ソニーから、4KメモリーカムコーダーPXW-FS5が発表された。型番が示すとおり、昨年登場したPXW-FS7の弟モデルという位置づけで、価格は現行のFS700Rよりも下になる。総画素1160万、14ストップのラチチュードを持つスーパー35サイズの4K CMOSセンサー、Eマウントのレンズ交換式による機動力のある大判4Kカメラという基本コンセプトはFS7から受け継ぐが、記録系はXAVC-Lとなり、4K/30pまでの対応となる。
ソニー
XDCAMメモリーカムコーダー
PXW-FS5
68万円
PXW-FS5K(レンズキット:キットレンズはE PZ18-105mm F4 G OSS)
74万円
11月18日発売
Grab and Shootというコンセプト
FS7は、伸縮するアームと回転式グリップを採用し、肩に載せられる新しいカムコーダーのスタイルを提案したモデルだったが、FS5はさらに機動力を重視したモデル。ボディ本体では、800gという軽さで、キットレンズ、ハンドル、グリップ、液晶モニターなどを装着した使用時質量は2.2Kg。中級業務用ハンドヘルドカメラよりも軽いボディになっている。軽量を意識して設計したという。ボディは手のひらにのるサイズと重さで、グリップ、ハンドルを簡単に着脱できるようになっており、ジンバルやドローンに載せることも考慮されている。ハンドルを外して、可動式液晶モニターをボディ正面に設置するといったことも可能で、光軸とモニターを合わせることもできる。XLR端子はハンドルに1つ、ボディ側に1つあるので、ハンドルを外しても音声入力は可能。
グリップはFS7のものと形状は似ているが別設計。着脱部はネジ式ではなく、バヨネットタイプになっており、素早く着脱が可能。ズームレバーも設けられ、Eマウントの電動ズームレンズであれば、グリップからズーム操作できる。グリップの角度可変はリリースボタンでロックが解除され、撮影中でも角度を変えることができる。FS7はグリップ&アームを折り畳まないと床などに置きにくかったが、FS5はグリップのポジションに関わらず、床置きが可能。
記録メディアはSDXCカード
記録系はFS7のXQDに対して、FS5ではSDXCカードに。もちろん2スロットで同時、リレー、バックアップ記録に対応。記録フォーマットはXAVC-LとAVCHD。
4KはQFHD(3840×2160)、30pと24pまでで、ビットレートは100Mbpsと60Mbps。4K内部記録しながらの4K出力は現状ではできないが、液晶パネルへの出力を切ることで実現することを検討中だという。HDではハイフレームレート撮影が可能で、画質優先モードで240fps(8秒)と120fps(16秒)、高速撮影優先で960fps(19秒)、480fps(9秒)。それぞれトリガーはスタート、エンド、エンドトリガーハーフが可能。
超解像ズームは4K時で1.5倍、HD時で2倍。ズームレバーにより、ワイド側から滑らかにズーミングすることができる。また、HD時には1920×1080部分を切り出すセンタースキャン機能があり、ちょうど×2エクステンダーとして使用することができる。変換アダプターを利用することで、スーパー16㎜用レンズも活用できる。
ログガンマはS-Log3も採用
最近話題のログガンマは、S-Log2とS-Log3の両方を採用。色域はS-Gamut、S-Gamut3、S-Gamut3.Cineと上位機と同じガンマ・色域を採用。S-Logを設定できる感度はISO3200以上となっている。FS7にあったCine EI(Exposure Index)モードは採用されていない。
バリアブルNDフィルターが便利そうだ
ハンドヘルドカメラのX180/X160に採用されていた濃度を連続可変できるバリアブルNDフィルターが、スーパー35センサー用としては初めて採用された。ソニーには大判カメラにおKそこの機能が欲しいという声が寄せられていたという。ボディ左のダイヤルでは、アイリスもしくはNDの濃度を調整でき、たとえば右手のグリップのメインダイヤルにアイリスを割り当てれば、右手でアイリス、左でNDの濃度を調整するといったことも可能。NDはダイヤルにプリセットすることも可能で、従来の操作感覚で3段階のフィルターを手動で入れることもできる。その場合もお仕着せの濃度ではなく、自分で設定できるというのがメリット。
FS5発売前イベント~FS5:Grab and Shootをソニービル8Fで開催
とにかくその操作感が気になるFS5だが、InterBEEの前にタッチ&トライする機会が設けられた。入場は無料だが、完全登録制となっている。
日程:10月15日(木)、16日(金) 11:00~18:00
場所:銀座ソニービル8F OPUS
登録、詳細についてはこちらから