7月3、4日、東京の秋葉原でパナソニックAfterNABを取材しました。その模様は別途レポートさせていただきますが、一番気になるのは、やはりNABでベールをかぶったまま登場し、6月頭のCineGearで公開され、でもまだ日本では正式発表はされていない(細かいスペックはまだ決まっていない)AU-EVA1ではないでしょうか? 会場ではまだアクリルケース入りで、モックアップという状態。

現状の発表内容についてはこちら

それでも食いつくビデオサロンとしては、イベント終了後に別室で設計担当と商品企画担当に密着取材しました。

その模様は7月29日発売の「ビデオグラファーのための映像制作機器ガイド2017-2018」でご報告します。まさにそのターゲットにぴったりのカメラですから。

ここでは、ほんのさわりだけ。

この赤いライン、DVX200ではちょっとやりすぎだったかなということもあり、控えめに。でも、他社との差別化になっていますし、新しいカメラを感じさせます。

ボタン類はこの面に集中しています。ボタンをあまりに多くすると分かりにくいということもあるので、できるだけ絞り込み、この面に集めたと言っていました。レバーはホワイトバランス、ISO、ユーザー設定の3種類とその右横のダイヤルで調整します。NDフィルターは1/4、1/16、1/64の3段階。電子手ブレ補正は、5.7Mピクセルから切り出すタイプ。

型番ですが、パナソニック業務用にはAJ、AU、AGといった系統がありますが、AJは放送用、AUはVaricam系(昔はMIIにもつけられていた)、AGがAVCCAMなどの業務用。EVA1はAUシリーズではありますが、Varicamというネーミングはついていません。そこはコンセプトもやや違うということです。ただ、ここからVaricamにステップアップするとか、特にVaricam LTのサブ機として使ってもらうことも想定していて、画質などは揃える方向でチューニングしているとのこと。

EVA1とは、できるだけ覚えやすい型番にしてほしいというユーザー、販売店などからのフィールドバックを受け、愛称として自然にエヴァと呼んでもらえるような型番にしたとのこと。

Entrant VAricam(バリカムの入門機)といった意味も込められれているそうです。

ハンドルを外すと天面はフラットになり、ネジ穴が多数設けられています。ボディ後部にEVFはなし。

グリップは着脱可能な回転式で、親指でレバーを解除して回転させることができます。持たせてもらいましたが、ひじょうに持ちやすい形状でした。グリップを持つ手でメニューも操作できるそうです。

FS5を連想させるグリップですが、ボディの違いとしては、EVA1はXLR2系統とも本体ボディのほうにあること。そしてタイムコードIN/OUTがあることでしょうか。

売れているソニーのFS7、FS5に対抗すべく、キヤノンEOS C200、パナソニックAU-EVA1と出てきたことで、コンパクトデジタルシネマカメラのスタイルが明確にできてきました。

このスタイル、もともとはCINEMA EOSがあって、それに触発されたソニーがFS7とFS5でブラッシュアップ。そこにパナソニックも追随して、完全に確立したように思います。

できるだけコンパクトなボディに着脱可能なハンドルと回転式グリップがあり、LCDはケーブル接続で、ボディの左にもボディ上にも自由に動かせるタイプ。EVFはどちらもありだが存在感は薄くなっていて、LCDをEVF的に使うパターンも。こんな感じでしょうか。一眼系とは違って、三脚に載せたときはカメラの左側に立ってオペレートするというビデオカメラの基本スタイルに戻っているように思います。