Touchは、持ち運びできるコンパクトさと、複雑な機器の接続がいらないオールインワンシステム、タッチパネルでの簡単な操作性で、企業や文教あるいはイベントなどの映像制作において、簡便なオペレーションでの映像制作を実現する製品。
2つのタッチパネルモニターで構成されており、画面にタッチするだけの直感的な操作を可能に。また、最大の特長として、シーンとして合成する映像、エフェクト、タイトル、BRCシリーズカメラ(ソニー製旋回型カメラ)のアングルなどを事前に登録し、イベントの進行に合わせてシーンを選択するだけで、ワンタッチでオンエアできる。通常のスイッチャー等の機器操作で必要となるクロスポイント選択やエフェクト設定といった操作が不要で、スイッチャーの操作に不慣れな人でも、簡単に操作できる。
ライブイベント制作に必要な様々な機能をオールインワンに搭載しながら、アタッシュケースほどのサイズで、重さも約6.5kgとコンパクト。持ち運びが容易で、小さいスペースへの設置、少人数でのオペレーションを可能にする。映像は6系統の入力(HD/SD-SDI、コンポジット、RGB、HDMI)に対応しており、HD/SDビデオ、PC信号の混在運用ができるほか、様々な映像合成が可能で、ビジュアル効果の高い多彩な演出が行える。 また、ライブ映像の内蔵ストレージへの記録や、外部のストリーミングサーバーへの配信もできる。
FS700Jで4K/2K RAW記録を可能とする インターフェースユニットを発売
昨年のInterBEEでもアナウンスされていたFS700用のインターフェイスユニットは6月発売。NEX-FS700Jは、本体をバージョンアップすることで、4K/2K RAWデータを3G HD-SDI端子から出力が可能になる。このインターフェイスは、RAWデータを入力するSDI端子を持ち、RAWレコーダー AXS-R5と接続して、AXSメモリーカードにRAW記録を実現するもの。
4K(4096×2160)記録時のフレームレートは24p、30p、60pであり、約4秒の120fps収録にも対応します。2K(2048×1080)記録時は、さらに240/120fpsの連続収録にも対応します。記録されたRAWデータのワークフローは、CineAlta 4Kカメラ PMW-F55/5 と AXS-R5 を用いてRAW収録した場合と共通になる。
インターフェースユニット
HXR-IFR5 2013年6月28日発売 210,000円