製品名:CLASSIC PRO CGM1/CGM2(取り扱い:サウンドハウス)
価格:いずれも¥3,800
手軽に音質を上げられるGoPro用小型マイク
Report● 松本 敦
[ 製品概要 ]
今回テストするのは、サウンドハウスから発売された2つのGoPro用マイク。超単一指向性のショットガンマイクCGM1と単一指向性のXYステレオマイクCGM2だ。正直なところ、これまでアクションカム(ウェアラブルカメラ)で音質を向上させようと思ったことは個人的にはなかったのだが、ユーチューブを見るとGoProで撮影した映像だけで作成した作品や、自撮りでナレーションを入れた作品も増えていることから、こういったマイクを活用するシーンもあるのではないかと考え、今回のテストに臨んでみた。
2製品に共通する点としては、GoPro本体からUSBで給電でき、電池は不要ということ。GoProに付属する防水ハウジングは側面が覆われてしまっているため、このマイクを使用するにはUSB端子部分が開放されているスケルトンハウジング、またはネイキッドフレームの購入が必要になる。
GoProへの取り付けは、CGM1/CGM2付属のプレートにマイクをネジで装着し、そのプレートをスケルトンハウジングまたはネイキッドフレームの下部にあるマウントに噛み合わせ、同梱のネジで止めるという方法。マイクの位置はプレート上で多少移動させることができる。
今回はテストにあたり、GoProの純正アクセサリー「トライポッドマウント」を使用した。デジカメ用の三脚や卓上スタンドに取り付けることができるので、これも併せて用意しておくといいだろう。
[ CGM1の音質 ]
CGM1とCGM2を屋外と室内の両方で使い、GoPro内蔵マイクの音と比べてみた。
CGM1は室内でマイクから約30㎝の距離で話してみたところ、ひじょうにクリアな音質で録ることができた。GoPro内蔵マイクのみで収録した時に気になったホワイトノイズもCGM1ではほとんど気づかないレベルまで下がっていた。インタビュー用としては最適なマイクだと思う。最近はテレビのインタビューなどでもGoProがサブカメラとして使われることがあるが、ガンマイクを装着して「保険」用の音声を録っておくのもいいかもしれない。
なお、GoPro内蔵マイクと比べると音量がやや小さめに収録された。
一つ残念なのが、外で使用する際に風の音を軽減させようと付属のウィンドスクリーンを装着すると、角度によっては画面にマイクが映り込んでしまうということ。屋外で使用する際には注意が必要だ。
[ CGM2の音質 ]
CGM2は単一指向性で、2つのマイクが内側から外向きにクロスして配置されるXY方式のステレオマイクだ。LOWとHIGHの切り換えスイッチも付いている。音量はカメラ内蔵マイクよりも小さく収録される傾向があったが、マイクを向けた方向の音はしっかり拾いつつも、広い範囲で臨場感ある音を捉えていた。CGM2にも風の音を軽減させるウィンドスクリーンが付属するが、こちらは装着しても画面内に映り込むことはなかった。
一応、室内でのインタビューでも試してみたが話し声があまりクリアに聴こえず、やはりインタビュー等ではCGM1のほうが適しているようだ。
[ 総合評価 ]
マイクとしてはひじょうに手が届きやすい価格が嬉しい。かなり特徴の分かれる2機種だが、音質を一歩向上させたい方は、録りたい音によって使い分けてみてはいかがだろうか。
●両機種ともウィンドスクリーンを同梱
製品に同梱されるもの。CGM1、CGM2いずれも、マイク本体、USBケーブル、ウィンドスクリーン、カメラ搭載用のマウント器具がセットになっている。
●GoProと合わせて邪魔にならない小ささ
CGM1(左)、CGM2(右)ともに手のひらに乗る程度の大きさ。ステレオマイクCGM2にはLOW/HIGHを切り替えるスイッチも備わっている。
●卓上三脚があると便利
インタビュー用マイクとして使う場合は、このような卓上三脚があると便利だ。写真の商品はLPL のトライポッドカメラグリップ。
●純正ハウジング着用時は使用できない
マイクにはUSBケーブル経由で給電する。GoProのUSB端子は側面にあるため、側面が塞がれている純正のハウジング(右)着用時は使用できない点に注意。今回はGoPro別売アクセサリーのネイキッドフレーム(左)を使用した。
●CGM1はウィンドスクリーンの映り込みに注意
CGM1のウィンドスクリーン装着時はレンズへの映り込みに注意。角度を調整したり別マウントを使って回避することは可能だ。
●この記事はビデオSALON2015年9月号に掲載されています。
http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1496.html