※この連載は2014年5月号から2016年12月号に掲載した連載「トリタイ映像研究所」をリニューアルしたものです。
Vol.4「飛び散るキューブに爆発の光を追加する」
作例・文●タイム涼介
CC Particle Worldは使い方次第で多くの場面で活用できる
今回も「CC Particle World」を使って飛び散る光の演出を追加していく。「CC Particle World」はAfter Effectsに標準で収録されているエフェクト。パラメーター次第で、前回までのエネルギーボールの一部や飛び散るキューブなど全く違った見た目に変形ができて汎用性が高い。
ただし有料のプラグインに比べて機能が簡素だ。それを補うためには「CC Particle World」だけで完成させようとせずに、いくつか他のエフェクトを重ねてかけていくとさらに用途が広がる。今回の放射状に飛び散る光の作成工程は、大きく分けて3つある。それに伴ってエフェクトも3つ使用した。まずCC Particle Worldで動きを設定。次にグローで明るさを増す。そして「CC Light Burst 2.5」で形を整える。エフェクトも実際のものづくりと同様に順序立てて仕上げていく必要がある。先に説明した3つの工程の順序が入れ替わると全く違ったものができ上がってしまうからだ。
レイヤーのエフェクトコントロールパネルには適用したエフェクトが上から下へ順番に並んで重なっていく。この順番がエフェクト作成の工程順になっていて、不用意にドラッグなどをして上下エフェクトの順番が入れ替わると結果が変わってしまうので注意が必要だ。しかしこれは一つのレイヤーの話に過ぎない。
映像の完成にはこのように作りこんだレイヤーを複数重ねてコンポジションを形成していく。この時レイヤーの上下の順番も見た目に影響を及ぼすので注意が必要だ。After Effectsの作例の説明は文章で読めば気の遠くなる作業だが、実際に試してみると感覚的に掴めることが多い。
エフェクト作りは常にトライアンドエラーの連続で何度も微調整してイメージに近づけていくしかない。しかしそこでは思わぬ結果が出ることが多い。この思わぬ結果が蓄積されてエフェクト作りのアイディアの引き出しが増えていく。失敗を楽しみつつ正解を決めないことが個性的なエフェクトを作る秘訣だといえる。
【STEP1】CCParticleWorldで放射状の光を作る
【STEP2】光の動きを設定する
【STEP3】パーティクルの見た目を作りこむ
【STEP4】別エフェクトで見た目を仕上げる
【STEP5】背景の人物と重ねて、キューブの爆発とタイミングを合わせる
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